21世紀初頭、世界ではメンタルヘルスの不調と関連疾患がまん延しました。しかし、メンタルヘルスの問題として多くの人が思い浮かべるのはうつ病であり、世界で障害の主な原因ですが、人々が直面するメンタルヘルス上の懸念で最も大きいものではありません。
その不名誉な座を占めているのは、不安障害です。
不安障害に苦しむ人は推定2億7,500万人に上ります。世界人口の約4%にあたり、国ごとの割合は人口の2.5%から6.5%に及びます。不安に苦しむ人の約62%は女性(1億7,000万人)で、男性は1億500万人です。

不安障害の経過はさまざまですが、よく見られる症状には次のようなものがあります。
予期不安――将来の不幸を心配する、緊張して落ち着かない、集中しにくい
運動性緊張――落ち着きのなさやそわそわする、緊張型頭痛、震え、リラックスできない
自律神経系の過活動――ふらつき、発汗、心拍数の異常な増加(頻脈)や呼吸の異常な速まり(頻呼吸)、上腹部の痛み(心窩部不快感)、めまい、口の渇き
2030年までに、あらゆるメンタルヘルスの問題が世界経済にもたらす損失は、16兆ドルに達する可能性があります。増え続ける人々の生活を損ない、経済的な負担ともなるメンタルヘルスの課題に世界がどう取り組むかは、ダボスで開催される世界経済フォーラム年次総会2019の議題となっています。
ケンブリッジ公ウィリアム王子はダボス2019に出席し、職場のメンタルヘルスについて語る予定です。これは、職場における感情面および精神面のウェルビーイング向上を目指す同王子の取り組みです。
最新のデータが示す以上に、メンタルヘルス障害の実態は深刻である可能性があります。先進国と発展途上国のいずれでも、記録されていないケースが多いためです。診断を受けた人でさえ、必ずしも適切な治療を受けられるとは限りません。世界保健機関(WHO)が指摘するように:
「保健医療システムは、精神障害による負担にまだ十分に対応できていません。その結果、治療の必要性と実際の提供との間には、世界中で大きな隔たりがあります。低・中所得国では、精神障害のある人の76%から85%が、その障害の治療を受けていません。高所得国でも、精神障害のある人の35%から50%が同じ状況にあります。」


