貿易をより円滑にするには

貿易をより円滑にするには
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当初、関係はかなり単純に見えます。輸出入に必要な書類の数が増えるほど、貿易に必要な手続きをすべて完了するまでの時間も長くなります。そこから導かれる政策提言は、必要な書類の数を減らして貿易にかかる時間コストを削減し、貿易円滑化を実現することです。そうでしょうか。ある程度はそのとおりです。しかし、さらなる研究により、実態は必ずしも見かけほど単純ではないことが分かりました。

最近の論文(『International Trade Journal』掲載予定)では、125カ国のデータを用いて、貿易書類と貿易にかかる時間コストの関係を検討しました。 Doing Business プロジェクトのデータを用いました。投入指標は輸出入に必要な書類の数、成果指標は物品の輸出入に関するすべての手続きを完了するまでの日数です。両者の間には予想どおり正の関係が見られましたが、より興味深い結果は、この関係がさまざまな側面によってどう異なるかを調べた際に明らかになりました。

貿易書類の数と貿易にかかる時間コストの関係が、国の規模(総人口)や所得(一人当たりGDP)によって異なるかを検証しました。興味深い結果が得られました。貿易書類の数が増えると、国の規模が大きいほど、輸出入手続きの完了にかかる時間(時間コスト)の増加幅も大きくなりました。この結果には妥当性があります。小国は大国より貿易への依存度が高く、そのため効率的な書類制度への投資意欲も強いからです。図1では、人口規模の異なるパーセンタイルに属する国々について、書類の数と貿易にかかる時間の関係を示しています。

図1:

同様に、書類が1種類増えた場合、低所得国は高所得国よりも貿易に長い時間がかかることが分かりました。これは、豊かな国のほうが貧しい国よりも、効率的な書類制度に充てられる資源が多いことに起因すると考えられます。

この結果は何を意味するのでしょうか。国の状況によって、投入指標が成果指標に及ぼす影響はかなり大きく異なる場合があります。そのため、投入指標だけを見て政策の成功を評価すると、成果指標が必ずしも望ましい水準まで変化するとは限らず、リスクがあります。今回の結果が示すように、小国で貿易円滑化政策を実施する場合、貿易書類を大幅に減らしても、輸出入にかかる時間が大きく短縮されるとは限りません。影響は比較的小さいでしょう。しかし、成果指標だけを見る場合は話が異なります。貿易にかかる時間が大幅に短縮されたと確認できれば、削減された書類の数にかかわらず、政策が成功したことに疑いはありません。

今回の結果から、政策立案者は政策評価に用いる指標を慎重に選び、全体的な目標に留意するとともに、その目標に直接関係する成果指標を検討すべきだと考えられます。投入指標だけに注目するのは視野が狭く、望ましい水準の変化を保証できない可能性があります。さらに踏み込み、投入指標に対する政策変更が成果指標にどう影響するかを確かめる必要があります。本研究とこのブログ記事が、政策評価に用いる指標の選択をめぐる議論をさらに促すことを期待しています。

本記事は当初、 世界銀行「Let’s Talk Development」ブログに掲載されました。

掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:Asif Islamは、世界銀行グループの企業分析ユニットのコンサルタントです。Mohammad Aminは、世界銀行グループの企業分析ユニットの上級エコノミストです。

画像:シドニーのポート・ボタニー・コンテナターミナルで、船にコンテナが積み込まれている。ロイター/David Gray

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