多くの国で、うつ病や双極性障害などの気分障害について、より早い段階で診断を受ける人が増えています。
研究者らは、うつ病の症状を初めて経験してから診断を受けるまでに、平均して5年かかることを明らかにしました。
治療を求める人が増えたことや、子どもや青少年向けの診断ガイドラインが改善したことが、診断年齢の分布の変化につながっています。
うつ病は、人生の長い期間にわたって人々に影響を及ぼすことがあります。症状が途切れず続く人もいれば、症状のない期間を長く挟みながら、エピソードとして現れる人もいます。
では、人々はいつ初めてうつ病を経験するのでしょうか。
うつ病を初めて経験する年齢は「発症年齢」と呼ばれます。
ただし、これはさまざまな方法で測定できます。一つの方法は、人々が初めて症状を経験した時期を調べることです。そのために、これまでの人生で経験した症状について聞き取りを行います。過去にうつ病の診断基準を満たす症状があったと話す人もいます。もう一つの方法は、その人がこの疾患と診断されたことがあるか、また初めて診断された年齢を調べることです。
このグラフは、Marco Solmi氏らによるメタ分析に基づき、うつ病の発症年齢を示しています。研究者らは、世界各地で行われた研究のデータを統合しました。1
データが示すように、うつ病の症状を経験してから診断を受けるまでには、平均して5年の隔たりがありました。症状に基づいて測定した場合、発症年齢の中央値は26歳でした。診断に基づいて測定した場合、発症年齢の中央値はより遅く、31歳でした。また、症状と診断のどちらにも大きな幅があることがデータから分かります。4分の1の人は、34歳になるまで症状を経験していませんでした。診断の場合はさらに遅く、4分の1の人は46歳になるまで診断を受けていませんでした。
過去より早い年齢で診断を受ける人が増えている
多くの国で、うつ病や双極性障害などの気分障害は、過去より早い段階で診断されるようになっています。2
グラフのデータには、その明確な証拠が見られます。
このデータは、精神疾患と初めて診断された年齢を調べたデンマークの研究から得られたものです。研究者らは、全人口を対象とするデータを使用しました。3
1996年には、診断を受ける年齢に大きな幅がありました。若年層、中年層、高齢層のいずれも、うつ病と初めて診断される可能性は同程度でした。2016年までには、診断を受ける年齢が大幅に早まっていました。人生の後半よりも、若年成人期にうつ病と診断される可能性がはるかに高くなっていました。
この年齢分布が変化した理由はいくつかあります。
第一に、メンタルヘルスの問題について治療を求める人が増えました。4
第二に、子どもや青少年の疾患を診断するためのガイドラインが、過去より充実しています。デンマークでは、子どもや青少年が専門家の診察を受け、メンタルヘルスの問題についてスクリーニングを受ける機会が増え、学校で精神症状の定期検診も受けるようになっています。5
そのため、うつ病の最初のエピソードの段階で診断を受ける可能性が高まっています。以前は、実際に2回目や3回目のエピソードを経験したときにようやく診断されたり、まったく診断されなかったりすることもありました。
精神疾患の発症年齢について理解することは重要です。メンタルヘルスのスクリーニングや治療は、年齢に応じて行われることが多いためです。一部の国では、若者を対象とした対応が限られています。6
うつ病は人生の早い段階でも起こり得ると認識することで、支援を必要とする人々をより効果的に助けられるようになります。




