小国は貿易障壁が少ないのか?

小国は貿易障壁が少ないのか?
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貿易円滑化措置への注目が高まっています。WTOの159加盟国は、2013年12月にバリで開かれた会合で貿易円滑化協定に合意しました。また、欧州委員会、世界銀行をはじめとするドナーは、 貿易円滑化支援プログラム(TFSP) の実施を 開始したところです。

TFSPは、開発途上国が国境手続きを改革・近代化するのを支援するものです。こうした取り組みが重要なのは、税関での遅延が貿易に影響するためです。製品の出荷前の遅延が1日増えるごとに、貿易は1%を超えて減少します。言い換えれば、1日の遅延は、ある国が貿易相手国から平均約70 km 離れることに相当します。
とはいえ、現在、貿易円滑化の度合いには国ごとに大きな差があります。たとえば、フランスからコンテナを輸出するには現在2つの書類が必要ですが、カザフスタンでは同じことをするのに10の書類が必要です。国の規模は貿易円滑化に影響するのでしょうか。貿易円滑化に見られる国ごとの差の一部は、国の規模の違いによるのでしょうか。私たちの最新の研究論文「貿易円滑化と国の規模」は、この問いに答えようとするものです。

本研究では、従来の貿易開放度の尺度を超えて、先行研究を重要な形で拡張します。既存研究とは異なり、貿易体制の自由度を定義するため、ミクロレベルの貿易円滑化、すなわち「国境の内側」の措置に焦点を当てます。貿易円滑化の尺度として、輸出入に必要な書類数と国の規模との関係を精密に分析します。

主な結果は3つあります。第一に、国の規模が小さくなるほど貿易円滑化は進みます。つまり、貿易円滑化の面では小国のほうが大国より優れています。第二に、国の規模と貿易円滑化の関係は非線形です。この関係は、大国よりも比較的小さな国でずっと強くなります。第三に、既存研究から示唆される見方とは異なり、国の規模と貿易円滑化の関係は、小国が大国よりも国内総生産に占める貿易の割合が高いという事実によって説明されるものではないようです。

国際貿易や自由な貿易体制からは、大国よりも小国のほうが大きな恩恵を受ける可能性が高いことを示す 研究の蓄積 があります。市場の小ささは規模の経済を活用する余地を制限するため、比較的小さな国は、政治的な国境を越えた国際貿易を通じて市場規模を拡大せざるを得ません。しかし、貿易開放度と国の規模との関係を示す証拠の大半は、貿易量や国境税を含む貿易開放度の尺度に主として焦点を当てています。

本論文は、貿易円滑化の面でも小国が大国より優れていることを示し、こうした知見を拡張します。つまり、貿易円滑化の尺度である輸出入通関に必要な書類数は、総人口で表した国の規模が大きくなるにつれて、急増する傾向があります。TFSPは小国と大国のどちらで始まるのでしょうか。いずれ分かるでしょう。

この記事は当初、 世界銀行のブログ「The Trade Post」

著者:ジャマル・イブラヒム・ハイダルは、パリ経済学校の博士課程在籍者です。

画像:コンテナ船が、2009年3月6日、ブリティッシュコロンビア州バンクーバーのバラード入り江を出港する。REUTERS/Andy Clark(カナダ)– RTXCG59

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