リーダーがメンタルヘルスを重視すべき理由

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「メンタルヘルス」の意味は、誰に尋ねるかによってさまざまです。多くの人は、身体の健康と同じく良好な状態を指すメンタルヘルスと、心の不調を混同しています。心の不調とは、疎遠になった息子が母親との会話を思い描くときに頭をもたげる不安です。分断された世界と新たな人生の選択に直面する大学生を包み込む抑うつです。若者の自己認識を変える双極性障害の診断です。

しかし、メンタルヘルスは世界保健機関によれば、「すべての人が自らの可能性を実現し、日常生活のストレスに対処し、生産的かつ実りある働きをし、地域社会に貢献できるウェルビーイングの状態」です。

問題は、いわゆる人生の「普通の」ストレスが、かなり大きな負担になっていることです。新興技術は今日のリーダーに個人や職場で成長する機会を広げる一方、スマートフォンのようなツールへの依存が高まることで、孤独、不安、うつにつながることもあります。政治的分極化、気候変動、制度への不信によってさらに深刻化するこの目まぐるしい世界は、これからのすべての世代に課題を突きつけています。

今求められているのは、新しいタイプのリーダーシップです。リーダーが弱さを受け入れることで強さを示し、チームが心理的な安全を感じ、革新的に取り組み、望むならメンタルヘルスについて率直に話せる場をつくることで知恵を発揮するリーダーシップです。

では、リーダーはその強さをどう示し、その知恵をどう育めばよいのでしょうか。私たちは、世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーズ(YGL)の4人に尋ねました。彼らの回答は、今日の課題に向き合う健全なリーダーシップに欠かせない3つの要素を示しています。

マシュー・ギルフォードは、テレノール・ヘルスの最高成長責任者で、2019年のYGLクラスのメンバーです。スタートアップにつきものの課題に直面する一方、メンタルヘルスについて話す際につきまとう偏見とも闘ってきました。ここでは、リーダーが自分自身に優しくすることの大切さについて語ります。

人間開発に関する大きな課題、たとえば生計を立てる機会の創出や教育・保健などの分野の改善に取り組むリーダーが、ストレスや自尊心の低下などに悩むことがあるのは、少し皮肉なことです。大義や社会に影響を与える機会に十分応えられていないと感じたり、週70時間働いても足りないと思ったり、課題の大きさに比べて自分は失敗していると感じたりすることがあります。そんなとき、人間中心のリーダーシップとは、自分自身に、そしてそれ以上にチームに対して、感情面で寛容になろうとすることだと思います。人間開発における最も難しい課題は、ときに家庭から始まります。

マシュー・ギルフォード

2019年のYGLクラスのもう一人のメンバーである、アンジュラ・ミャ・シン・バイス博士は、国際的に活動する心理学者で、トラウマの専門家、人権政策の策定者です。利益優先や冷笑的な姿勢に傾きかねない世界で、人間中心のリーダーが共感を保つことの大切さについて語ります。

相互の思いやりを犠牲にして、定量的な損益を優先するなど、Yを犠牲にしてXを追求するようなリーダーシップを考える余裕はありません。

アンジュラ・ミャ・シン・バイス

では、YGLが考える、人間中心のリーダーに不可欠な3つの要素とは何でしょうか。

1. 文化:リーダーは、メンタルヘルスの問題にまつわる偏見をなくし、一人ひとりの置かれた状況への理解を促す文化を築くべきです。

ビリー・マワシャは、2017年のYGLクラスのメンバーで、アフリカ各地で確固たる地位を築いている企業リーダーです。

私の取り組みは、セルフマネジメント、意識の醸成、仲間同士の支援、そして他者への配慮に重点を置いています。メンタルヘルスの問題が普通のこととして受け止められ、偏見を持たれない環境づくりが大切です。リーダーである私たちも、自らの弱さを共有することでそれを実現できます。私は自分が直面する弱さや、それにどう対処しているかを同僚に率直に話しています。今日のリーダーは、メンタルヘルスへの偏見をなくし、手頃な価格で利用できる支援サービスを提供することを優先すべきだと思います。率直で誠実な対話を行い、メンタルヘルスに関する資源を提供することで実現できます。

ビリー・マワシャ

メンタルヘルスが誤解されたり、偏見を持たれたりしている環境では、リーダーはその話題を当たり前に語れるようにするうえで、とりわけ重要な役割を担えます。私たちもバングラデシュで、ソーシャルメディア、SMS、その他の健康関連のコミュニケーション手段を活用し、小さな形ながらこの取り組みに貢献してきました。

マシュー・ギルフォード

2. 誠実さ:人々は誠実なリーダーについていきます。

調査によると、私たちは人の言葉よりも、その人の行動や人となりに耳を傾けます。一人ひとりに、誠実さを見抜く感覚が備わっています。自分自身と向き合い、そのすべてを受け入れて初めて、私たちは自分ならではの力をもって世界と向き合うことができます。

アンジュラ・ミャ・シン・バイス

ネハ・キルパルは、2015年のYGLクラスのメンバーで、より良いメンタルヘルスの仕組みを目指すインドの起業家です。

人間中心の有効なリーダーであるためには、地球、地域社会、企業や組織、同僚、友人、家族、そして何より自分自身を大切にする姿勢を示さなければなりません。共感に基づく働き方や生き方を理解し、実践していることを示す必要があります。他者の専門性や知識を認め、そこから耳を傾けて学ぶ自分の力も示せる、感情面での強さと成熟が求められます。そして社会的責任は、単なる見せかけではなく、私たちの人となりの一部であることを行動で示す必要があります。

ネハ・キルパル

3. 自己省察とセルフケア:有能なリーダーは自分を理解し、自分自身を大切にします。

予防のために健康診断を受けるのと同じように、すべてのリーダーは瞑想、ヨガ、セラピー、エネルギー療法、あるいはできればそれらを組み合わせた方法で、積極的に自己探求に取り組むべきです。「今日の多くの問題」は、根本的には、ひとり静かに座って自分を探り、観察することができないことから生じています。

アンジュラ・ミャ・シン・バイス

メンタルヘルスは誰にとっても大切であり、それに投資することは身体の健康と同じくらい重要です。それでも多くのリーダーはこの点を見過ごし、自分自身のメンタルヘルスを十分に大切にしないことで、従業員にとっての重要性も損ないがちです。自分の状態に意識を向け、心の前向きな蓄えを育むことは、一人ひとりのニーズや事情を尊重する、共感に基づいた人間中心の組織づくりに大いに役立ちます。

ネハ・キルパル

もちろん、これらの要素は互いに排他的ではありません。重なり合う点を認めたうえで、ネハは的確にこう述べています。

NK:リーダーは、自分のメンタルヘルスを大切にすることの重要性を理解し、率直に認識する必要があります。また、それを組織の優先事項とし、企業の会合や地域社会の場で公に支持するべきです。これは、真の包摂、すべての人の平等な人権、そして組織とその人々の持続可能な発展に向けた世界的な取り組みに大きく貢献します。

ネハ・キルパル

社会起業から心理学、企業財務からヘルステクノロジーまで、こうした人々は自分たちと同僚にとって人間中心のリーダーシップが何を意味するのかを切り開いています。メンタルヘルスの重要性を認識し、自分らしさを誠実に示し、自らのリーダーシップのあり方を振り返ることで、彼らは実際に自らの可能性を実現し、日常生活のストレスに対処し、生産的かつ実りある働きをし、組織や地域社会に貢献しています。

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