長い間、オンラインショッピングが徐々に実店舗に取って代わるように思われていました。しかし、実店舗の終わりをもたらすと考えられていた同じデジタル技術の進展が、新たな始まりをもたらしたのかもしれません。
それはどうしてでしょうか。過去2年間に、欧州や米国でレジのない店舗がいくつも登場しました。その中には、昨年アマゾンがシアトルに開設したデジタル会計の実験店舗も含まれます。
革新的なこの食料品店にはレジ待ちの列がなく、「Amazon Go」と呼ばれました。しかし、これは新しい発想ではありません。およそ15年前、世界最大級の小売企業であるドイツのメトログループは、フューチャー・ストアと呼ばれる取り組みを試しました。そこでは、電波や電磁界を使い、商品に取り付けたタグを識別して追跡しました。この構想が商業化されることはありませんでした。
時代を現代に進めると、Amazon Goはセンサーフュージョン、過去の顧客データ、人工知能を活用し、スマートフォンのアプリを通じて顧客アカウントと連携しています。
デジタル化されたレジのない店舗は、企業にいくつかの利点をもたらすとされています。まず、店舗が収集・保存する情報は既存のデータを充実させ、企業の分析や計画に役立ちます。また、消費者の需要予測にも役立ち、買い手自身が気づく前に、何を買うかを予測できます。その結果、輸送、在庫、配送のコストを削減し、売上を伸ばせます。消費者にとっても、途切れなく24時間営業する小売業への大きな転換となり、遠隔地に住む人々にも新たな選択肢を開くでしょう。
ただし、デジタル店舗だけでは商品をすばやく届けられません。解決策は規模の拡大にあります。店舗と配送センターを密に配置したネットワークでは、当日配送、さらには数時間後や数分後の配送も容易になります。ネットワークが密になるほど顧客までの距離は短くなり、商品は早く届きます。店舗を増やし、ドローン配送を活用すれば、事態をさらに加速できるかもしれません。実現は間近だとも伝えられています。
しかし、これは話の一面にすぎません。この取り組み全体には、もう一つ暗い問いがつきまとっています。下の図に示された世論の賛否がその表れかもしれません。小売業は最大級の雇用分野の一つですが、そこで働く人々の仕事は今後どうなるのでしょうか。
店員はいなくなるのか?

デジタル店舗では、レジ担当者の数が大幅に減ると予想されています。一方、事業の監督や店舗の警備、技術職の仕事は残るでしょう。売り場で顧客対応を担うには、常に人が最適です。これは重要な差別化分野であり、すでに変化は始まっています。経理や請求業務の集中化と自動化に続き、ウォルマートは7,000人分の職務を売り場に移すと発表しました。従業員の責任や役割が変わることは明らかです。
たとえばアマゾンは、移動式製造ユニット内での3Dプリントに関する特許を出願しました。移動する工場、あるいは移動式の製造店舗という構想は、柔軟性を高め、在庫を減らし、最終消費者に合わせた製品を製造できることを意味します。店舗では、3Dプリンターで注文生産品を作ったり、3Dプリントをサービスとして提供したりできます。もちろん、顧客はスマートフォンで支払い、レジに並ぶ必要はありません。世界の反対側では、別の技術革命が進行中です。中国では、商取引プラットフォームのULEが店舗を、電子商取引の拠点へと数十万か所規模で変えています。
未来に備えるには、企業も政府も、サプライチェーンとバリューチェーンに対する自動化の影響を深く理解する必要があります。しかし、その影響についての情報や見解はさまざまです。たとえばビル・ゲイツやイーロン・マスクは、深刻な結果をもたらすと考えています。一方、ドイツの労働組合IGメタルの代表、ローマン・ツィッツェルスベルガーは、ロボットを脅威というよりも、私たちの職業生活をより付加価値の高い仕事と柔軟性へと導く機会と捉えています。
何が起きるにせよ、職業生活だけでなく私生活も、そして多くの、あるいはすべての企業も、大きな影響を受けるようです。


