うつ病治療に新たな道を切り開くスタンフォード大学の研究

A couple strolls on a sunny autumn day in St James's Park in London October 24, 2010. REUTERS/Luke MacGregor (BRITAIN - Tags: ENVIRONMENT)
Woebot uses CBT to talk to patients, and several studies suggest the approach lends itself to being administered online.Image: REUTERS/Luke MacGregor
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うつ病は世界で最も大きな障害の原因であり、命を奪うこともある。しかし、科学者たちはうつ病について驚くほど多くを知らない。

しかし、対話が役立つようだということは分かっている。とりわけ、資格を持つメンタルヘルス専門家の指導のもとでは効果が期待できる。ところが、治療には費用がかかり、通うのも不便で、受けることへの心理的なハードルもしばしば高い。最近の推計によると、精神疾患のある米国人のおよそ5人に1人のうち、約3分の2が少なくとも1年間、治療を受けていない。

こうした問題に対するシリコンバレー流の取り組みがいくつか登場している。従来の精神科診療所に代わり、テキストメッセージでやり取りするアプリや、悩みをオンラインで匿名で相談できるチャットルームがある。

こうしたテクノロジーを活用した治療法の最新例がWoebotだ。人工知能を搭載したチャットボットで、認知行動療法(CBT)を用いて設計されている。CBTは、うつ病治療の臨床的アプローチの中でも特に研究が進んでいるものの一つだ。

Woebotを中途半端なスタートアップのアイデアだと片付ける前に、開発したのがスタンフォード大学の臨床心理学者、アリソン・ダーシーであることを知っておいてほしい。ダーシーは公開に先立ち、うつ病や不安を抱える実際の人々の小規模なサンプルを対象に、この技術の試作版をテストしていた。

「データには驚かされました」とダーシーはBusiness Insiderに語った。「これだ、と思いました」

この試験の結果は火曜日に発表され、学術誌『Journal of Medical Internet Research Mental Health』に掲載された。

試験では、ダーシーはうつ病や不安の症状を経験していると答えた学生70人を募り、2つのグループに分けた。一方のグループは2週間、Woebotとチャットし、もう一方のグループには米国国立精神衛生研究所のうつ病に関する電子書籍を紹介した。2週間の間に、Woebotのグループの参加者は、ほぼ毎日ボットとチャットしただけでなく、うつ症状が大幅に軽減したと報告した。

これまで効果の測定が難しかった種類の治療法にとって、有望な結果だ。ボットと人間による対話型治療と、従来の人間同士の対話型治療を比較した研究は、まだ多くない。

WoebotはCBTを用いて患者と対話する。いくつかの研究は、このアプローチがオンラインでの実施に適していることを示唆している。最近、学術誌『World Psychiatry』に掲載された研究レビューでは、オンラインでCBTを受けた人々と対面で受けた人々を比較し、オンラインでも同等の効果が得られることが分かった。

Image: 世界保健機関

ダーシーによると、その理由の一つは、CBTが子どもの頃に起きたことではなく、今の生活で起きていることについて話し合う点にある。そのため、Woebotとは母親との関係について話す代わりに、最近の職場での衝突や友人との口論について話すこともできる。

「CBTの前提は、私たちに起きる出来事そのものではなく、それにどう反応するかが重要だということです」とダーシーは語った。

Woebotはこの方法論を使い、いわゆる「ネガティブなセルフトーク」に陥っている可能性のある点を指摘する。これは、周囲の環境をゆがんで捉え、そのことでつらい気持ちになることを意味する場合がある。

たとえば、友人があなたの誕生日を忘れたとき、Woebotに「誰も私のことを覚えていてくれない」とか「本当の友達なんて一人もいない」と話すかもしれない。Woebotは、現実をゆがめる「白黒思考」と呼ばれるネガティブなセルフトークの一種に陥っていると指摘するかもしれない。実際には、あなたには友人がいるし、あなたのことを覚えている人もいる。友人の一人が、ただ誕生日を忘れていただけだ。

「セルフトークは人間であることの一部です」とダーシーは語った。「しかし、私たちが抱く思考の種類は、実際に感じている感情の種類と結びついています」

ダーシーは、Woebotは従来のセラピーに取って代わるものではなく、メンタルヘルスへの取り組みの選択肢を広げるものだと強調する。

「私はこれを、セラピーをより良く行う方法だとは考えていません。別の選択肢だと考えています」とダーシーは語った。「この分野では、人々にさまざまな選択肢を提供することが十分にできていませんでした。ほかの人と話す心の準備ができていない人には、どんな選択肢があるのでしょうか」

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