ミラノで開催される2015年の万国博覧会が食料システムの持続可能性を探る一方、廃棄は地球上の人々を養ううえで依然として大きな障害となっており、世界で生産される食料の約3分の1が失われるか、廃棄されている。たとえば発展途上国では、流通網の不備や冷蔵施設の不足により、収穫後の損失が30~40%に達すると、国連食糧農業機関は述べている。一方、先進国ではサプライチェーンの末端で相当量の食料が捨てられている。たとえば英国の平均的な世帯は、週に6食分に相当する量を廃棄している。
その結果、世界経済には大きな損失が生じており、世界全体で年間1兆ドル相当の食料が失われるか、廃棄されている。この問題は極めて深刻で、フランスなどでは、食品の品質が確保されることを条件に、大手小売業者に売れ残り食品の寄付を義務付け、代わりに税額控除を認めるよう提言する人もいる。
テクノロジーとデータ分析も重要な役割を果たす。たとえば、アクティブRFIDタグを搭載したパレットから得られるデータは、農場から店舗までの輸送中に適切な温度が保たれたかどうかを小売業者が評価するのに役立つ。温度変化によって商品の賞味期間が短くなった場合、食料品店は商品を値引きして、より早く販売できる。削減できる損失は大きい。米国だけでも、小売・消費者段階の食品廃棄による年間損失は1,620億ドルに上る。
小売業者にとってのもう一つの問題は、過剰発注である。米国に拠点を置くBioHitech Americaは、ビッグデータを活用して好気性消化装置の性能を高め、この課題への対処を目指している。廃棄物を一つずつ計量する際、タッチパッドを通じて、その種類、発生源、廃棄時刻の情報が入力される。クラウドに保存されたデータは、食品小売業者が分析し、結局売れない商品の仕入れを減らすために活用できる。
一方、MITの研究者たちは、製品が安全に食べられるかどうかを正確に検知できるよう、近距離無線通信タグを改良した。この技術では、食品の劣化を引き起こす微生物の活動によって発生するガス(エチレンや生体アミンなど)が存在すると導電性が変化する、改良型カーボンナノチューブを使用する。
こうしたセンサーによって、食品が食べ頃か、劣化し始めているかを消費者に知らせ、家庭での食品廃棄を減らせる可能性がある。「食品容器がそれぞれ中身の状態を知らせる様子を想像できます」と、MIT化学部門のディレクター、ティモシー・スワガー氏は言う。「あるいは、何かを食べるべき時期を判断する熟成バッグも考えられます。」
もちろん、課題は導入である。スワガー氏は、個々の包装に使えるようになるには、センサーのコストがさらに下がらなければならないと指摘する。アグリビジネスは食品生産を最適化するために 圃場センサーや衛星追跡 に投資できるが、世界の食料の約70%を生産する小規模農家にとって、こうした技術は依然として手の届かない価格である。
しかし、少なくとも9人に1人が今なお飢餓に苦しみ、土地や水といった資源への圧力が強まる世界では、データを活用して食品廃棄を削減することが、地球上の人々を養ううえでますます重要な役割を担うことは明らかだ。
本記事は、 GE LookAheadとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが本記事の見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:サラ・マレーはGE LookAheadのライター。
画像:卸売青果市場で、タマネギとジャガイモを詰めた袋が積み上げられた中に座る商人たち。REUTERS/Amit Dave。


