家事に費やされる時間のほぼ40%は、10年以内に自動化できる可能性があると新研究は指摘している。
家事は、子どもや高齢者の世話などのケア業務に比べて自動化しやすい。
家事の自動化は、特に女性の時間を解放し、ほかのことに充てられるようにすることで、社会的・経済的な影響をもたらす可能性がある。
最も苦手な家事は何だろうか。買い物? 料理? ごみ出し? こうした単調な作業をロボットに任せられたらどうだろう。まさに夢のようだ。
テクノロジーによって実現するこの家庭の理想郷は、私たちが考えるほど遠い未来の話ではないと新たな研究は指摘している。自動化やAIの進歩により、今後10年以内に家事のかなりの部分をロボットが担えるようになる可能性があるという。
一般的な家事17項目のリストに基づき、AIの専門家パネルは、家事1項目あたりに費やされる時間の平均39%が 10年以内に自動化できると推計している。。さらに5年以内には、費やされる時間の4分の1以上が自動化できると見込まれている。実際、主にロボット掃除機やモップといった家庭用サービスロボットは、すでに世界で最も多く販売されているロボットとなっている。
当然ながら、料理や掃除などの従来の家事は、子どもや高齢者の世話のようなケア業務に比べて自動化されやすい。最も自動化しやすい作業は食料品の買い物とみられ、10年以内に59%が自動化される可能性がある。最も自動化しにくいのは育児における身体的な世話で、21%にとどまるとされた。
しかし、研究の著者らが指摘するように、家事の自動化が進むことは、仕事の未来をめぐる議論に新たな視点をもたらすものでもある。現在、自動化が仕事に与える影響に関する議論は有償労働に限られている。
働き盛りの成人が、この無償の家事労働に費やす時間は、有償労働に費やす時間とほぼ同じである。しかも家事は女性に偏って担われている。したがって、これらの作業の自動化は、社会的・経済的に大きな影響をもたらす可能性がある。特に女性の時間を含め、より多くの時間が、社会活動、余暇、有償労働に充てられるようになるかもしれない。
これは特に、世界経済フォーラムの「グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書2022」が示すように、現在のペースで進展した場合、男女が平等になるまでにはさらに132年を要する見込みである。
無償のケア労働によって女性が負う重い負担は、パンデミックの間にも浮き彫りになった。その際、多くの人々の生産性が急落し、また労働市場からの退出を余儀なくされたのは、家庭内の責任が理由であった。



