うつ病は世界中で3億人に影響を及ぼし、世界保健機関(WHO)によると、世界の障害の主な原因となっている。世界保健機関(WHO)。世界経済に毎年1兆ドルの損失をもたらしているが、影響を受ける人の半数未満しか治療を受けていない。
そこでデンマークは、別のアプローチを試している。うつに苦しむ人々に、文化活動への参加を促すのだ。この取り組みはKulturvitaminerと呼ばれ、「文化のビタミン」を意味し、4つの都市で試験的に実施されている。
薬とその副作用を避けられるだけでなく、Kulturvitaminerは医療スタッフが直接関与する必要がなく、訓練を受けた一般の人々が運営できる。少人数のグループで集まり、コンサートから合唱まで、さまざまな体験をする。
不安の軽減、回復力の向上
グループでの合唱がプログラムの重要な一部となっているオールボーでは、地元の交響楽団と協定を結び、グループでリハーサルやコンサートに参加できるようにしている。科学者によると、音楽を聴くとストレスや不安が軽減される。どちらも、うつ病と関連している。
参加者は美術館や博物館を訪れ、回復力を高めることが実証されている創作活動にも取り組む。プログラムには、物語の朗読会や海辺の散歩も含まれる。
参加者は個々の活動がもたらす効果に加え、自分自身の外に意識を向ける対象があることが回復の助けになると話す。また、似た経験を持つ人々と一緒に過ごすことも大きな助けになるという。
オールボーの保健・文化行政部門のマッズ・ドゥーエダール氏のような支援者は、Kulturvitaminerはうつに苦しむ人々を支援する費用対効果の高い方法だと話す。同氏によると、文化は人々を結び付け、新たな気づきへの扉を開き、それが生きる意欲を取り戻すきっかけになる。また、就労への復帰も後押しする。
世界的な解決策となるか
この療法の英語名である「処方による芸術活動」は、20年以上前に英国で始まった。スウェーデンとノルウェーもこのアプローチを先駆けて導入し、大きな成果を報告している。
WHOによると、「行動的介入」は、Kulturvitaminerのように世界各地で有望な成果を示しており、特に紛争地域でうつに苦しむ人々の支援に役立っている。
世界経済フォーラムは、治療を求めて声を上げられるようにする第一歩として、メンタルヘルスの問題に伴う偏見をなくす必要性を強調してきた。また雇用主に対し、メンタルヘルスを支えるより健全な職場を築くよう促した。


