緑地を増やせば、都市は私たちの心の健康を改善できる

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Exposure to nature could help prevent stress and mental health problems, a study suggests.Image: Unsplash/Adli Wahid
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  • 自然の中を1時間歩くと、ストレス処理に関わる脳領域の活動が低下することが、新たな研究で明らかになった。

  • 研究者らは、自然の中を歩いた後には扁桃体の活動が低下した一方、都市部を歩いた後には変化しなかったことを見いだした。

  • このことは、自然に触れることで、ストレスや心の健康上の問題を予防できる可能性を示している。

  • この研究は、市民の心の健康に役立つ、利用しやすい緑地を増やす都市計画政策の必要性を浮き彫りにしている。

自然の中を60分間歩くと、ストレス処理に関わる脳領域の活動が低下する。

これは、マックス・プランク人間発達研究所のリゼ・マイトナー環境神経科学グループによる最近の研究で明らかになった結果であり、同研究はMolecular Psychiatryに掲載された。

都市に住むことは精神疾患を発症するよく知られたリスク要因である一方、自然の近くに住むことは心の健康と脳におおむね有益である。

ストレス処理に関わる脳の中枢領域である扁桃体は、都市居住者と比べて農村部の居住者では、ストレス時の活動が低いことが示されており、自然がもたらす潜在的な恩恵を示唆している。

「しかしこれまで、いわゆる『鶏が先か卵が先か』の問題、つまり自然が実際に脳への影響をもたらしたのか、それとも個人が農村部や都市部を選んで住んだのかは、切り分けられていませんでした」と、リゼ・マイトナー環境神経科学グループの博士課程前期研究員で本研究の筆頭著者であるソニャ・スディマック氏は述べる。

因果関係を示す証拠を得るため、リゼ・マイトナー環境神経科学グループの研究者らは、健康なボランティア63人を対象に、ベルリンのグルーネヴァルトの森、または交通量の多い商店街を1時間歩く前後に、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、ストレス処理に関わる脳領域の活動を調べた。

研究結果から、自然の中を歩いた後には扁桃体の活動が低下することが明らかになった。このことは、自然がストレスに関連する脳領域に有益な影響を及ぼすことを示唆している。

「この結果は、自然と脳の健康との間に正の関係があるという従来の見方を裏付けるものですが、因果関係を証明した研究はこれが初めてです。興味深いことに、都市部を歩いた後、これらの領域の脳活動は安定したままで、上昇は見られませんでした。この結果は、都市環境に触れるとストレスがさらに増すという一般的な見方に反しています」と、リゼ・マイトナー環境神経科学グループの責任者であるシモーネ・キューン氏は説明する。

都市に住むことは精神疾患を発症するよく知られたリスク要因である一方、自然の近くに住むことは心の健康と脳におおむね有益である。Image: NeuroscienceNews.com

著者らは、自然がストレス処理に関わる脳領域に好影響を与え、その効果は1時間歩くだけでも観察できることを示している。この知見は、物理的な生活環境が脳と心の健康にどのような影響を与えるかの理解に役立つ。

短時間自然に触れるだけでも扁桃体の活動は低下する。このことは、自然の中を歩くことが、心の健康上の問題の発症を防ぎ、都市が脳に及ぼす潜在的に不利な影響を和らげる予防策となる可能性を示唆している。

この結果は、以前の研究(2017年、Scientific Reports)とも一致している。その研究では、森林の近くに住む都市住民は、扁桃体の構造が生理学的により健全であり、そのためストレスに対処する能力も高いと考えられることが示された。

この新たな研究は、市民の心の健康とウェルビーイングを高めるため、都市に利用しやすい緑地を増やす都市計画政策が重要であることを改めて裏付けている。

異なる集団や年齢層における自然の有益な効果を調べるため、研究者らは現在、自然環境と都市環境で1時間歩くことが、母親とその赤ちゃんのストレスにどう影響するかを調べる研究に取り組んでいる。

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