人間と機械の相互作用によって、私たちは驚くべきことを成し遂げてきました。今、脳・コンピューター・インターフェースの新時代を迎えるにあたり、学び方やコミュニケーション、機器の操作、さらには互いの関わり方さえも変えるイノベーションに備えるべきです。
従来の人間とコンピューターのやり取りも、すでに脳・コンピューター・インターフェース(BCI)と表現できます。私たちの意図は、キーボードを使って指で入力したり、視線の動きを追跡するカメラを介したりして、脳からコンピューターへ送られます。しかし、より限定的なBCIの定義では、脳波計測(EEG)を用いて、コンピューターが私たちの思考を読み取り、解釈し、それに応じて動作する能力を指します。
ワシントン大学で最近行われた実験では、ある研究者がEEG信号をインターネット経由で送信し、同僚の手の動きを思考で制御しました。プリンストン大学では、誰かがあなたの話を理解すると、その人の脳波があなたの脳波と同期し始めることを、科学者たちがEEGを使って示しました。文字どおり、同じ波長にあるのです。このつながりを捉え、測定し、伝達できれば、やがてそれを変化させることも可能になるでしょう。
今後10年間で、EEGを通じて個々の機械を制御する能力は徐々に発展し、コンピューターゲームからロボット工学、義肢まで、幅広い用途が生まれるでしょう。人間の脊椎に埋め込むインターフェースソケットや、プログラムを脳に直接ダウンロードしてカンフーを習得するといった、SFの決まり文句の実現にはまだ程遠く、そもそも技能を「ダウンロード」する生物学的な仕組みは想像することさえ困難です。しかし、BCIが技能の習得を支援できるのは確かです。私のチームは現在、米国海軍と、BCIと生理学的センシングの両方を用いて個人およびチームの訓練を最適化するプロジェクトに取り組んでいます。近いうちに、BCIであなたの注意がそれたことを感知し、効率的な学習ペースになるようレッスンを再構成する、知的な家庭教師のようなコンピューターを使えるようになるかもしれません。
やがて、コンピューター画面上のカーソル操作や、携帯電話とのハンズフリーでのやり取りといった簡単な作業にBCIを使えるようになるでしょう。しかし、さらに遠い未来には、BCIの進歩が人間同士の相互作用に大きな影響を及ぼします。私と数人の同僚は、人々の間で神経信号が同期することを表す「認知的結合」という言葉を使ってきました。簡単に言えば、「群衆をクラウドにつなぐ」という発想です。
デバイスのネットワーク化からモノのインターネットを経て、人間同士がネットワークでつながる段階へ進むにつれ、脳とコンピューターの相互作用に革命が起きるでしょう。人間の認知、能力、行動を捉え、それらをつながった環境に置くことで、スター・トレックの言葉を借りれば、共感力を備えた、地球規模のボーグ共同体になり得るのです。
人気テレビシリーズに登場するボーグは、「集合体」のドローンとして機能するよう相互接続された、サイバネティックな人型生命体の集団です。ボーグ社会のイメージは、極端ではあるものの、二つの可能性を示唆します。ディストピア的な描写では、人々はもはや自らの行動を選べません。あなたより強力な外部の意識が、あなたのあらゆる動きを支配するのです。もう一つの想像図では、私たちは集合意識を持つ共感的な社会を築きます。そのようなシナリオでは、互いの世界の捉え方や問題を共有し、共通の共感を育むでしょう。この集団意識を一人の個人と考えるなら、社会の問題を解決し、すべての人間の可能性を最大限に引き出すことは、私たち自身の利益にもなります。
こうした仮説上のシナリオは、BCIの進歩がもたらす遠い未来を示しています。しかし、短期的に見ても、この新技術は多くの倫理的な問いを提起します。最大の問題の一つは、制御を誰が担うかです。人々は、自分の人生を実際にコントロールできなければなりません。単にそう思い込まされているだけではいけません。同時に、規制が技術開発のペースに追いつく可能性は低いでしょう。自律型兵器や、ドローン攻撃の正当性をめぐる世界的な議論で、すでにその状況が見られます。安全確保を業界任せにし、規制の段階で倫理を考慮しなければ、手遅れになります。
未来を予測し、その予測がもたらす影響を推し量るよりも、未来をどのようなものにしたいかを示し、その実現に向けて進むべきです。フォーラムは、特にグローバル・アジェンダ評議会を通じて、人々を集める組織として重要な役割を果たせると私は考えます。この新技術をどのように追求するにせよ、真剣に集団で考える必要があるのは明らかです。
『The Outlook on the Global Agenda 2015』レポート が公開されました。
著者:コリーナ・レイサンは、AnthroTronixの取締役会長兼最高経営責任者。
画像:ピエール・マリー・キュリー大学でロボット工学を教える主任講師、ヴァンサン・パドワ氏。2009年9月4日、パリの同大学で、身長約1メートル(3.2フィート)の人型ロボット向け「ハイブリッド身体性認知システム」であるパリICubのロボットのデモンストレーション中、コンピューターで初期化作業を行っている。ロイター/フィリップ・ヴォジャゼ


