未来の労働力を築くうえで、なぜ協働が鍵となるのか

The shadow of a man who works as a miner is cast onto a rock as he enters a gold mine in La Riconada, the Andes, Peru, October 9, 2019. REUTERS/Nacho Doce SEARCH "WOMEN GOLD PICKERS FEMICIDE" FOR THIS STORY. SEARCH "WIDER IMAGE" FOR ALL STORIES - RC2AEF9H5FBF
Skills gaps in the mining and metals sector could be a significant barrier to the adoption of new technologies.Image: REUTERS/Nacho Doce
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  • 新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、すでに労働力と鉱業・金属セクターを変革しつつあった技術変化を加速させました。

  • 世界経済フォーラムの「雇用の未来レポート2020」は、セクター内のスキル不足が新技術、とりわけ自動化の導入にとって大きな障壁になると指摘しています。

  • 第4次産業革命に対応し、仕事の未来に備えるため、業界内でスキルと協働に投資することが緊急に求められています。

新型コロナウイルス感染症の流行前から、新技術はすでに労働市場を変革しつつありましたが、パンデミックはこうした動きを加速させました。とりわけ、リモートワークとテクノロジーへの依存の高まりが進みました。

鉱業・金属セクターも、こうした変化を免れませんでした。生産性、安全性、環境管理の向上など、テクノロジーがセクターにもたらす潜在的なメリットは大きい一方、新しい働き方がセクターの労働力や事業を展開する地域社会に及ぼす影響も大きいものです。こうした混乱を乗り越え、仕事のあり方の変化に適応するには、スキルへの大規模な投資が必要であることは明らかです。

「第4次産業革命」を思い描くのは容易ではありません。世界経済フォーラムの創設者兼会長であるクラウス・シュワブは、第4次産業革命を、物理、デジタル、生物の各世界を融合し、あらゆる学問分野、経済、産業に影響を及ぼす一連の新技術として説明しています。国際金属・鉱業評議会(ICMM)は以前から、鉱業における第4次産業革命の姿や、労働者と地域社会が未来の経済へ移行するのを支援するために必要な取り組みについて理解を深めるべく、フォーラムや他の関係者と協働してきました。

この協働は、さまざまな場を通じて行われており、その一つがフォーラムの「鉱業・金属業界の仕事の未来タスクフォース」です。ICMMも参加するこの業界関係者のコミュニティでは、多様性、公平性、倫理、安全性を促進しながら、テクノロジーを最善の形で取り入れる方法を探っています。

今後5年間で労働者の中核的なスキルはどう変化するかImage: 世界経済フォーラム

フォーラムが最近発表した「雇用の未来2020」レポートによって、私たちの共通認識は深まりました。このレポートは、鉱業・金属業界の複数企業を含む、多様なセクターの世界各地の企業を対象とした調査結果に基づいています。今後5年間で、自動化により世界で最大8,500万人の雇用が失われる一方、約9,700万人の新たな職務が生まれる可能性があると推計しています。労働者の2人に1人はスキルの再習得が必要となり、現在の仕事を続ける人でさえ、仕事の未来に適応するためにスキルの40%を更新する必要があります。

このレポートは、鉱業・金属セクターにおいて、スキル不足が新技術の導入に対する大きな障壁となっていることを明らかにしました。これは、自動化のメリット(生産性、安全性、環境管理の向上)を実現するうえでも、労働力をより自動化の進んだ産業へ移行させるうえでも、課題が生じる可能性を示しています。もちろん、この課題は現場レベルだけにとどまりません。鉱山事業やサプライチェーンで働き、業界が生み出す収入や経済活動に依存することの多い地域社会にも、間違いなく影響が及びます。

2025年までに従業員のスキル再習得が必要Image: 世界経済フォーラム

このレポートから、私たちのセクターにとって重要な要点は3つあります。

  • 私たちはスキルに投資する必要があります。鉱業セクターとそのバリューチェーンにおいて、より広い意味での仕事の未来に備えるとともに、地域社会が未来の経済に全面的に参加できるよう支援するためです。

  • 今すぐ行動する必要があります。行動の機会は閉ざされつつあり、移行に伴うスキルの再習得と能力開発には時間がかかります。

  • 業界レベルで協働する必要があります。他業界と連携し、フォーラムや他のパートナーとの取り組みなど、複数の利害関係者が参加するパートナーシップを通じて協働することが重要です。仕事の未来と、それにどう対応するかを定めるうえで、協働が極めて重要となります。

「雇用の未来」レポートは、ICMMの「共通の未来に向けたスキル」イニシアチブの重要性をさらに浮き彫りにしています。この協働プログラムは過去2年間にわたり、テクノロジーや新しい働き方がもたらすものなど、予想される変化によって生じる雇用面・経済面の移行を業界が理解し、対応できるよう進化してきました。このイニシアチブは、包摂的な経済参加と鉱業以外への産業多角化を推進するために必要な、新たなスキルの習得と既存スキルの強化に向けた各国・地域の取り組みを加速させることを目指しています。

2025年に需要が高まるのはどのような仕事かImage: 世界経済フォーラム

プログラムを通じてICMMは、政府、市民社会、他業界と連携し、フォーラムや他の組織との協働も続けながら、将来必要となるスキルの特定、その習得の支援、鉱業地域における大規模なスキル訓練の実施促進に向けた効果的な方法を共有したいと考えています。

ICMMは、このセクターが自らの労働力だけでなく、より広い視野で考える必要があると認識しています。私たちのメンバーは、地域社会を取り組みの中心にしっかりと据え、鉱業や他のセクターで生まれる経済機会に参加し、変化を乗り越えて将来にわたり繁栄できるよう、地域社会の人々にスキルを身につけてもらうことに力を注いでいます。

パンデミックはセクター全体の多くの動きを加速させましたが、鉱業会社と受け入れ地域社会との深いつながり、そして協働による行動の力も明らかにしました。ICMMは、より良い復興に向けた枠組みを発表しました。これは、パンデミックの初期段階を乗り越えるためのツールやリソースを企業に提供するとともに、新型コロナウイルス感染症後のより強靱な未来へ向けて前進する道筋を築くものです。

今日の労働力を明日の仕事へと、安全かつ包摂的で公正な形で移行させるために、私たちが直面する課題に共に取り組むうえで、協働の力は再び極めて重要となります。

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