観光客に最も優しい国はどこか?

A family looks at a map in front of Barcelona's cathedral at Gothic quarter in Barcelona, Spain, August 18, 2015.
These countries are in the best position to make the most of a thriving tourism industryImage: REUTERS/Albert Gea
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2016年、旅行・観光産業は世界経済に驚異的な7.6兆ドルをもたらしました。これは世界のGDPの10.2%に相当します。また、合計2億9,200万人の雇用を生み出し、10人に1人がこの産業で働いていることになります。海外からの旅行者数も同様に印象的で、2016年には12億人に達し、2015年より4,600万人増加しました。

さらに驚くべきことに、これらの数字は今後10年間も伸び続けると見込まれています。これは各国が経済成長を促し、雇用を創出し、国や地域の発展を可能にする機会となり得ます。

では、こうした機会を最大限に生かすうえで、最も有利な立場にある国はどこでしょうか。世界経済フォーラムは2年ごとにこの問いに取り組み、136か国の旅行・観光競争力を順位付けしています。以下は、最新の指数に基づく上位10か国です。

これらの国々は、自国への旅行を容易にし、自然・文化遺産を広く紹介し、訪問者に充実した、できれば忘れられない体験を提供することで、旅行・観光産業が繁栄する環境を整えてきました。

残念ながら、万能の解決策も、上位10か国に入っていない他国がそのまま模倣できる画一的な手法もありません。経済的または地政学的な状況から観光産業の成長がより難しい国もあれば、独自の自然・文化資源に恵まれていない国もあります。

とはいえ、今年の報告書は、世界各地の多くの国が政策を変更し、競争力を高めてきたことを示しています。そうした観察から、あらゆる国が参考にできる興味深い点を4つにまとめました。

南の台頭

歴史的に旅行の大半は北から北への移動でしたが、この状況は変わりつつあります。アフリカ、中東、アジア太平洋からの海外旅行は、今後10年間で飛躍的に増加すると予想されています。

開発途上国や新興市場は、主要な旅行者送出市場として規模を拡大しているだけでなく、より魅力的な旅行先としての地位を築くため、旅行・観光の競争力も高めています。2017年版の旅行・観光競争力報告書では、最も改善した上位15か国のうち12か国が、開発途上国および新興市場であることが分かりました。この成長は今後も続きます。南南間の観光は拡大しており、これらの国々が競争力を高め、旅行・観光部門を発展させるにつれて、この傾向は続くでしょう。

壁ではなく、橋を築く

孤立主義や保護主義を唱える言説が新聞の一面を飾る一方で、旅行・観光産業は、世界貿易とは異なり、現時点では比較的影響を受けずにいます。

世界各国の政府は、旅行の障壁は概して人々や国の安全を高めるどころか、経済成長や雇用創出、国と国との寛容を妨げていると認識しています。2016年には、世界各地の旅行先の国々が、出発前に世界人口の58%にビザ取得を求めていました。これは、世界人口の77%が従来型のビザを申請する必要があった2008年から大きく改善しています。実際、過去2年間に、国の大多数(約85%)が、観光ビザ取得の負担を少なくとも部分的に軽減しました。

今後数十年間に見込まれる国際旅行の成長を支え続けるには、政策の枠組みをさらに改善し、人々が国境を越えて移動する方法に革新をもたらす必要があります。

第4次産業革命を受け入れる

今日、デジタル化は旅行・観光分野を含め、競争力を持つための基本要件となっています。テクノロジーを取り入れ、接続性を高めない国は取り残されるでしょう。近年、各国で通信インフラが大幅に拡充されてきました。また、ICT対応度は、観光が生み出せる価値の大きさと直接相関しています。

しかし、「ICT対応」の意味は急速に変化し続けており、多くの組織、企業、国が「サービス提供」のあり方を見直し、常時接続を体験に組み込むために時間を費やしています。

同時に、世界中でネットワークにつながる人々が増えていることは、旅行・観光産業の包摂的な性質から顧客が恩恵を受けるまたとない機会をもたらします。実際、インターネットは仲介業者を介さずに、地域住民と旅行者が直接つながるための有効な仕組みとなっています。

持続可能性は双方に利点をもたらす

持続可能性の重要性に対する世界的な認識が高まり、一部の分野では実質的な進展があったにもかかわらず、自然環境の多くの側面は劣化し続けており、観光部門に深刻で定量化可能な影響を及ぼしています。

データは、国の環境の健全性が観光収入と直接関連していることを示しています。この関係は複雑で、直接的な因果関係を示す証拠はありませんが、自然環境が手つかずの状態に近い国ほど、旅行先として選ばれやすく、保全状態の良い地域を訪れるために旅行者が支払う金額も増える傾向にあります。その結果、自然資本が損なわれるにつれて、旅行先の収入は減少します。

こちらから2017年旅行・観光競争力報告書 をお読みください。

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