時間は残されていません――海運の世界的な排出規制を今すぐ確立する必要があります

Shipping alone accounts for 2-3% of global emissions.Image: Photo by Sascha Hormel from Pexels
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  • 海運業界が世界の気候変動課題に占める責任を解決するには、2020年代が行動の10年でなければなりません。

  • 国際海事機関(IMO)は、海運の脱炭素化に必要な取り組みを加速させるため、今年末までに大きな進展を示さなければなりません。

  • 将来の燃料を見つけることは包括的な課題ですが、技術はすでに存在し、メタノールの場合には、すぐに活用できる段階にあります。

2020年代は、重大な転換点に達する前に、海運業界が世界の気候変動課題に占める責任を解決するための行動の10年でなければなりません。

輸送・物流は世界の温室効果ガス排出量のかなりの部分を占めており、海運だけで2~3%を占めています。企業のリーダーである私たちは、長期的な視点に立って意思決定を行い、今すぐ移行を加速させなければなりません。

同時に、世界のコミュニティと国際的な規制当局は、これまで以上に気候変動への取り組みを速める必要があります。国際海事機関(IMO)は、6月10日から17日に開催されたMEPC76会合において、すでに合意されていた短期的な効率化措置を採択し、市場ベースの措置について議論を開始することで合意しました。米国は、業界全体の目標は、現在の最低目標である50%削減ではなく、2050年までの排出ゼロであるべきだと表明しています。

A.P. Moller - Maerskは、この考えに全面的に同意します。2018年、当社は2050年までにカーボンニュートラルな船隊を実現するという目標を掲げました。当時は実現困難な野心的な目標と考えていましたが、現在では挑戦的ではあるものの、達成可能な目標であると認識しています。

排出のコスト

IMOにとって時間は残されていません。新しいグリーン燃料と化石燃料との間の競争上の格差を解消するため、温室効果ガスの価格からなる市場ベースの措置を導入すべきです。そうすれば、業界にとってグリーン燃料への転換が経済的に合理的になります。私たちはこのようなCO2価格を支持しており、真の価格パリティを達成できるだけの十分な水準でなければなりません。

海運は本質的に世界的な産業であり、そのため課題や枠組みの条件も世界的に取り組まれるべきです。IMOが今すぐ世界的なルールで合意に至らなければ、地域ごとに異なるルールが不十分に寄せ集められた状態に直面することになります。当社の船舶が中国からヨーロッパへ、または中国と米国の間を航行する場合、地域的な取り組みには課題があります。しかしながら、IMOが成果を出せない場合、業界を脱炭素化に向けた正しい方向へ進めるため、EU排出量取引制度による温室効果ガスの割当てが必要になるかもしれません。その場合、EUは地域規制当局としての役割と、IMOにおける主導的な国家グループとしての役割のバランスを取る必要があります。意欲的な目標を引き上げ、意義ある世界的な規制の採択を確実にするためには、国連レベルでEUが強い発言力を持つことが必要です。

それでも、海運業の脱炭素化が国際政治の議題として優先度を高めていることは心強い動きです。米国はIMOに対して野心の引き上げを求めており、海運は英国の気候変動計画の一部であり、シンガポールは脱炭素化に関する研究センターに9,000万ドルを投資しています。

A.P. Moller – Maerskは、この勢いを行動と協力へと結びつけ、業界のカーボンニュートラルな将来にとって適切な市場環境を生み出すことを求めています。現在、気候変動課題や行動の緊急性をめぐる議論の変化は、政治の場だけで見られるものではありません。消費者は購買習慣を変えており、製品が生産されるだけでなく、気候への配慮を持って輸送されることを期待しています。

当社の上位200社の顧客の約半数、特に消費者向けに直接製品を生産する顧客は、排出量について野心的かつ科学に基づいた目標を設定しています。これらの目標は自社の生産にとどまらず、バリューチェーン全体に及んでいます。つまり、これらの顧客は、物流企業である当社に対し、商品をできる限り低いCO2排出量で輸送することを求めているのです。当社はそのために必ず支援しなければなりませんし、支援していきます。

顧客、投資家、意思決定者が皆、同じ方向に動いている点は特筆すべきことです。これは、カーボンニュートラルが当社だけでなく、業界全体にとっての戦略的な必須事項であることを裏付けています。将来の燃料を見つけることは包括的な課題です。幸いなことに、技術は存在しており、例えばメタノールの場合には、すぐに活用できる段階にあります。

課題はあるが、機会もある

しかしながら、生産規模の課題や、成熟した市場が存在しないという課題があります。新しい燃料の市場は、多くの異なるプロジェクトやサプライヤーに分散しており、一貫性のあるインフラも存在していません。

A.P. Moller - Maerskは、世界の海運業の脱炭素化における先駆者です。これには投資と大きな変革が必要です。私たちは、目の前にある現実に適応することを絶え間ない努力と捉えており、緊急性の意識を持って取り組んでいます。2023年には、グリーンメタノールで運航する船舶を1隻導入します。これは当初計画していたよりも7年早い実現です。この船舶は画期的であり世界初となりますが、700隻を超える船隊を有する当社にとって、1隻だけでは到底十分でないことは言うまでもありません。そのため、今後は持続可能な燃料、すなわち持続可能なメタノール、アンモニア、その他の種類の燃料で航行できる船舶のみを発注することも表明しています。

世界の海運業の脱炭素化という課題は非常に大きいものの、将来を見据えると、それは単なる課題ではないことが明らかです。企業、顧客、意思決定者がつかむべき機会ももたらします。統合型の物流・輸送企業として、当社は準備ができています。当社、顧客、そして何より地球にとって、責任ある正しい道であると私たちが信じる変革を生み出すための取り組みを開始しました。

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