ウィキペディアの記事には、怠惰な大学生の盗用の材料になる以外の目的があるかもしれない。実際、このオープンソースの百科事典は、感染症の発生を予測するための最新の手段となる可能性がある。
2010年から2013年にかけて9カ国で起きた14件の感染症 の発生 を調べた。対象には、2010年のハイチのコレラ流行や、2011年と2012年にウガンダで断続的に発生したエボラ出血熱などが含まれる。ロスアラモス国立研究所による 新たな研究 は、感染症の分野においてウィキペディアに予言めいた傾向がある可能性を明らかにした。
詳細はこうだ。研究者らは、疾病のウィキペディアページの閲覧数が、検証期間の上限である28日前までにピークに達していたことに気づいた。この研究は、人々がなぜウィキのページを見ていたのかを特定していないが、いくつかの可能性がある。最もありそうなのは、人々が体調不良を感じ始め、自分の症状が特定の病気に当てはまるかどうか確かめようとしたことだろう。あるいは、心配したウィキペディア利用者が、ニュースやオンラインでその病気のうわさを耳にし、もっと知りたいと思ったのかもしれない。
このデータは、ブラジルのデング熱と米国のインフルエンザの予測で最も有効だった。研究者らは、これを米国における「インターネット利用率の高さ」に帰した。ブラジルで成功した理由については、デング熱が存在する他のポルトガル語圏の国がないためだと考えた。言い換えれば、単なる偶然である。
研究者らはまた、HIVやエイズのように進行の遅い病状の予測には、この手法が最適ではないと指摘した。インターネットへのアクセスが少ない地域で予測しようとする場合にも、精度が落ちる。
実績あり:データを扱う専門家が数値分析と感染症対策を結びつけようとしたのは、これが初めてではない。2010年、サザン・ルイジアナ大学のコンピューターサイエンス教授は、絶え間なく流れるTwitterの更新情報を活用し、 95%の成功率でインフルエンザの流行を追跡した 。
Googleも2008年に「Google Flu Trends」で疾病予測に参入した。このプログラムは、「咳」や「発熱」などインフルエンザに関連する特定のキーワードを追跡して予測を行うが、過去3年間にわたって インフルエンザの患者数を過大に予測してきた 。
要点:インターネットより速いものはない。流行の前にウィキペディアの閲覧数が急増した理由は完全には明らかでないものの、このデータ上の相関関係は、感染症対策機関が流行の可能性に対処し、理想的には未然に防ぐための新たな手段となり得る。ウィキペディアがこんなに役立つとは、誰が想像しただろうか。
以下と共同で公開: Mic
著者:Matt SaccaroはMicの編集フェロー。これまでSalon、The Week、The Daily Dot、The Kernelに掲載された。
画像:科学者が顕微鏡で微生物を観察している。REUTERS


