人生の意味とは何か。これは何千年にもわたって哲学者たちを悩ませてきた問いであり、唯一の正解はない。しかし近年、どのようなものであれ、生きがいを持つことが幸福に欠かせないと科学者たちは明らかにしつつある。
5月24日に発表された研究が、JAMA Current Open誌に掲載され、健康と人生を突き動かす力との関連についての知見をさらに深めた。生きがいを持つことが長寿と結びついているという。ミシガン大学公衆衛生学部の研究者らは、50歳を超える約7,000人のデータを分析し、「人生の目的意識が強いほど、死亡率が低いことと関連していた」と結論づけた。研究者らは、「目的を持って生きることには健康上の利点があるかもしれない」と考えている。
今回の研究は、米国の健康・退職研究(HRS)に参加した人々のデータに基づいている。HRSは、長期にわたって対象者の集団を追跡する研究だ。元の研究では、2006年に参加者の心理的な幸福度を測定し、身体の健康状態と、その後2010年までの死因も調べた。新たな分析では、心理に関する質問票で生きがいの欠如が示された人は、「目標を生み出す、自らの人生を方向づける目的」を持つ人より死亡する可能性が高いことが分かった。
実際、生きがいのない人は、目的や目標を持つ人に比べ、死亡する可能性が2倍を超えていた。生きがいは、性別、人種、教育水準よりも長寿をよく示す指標であり、飲酒、喫煙、定期的な運動よりも死亡リスクを下げるうえで重要だった。
注目すべきことに、何を生きがいと感じるかは分析対象ではなかったため、どんな生きがいでも、ないよりはよいことが研究から示されている。個人を突き動かすものが何であるかは関係ないようだ。たとえば、シャクヤクを育てることへの情熱、子どもの成長を見届けたいという思い、あるいは自分の仕事への愛情でもよい。大切なのは、人生に喜びを感じさせ、自分を突き動かす何かを持つことだ。
今、生きがいを感じていない人も、絶望する必要はない。研究が指摘するように、その意欲は育むことができる。「人生の目的意識を高めることを目指して、さまざまな介入策が開発されている」と研究者らは記している。研究者らは、ボランティア活動、ウェルビーイング療法、瞑想、そしてマインドフルネス・トレーニングはいずれも、より強い生きがいを育み、生活の質を高め、身体の健康に影響を与えることが、先行研究の分析で示されていると述べている。
今後は、病気と診断された人にこうした介入策がいつ適切なのかを検討すべきだ。研究者らは、生きがいを育む訓練を治療法に組み込める可能性があると論じている。また、今回の結論は、日本で「生きがい」を「生きる糧、生きる喜びや目標」と定義し、生存との関連を示した研究とも一致すると指摘している。
生きがいと長寿の関係はこれまでも研究されてきたが、今回の新たな知見は、研究を企画した研究者たちさえ驚かせた。ミシガン大学の疫学准教授で論文の共著者でもあるセレステ・リー・ピアース氏は、NPRに語った。「とても懐疑的な目でこの研究に取り組みました。あまりに説得力があるので、これを軸に研究プログラム全体を立ち上げようとしています」



