米国は、郵便に関する世界的な協力を目的とする国連機関、万国郵便連合(UPU)からの脱退を計画している。ホワイトハウスは、国際配送に関して同連合が取り決めた料金に異議を唱えている。
この規則は、貨物が各国の領域に到着した後、その取り扱いについて各国の郵便事業者が相手国に請求できる料金を定めている。米国は、この制度により、中国からの発送が米国内での発送より安くなり、中国の電子商取引企業に不当な優位性が与えられていると主張する。この主張には一部に真実があるものの、誇張されることも多い。
大きく報じられたこの動きは以前から準備が進められており、ワシントンと北京の経済的緊張が高まるなかで発表されたが、世界貿易で起きている非常に興味深い変化を浮き彫りにしている。
従来型貿易の成長を、越境電子商取引の成長が大きく上回っている。コンサルティング会社フォレスターは、国際電子商取引が2017年から2022年にかけて年率17%で成長すると予測している。電子商取引全体(越境・国内、企業間取引・企業消費者間取引)では12%の成長を見込む。
この傾向は、物流・輸送サービスに大きな影響を及ぼしている。さまざまな場所に少量の商品を届けるため、流通経路が見直されてきた。消費者が常に在宅しているとは限らないため、再配達や受け取り場所の利用が増えている。顧客はますます迅速なサービスを求め、電子商取引のサプライチェーン全体に圧力がかかっている。返品も多い。荷物の紛失や破損は、消費者の信頼を損なう。
さまざまな政策分野が、電子商取引の配送コストに影響する。例えば、国境での通関手続きが常に目的にかなっているとは限らない。輸送インフラの質と利用可能性、デジタルガバナンス、電子決済の選択肢、規制の透明性はいずれも重要な要素だ。
多くの郵便事業は、民営化と市場自由化を通じてここ数十年で大きく変貌した。電子商取引の急拡大はさらなる改革を求めており、速達・小包事業者はこれを歓迎する一方、ときに懸念も抱いている。
例えば、一部の郵便当局は、他の事業者が自らのネットワークに接続しやすくし、税関申告に向けたデータ管理を改善するとともに、ユニバーサルサービス義務のあり方を再検討する必要がある。国内の郵便利用者にとっての料金面の不利に戻ろう。国際料金はおおむねコストに基づいているが、調整には時間がかかり、常に正確とは限らない。国内の小売料金は比較すると高く見えることがあるものの、郵便物の大半には、より低い商業料金が適用される。国内郵便は通常、はるかに速く、質の高いサービスを提供する。万国郵便連合が外国から届く郵便物の料金を改定するのは歓迎すべき一歩だが、地政学的な大変動とまでは言えないだろう。
不均衡な輸送費も、長らく貿易に影響してきた。中国から米国や欧州への航空・海上運賃は、逆方向よりも高い。これは不公平な扱いによるものではなく、限られた船舶や航空機の輸送能力をめぐって競合する貨物がより多いためだ。
電子商取引の恩恵が拡大し、広く行き渡るためには、中小企業や消費者が、活発な国内外の物流ネットワークを通じて、多様な配送方法を選べる必要がある。郵便の近代化、サービス貿易のガバナンス、貿易円滑化を通じた国際協力は、世界の買い手と売り手にこうした選択肢を届ける一助となる。





