寿命は延びている一方で、すべての人が健康で幸せな生活を送れているわけではなく、多くの国々が、急速に増加する孤独な高齢者人口の世話に苦慮しています。
2050年までに、4分の1以上のフランス国民(2,000万人)が65歳以上になると予測されています。女性の平均寿命は90歳、男性は87歳に達すると見込まれています。
しかしフランスは、高齢者のニーズに応えると同時に、住み慣れた自宅での生活を継続できるようにする、独自の取り組みを打ち出しました。

フランス郵便公社の郵便配達員が、La Posteから報酬を受け取り、毎週高齢者の自宅を訪問したうえで、その状況を心配する親族に報告しています。
「Veiller Sur Mes Parents(親の見守り)」と呼ばれるこのサービスの料金は、月額19.90ユーロ(22.50ドル)からで、毎週の訪問と報告に加え、郵便配達員が印刷する家族からのメッセージや写真で構成された、月刊のパーソナライズドニュースレターも含まれています。
さらに、より高額な第2のパッケージの一部として、24時間対応のヘルpラインも利用できます。
二つの課題を解決
このサービスは2017年5月に開始されました。二つの課題への対応策として始まったものです。一つは郵便物の量が年率5%減少し、フランスの73,000人の郵便局員の業務が減っていたこと、もう一つは高齢化の進展です。
しかし、このアイデアは熱波をきっかけに生まれたものです。
「数年前、熱波の際に市役所から高齢者の家を訪問するよう要請を受けたことで、このアイデアを初めて思いつきました」と、La Posteの顧客サービス部門ディレクターであるエリック・ボードリヤールはVice Newsに語りました。「市役所の職員は心配しており、高齢者の方々が無事かどうか確認するよう我々に求めたのです。そこで、『なぜ常時これを行えないのか』と考えたのです」
約6,000人のシニアがこのサービスを利用しており、年齢は82歳から98歳までです。利用者の子どもたちは50代前後で、多くが都市部で遠く離れて暮らしており、その費用を負担することがよくあります。
フランスでは、同様の制度がすでに提供されています。これらは地方自治体が費用を負担しており、医薬品や食料品の配達、図書館からの本の配達などが含まれます。
世界的な課題
高齢者の孤独感は、認知症を含む健康問題と関連している可能性があります。
最近の米国の研究では、50歳以上の人々のうち、孤独を感じていると回答した人は、認知症のリスクが40%高まることがわかりました。
また、これらの人々はうつ病、高血圧、糖尿病を発症する可能性が高く、身体活動量も少ない傾向がありました。
世界保健機関(WHO)は、報告書『高齢者のメンタルヘルス:高まる懸念への対応』において、次のように述べています。「貧困、社会的孤立、自立の喪失、孤独感、さまざまな種類の喪失などの要因は、精神的健康および全般的な健康に影響を及ぼす可能性があります。
「高齢者は、死別や身体障害などの出来事を経験しやすく、これらは感情的な幸福に影響を及ぼし、精神的健康の悪化につながる可能性があります。」
また、孤独感が引き起こす認知症に関連する費用は、莫大なものになる可能性があります。
Alzheimer’s Disease Internationalの2018年の報告書によると、現在、世界で5,000万人が認知症を患っており、この数は2050年までに約1億5,200万人に増加すると予測されています。
同報告書は次のように述べています。「現在、この疾患にかかる費用は年間約1兆米ドルに上り、2030年までにその額が2倍になると予測されています。」
フランス郵便公社は、郵便配達員のチームを介護担当者として再配置することで、これらの費用を削減する巧妙な方法を見出したのかもしれません。


