アルゼンチンの狩猟採集民コミュニティを対象とした新たな研究によると、電気や人工光を容易に利用できることは、人間の睡眠を測定可能なほど減少させる。
研究者らは、アルゼンチン北東部チャコ地方に先住するトバ/コムの狩猟採集民の2つの集団を調査した。両コミュニティは民族的・社会経済的背景を共有しているが、重要な違いがある。一方は電気を無料で利用でき、もう一方は自然光だけに頼っている。
イェール大学、ハーバード大学、ワシントン大学、アルゼンチンのキルメス大学およびCONICETの研究者らは、電気の利用可能性が睡眠パターンに影響するかを調べた。各コミュニティの参加者に、睡眠・覚醒サイクルのデータを記録するリスト装着型端末を装着してもらった。研究者らは夏に1週間、冬に1週間にわたってデータを収集した。
研究者らが確認したのは、睡眠の時刻と長さの両方に変化が生じたことだった。夏には、電気を利用できる参加者は、自然光に頼る参加者より約40分短く眠った。電気を使う人々は就寝が遅かったが、自然光を使う人々と同じ時刻に起床した。冬には、電気を使える参加者は、使えない参加者より約1時間短く眠った。
これは、人工光へのアクセスと、人間が毎晩得る睡眠時間との関係を記録した初めての研究である。この研究は『Journal of Biological Rhythms』に掲載された。
「この結果は、初期の人類が、今日の大半の工業化社会の人々よりも長い休息時間を得ていた可能性を示唆しています」と、論文の共著者でイェール大学の生物人類学者、エドゥアルド・フェルナンデス=デュケ氏は述べた。「工業社会では、必要な睡眠を十分に取れていない可能性があるという考えを、今後も伝え続けることが重要だと思います。」
フェルナンデス=デュケ氏と、同じくイェール大学の生物人類学者で共著者のクラウディア・バレッジア氏は、アルゼンチンのチャコ地方で20年近くフィールドワークを行ってきた。2人は夫婦である。
研究の筆頭著者はワシントン大学のオラシオ・デ・ラ・イグレシア氏である。「ある意味、この研究は、人類が狩猟採集から農耕へ、そして最終的に工業化社会へと移行するなかで起きたことを示す代理指標となっています」とデ・ラ・イグレシア氏は述べた。「私たちが確認した影響はどれも、電気へのアクセスが睡眠を大きく妨げている高度に工業化された社会で見られる影響を、おそらく過小評価しているでしょう。」
そのほかの論文著者は、キルメス大学のディエゴ・ゴロンベク氏、CONICETのノルベルト・ランサ氏、ハーバード大学のジーン・ダフィー氏とチャールズ・ツァイスラー氏である。
本研究は、リーキー財団、米国科学財団、米国国立衛生研究所の支援を受けた。
この記事は、 Yale Newsとの協力のもとで掲載しています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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執筆者:ジム・シェルトン氏は、イェール大学の科学・医学担当シニア・コミュニケーションズ・オフィサーである。
画像:ドルトムントのDIY用品店に展示された、炭素フィラメントを用いた昔ながらの電球。REUTERS/Ina Fassbender。


