疲れていると寛大さが失われるのはなぜか

A new study finds that sleep deprivation leads to a reduction in generosity.
A new study finds that sleep deprivation leads to a reduction in generosity.Image: Photo by Christian Erfurt on Unsplash
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  • 新たな研究によると、疲れていると寛大さが失われるという。

  • 研究者らは3種類の異なるテストを実施し、十分な睡眠を取らなかった人は利他的な行動が少なくなることを明らかにした。

  • 脳スキャンの結果、睡眠不足は社会的認知に関わる脳領域の活動低下と関連しているようだと分かった。

人の寛大さを決めるものは何だろう。持っているお金の額だろうか。どれだけ親切かだろうか。それとも価値観によるのだろうか。いずれももっともらしい考えだが、新たな研究は、最近どれだけよく眠れたかという、一見ささいなことも、日々、他者を助けようとする意欲に影響する可能性があると示している。睡眠不足によって寛大さが低下することが分かった。

研究者らは、疲れているときの人々の親切さを3つの異なる方法で調べた。最初の研究では、21人のボランティアを24時間眠らせず、その後、見知らぬ人の買い物袋を運ぶのを手伝うなど、さまざまな状況でどれほど助ける意思があるかを尋ねた。

参加者には、普段どおり一晩眠った後に利他性に関する質問票に再び回答してもらった。研究者らはまた、21人の参加者の脳活動レベルをfMRI画像検査を用いて調べた。

次に、オンラインで募集した171人のボランティアが、同じ質問票に回答する前に睡眠日誌をつけた。いずれの実験でも、疲れている参加者は利他性に関する質問票の得点が低かった。これは、参加者の共感性の特性や、助ける相手が見知らぬ人か親しい人かにかかわらず当てはまった。

最後に研究者らは、米国で夏時間への変更の前後に行われた380万件超の慈善寄付を分析した。夏時間への変更では、誰もが睡眠時間を1時間失う。変更後数日間の寄付額は、変更の前後の数週間と比べて10%減少した。

fMRI画像の分析から、睡眠不足は、社会的認知に関わる脳領域の活動低下と関連しているようだと分かった。この領域は、他者との社会的なやり取りを調整している。脳活動の変化は睡眠の質ではなく、睡眠時間に関係していた。幸い、この影響は短期間で、通常の睡眠パターンに戻ると消失する。

新たな研究は、睡眠不足によって他者を助けようとする意欲が低下することを示している。Image: エティ・ベン・サイモン、マシュー・ウォーカー、カリフォルニア大学バークレー校

研究が示すこと

睡眠が健康とウェルビーイングの多くの側面に不可欠であることは、長く知られている。これは、よく知られた形で実証された。1959年、米国のDJピーター・トリップは、ニューヨークのタイムズスクエアから生放送を続けるため、201時間連続で起きていた。ピーターの記録は1964年、学校の科学フェアの課題として260時間(約11日間)起き続けた10代のランディ・ガードナーによって破られた。

ランディとピーターは、挑戦の間ずっと元気そうに見えた。しかし、続けるうちに話し方が不明瞭になり、ときには混乱し、アルファベットを唱えるといった簡単な作業にも苦労するようになった。

2人とも鮮明な幻覚も見た。ピーターは靴の中にクモの巣を見たほか、机の引き出しが燃え上がったと思い込んだ。

現在では、睡眠不足が精神衛生上の問題と関連していることが分かっている。その問題には、幻覚や精神病が含まれる。ピーターとランディは試練から回復したように見えたが、研究によると、深刻な長期の睡眠不足は、後遺する神経学的問題につながる可能性がある。

ピーターとランディの挑戦以来、睡眠不足は行動のほとんどの側面に影響し、とりわけ、記憶や意思決定など、基本的な思考能力にも影響することが研究で分かっている。1988年には、米国睡眠学会が学術誌『Sleep』に報告書を発表し、睡眠不足は交通事故や自宅でのDIY中の事故など、事故に遭うリスクを高めると警告した。

2015年の研究では、時計を1時間進めて睡眠時間が1時間減る夏時間への移行直後に、米国で発生した死亡交通事故の件数を比較した。その結果、移行翌日に事故件数が大幅に増加していた。

すべて筋が通る

心理学者は、親切さと寛大さは社会的認知の一部だと考えている。社会的認知とは、他者とどう関わるか、他者に対する自分の行動についてどう判断するかを制御する複雑な一連のプロセスである。

こうした判断は、多くの要因に基づいている。それぞれの要因は、睡眠の質に影響される。たとえば、記憶、過去の状況に関するあらゆる記憶、判断の質、どれほど衝動的か、そして特に感情や、それをどれほどうまく調整できるかである。寄付しようと思う金額も、睡眠の影響を受けると考えるのは当然だ。

だから次に友人からマラソンの募金活動への寄付を頼まれたら、一晩寝てから考えよう。

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