今年は、南アフリカが民主主義国家となってから四半世紀に当たります。国民は、1994年のアパルトヘイト後初の選挙以来、6回目となる選挙で投票します。
結果がどうであれ、与党ANCとシリル・ラマポーザ大統領の勝利となるにせよ、野党の経済的自由の闘士(EFF)や民主同盟が議席を伸ばすにせよ、不平等の克服と経済の活性化に向けて取り組むべきことがあるのは間違いありません。
以下の5つの図表から、国の現状が見えてきます。
1. 今なお世界で「最も不平等な」国の一つ

1994年にアパルトヘイトが終わったとき、南アフリカは世界で最も不平等な国と評価されました。
2006年から2015年にかけて約230万人の南アフリカ人が貧困から抜け出しましたが、世界銀行が2018年に発表した報告書『南アフリカにおける貧困と不平等の克服』は、人種間の歴史的な境界に沿って富の不平等が続いていることも明らかにしました。
「不平等は根強く高い水準にとどまっています。南アフリカは世界で最も不平等な国の一つであり、消費の不平等は1994年以降、拡大しています。
「富の不平等は大きく、長期にわたって拡大しています。二極化した労働市場が高い賃金格差を生んでいます。世代間の移動性は比較的低く、不平等の縮小を妨げています」と報告書は述べています。
2. 失業率が高い
世界銀行の報告書は、不平等を減らす鍵は「包摂的な方法」で雇用を創出することだと指摘しています。
南アフリカは世界でも失業率が高止まりしている国の一つで、現在は27%に達しています。
ネルソン・マンデラが大統領を退任した翌年の2000年から2018年まで、失業率は労働人口の4分の1をわずかに上回る水準で推移しました。2003年には過去最高の31.2%に達し、2008年には過去最低の21.5%となりました。
一方、南アフリカの白人の失業率は1994年以降、一度も8.1%を超えていません。この格差は世帯所得にも影響しています。
フィナンシャル・タイムズによると、黒人の南アフリカ人世帯の平均所得は、白人の南アフリカ人世帯の所得の20%にも満たない水準です。
3. 国際競争力が低下している

南アフリカは、世界経済フォーラムの『世界競争力報告2018』で5つ順位を下げ、140の経済圏のうち67位となりました。
サハラ以南アフリカでは2位につけています。金融システム(18位)と市場規模(35位)がよく発達している一方、健康(125位)の評価は低く、安全保障(132位)は下から8番目です。健康寿命は53.8年です。
「感染症の発生率の高さと殺人発生率の高さが、この国の経済発展と人間開発にとって大きな課題となっています」と報告書は述べています。
南アフリカの競争力低下をさらに深刻にしている要因として、ICTの普及率の低さ(85位)があります。成人のうちインターネットを利用しているのは、半数をわずかに超える程度です。
労働者の間にはデジタルスキルと思考力の格差(それぞれ116位、78位)があり、今後の経済成長に課題をもたらすでしょう。
4. 男女格差は縮小している

男女平等の面ではやや明るい兆しがあります。南アフリカは149カ国中19位で、格差の75%を解消しています。スイスをわずかに上回り、サハラ以南アフリカではルワンダ(6位)、ナミビア(10位)に次ぐ3位です。
政治参加では17位ですが、この分野にはなお前進の余地があります。同じ仕事に対する賃金平等の調査では117位で、中等教育への就学率も同じ順位でした。
ICTの普及率が低い国としては意外かもしれませんが、南アフリカはイタリア、シンガポールと並び、AI関連職における男女格差が最も小さい国の一つです。AI人材の平均28%が女性で、男性は72%です。
5. 経済の先行きには不透明感がある

世界銀行の南アフリカ担当カントリー・ディレクター、ポール・ヌンバ・ウム氏は、南アフリカには二重構造の経済があると、報告書『貧困と不平等の克服』で述べています。
「一方には、高度な技能と高い生産性を備えた小規模な経済があり、他方には、技能水準と生産性が低い大規模な経済があります。この分析によれば、こうした二重構造が、高い賃金格差の一因となり、その格差は高度に二極化した労働市場を反映して着実に拡大しています。」
南アフリカが人種間および男女間の賃金格差を縮小し、より競争力のある経済へと発展していくには、教育、リスキリング、雇用創出が重要な役割を果たします。



