IMF:世界の海運コストは低下しているが、圧力は続く

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  • パンデミック関連の多くの要因によって過去1年間に海運コストが大幅に上昇した後、圧力は和らいでいる。

  • 通常8月から10月にかけての海運の繁忙期を過ぎ、旺盛な財の需要が弱まっていることから、海運運賃は低下している。

  • パンデミック前の海運運賃に戻るには、インフラへの投資拡大、貨物業界のデジタル化、貿易円滑化措置の実施が必要となる。

パンデミックが世界のサプライチェーンを混乱させ続ける中、消費者が蓄えていた貯蓄を使って新たな商品を購入したため、海運コストは過去1年間に急騰した。コンテナ運賃はパンデミック開始時から4倍以上に上昇し、昨年の最初の3四半期に特に大幅な値上がりが集中した。

ロックダウン、労働力不足、物流網への負荷により、海運コストが上昇し、配送時間が大幅に長期化したが、こうした圧力は和らいでいる。今週のチャートは、世界のコンテナ運賃が9月に過去最高値から下落し始め、その後16%低下したことを示している。主因は、中国から米国への主要な海上輸送路である太平洋横断東航路の運賃下落だ。

9月のピークから低下した世界の海運運賃の状況。Image: IMF

この下落は、通常8月から10月にかけての海運の繁忙期を過ぎ、旺盛な財の需要が弱まっていることを示している。さらに米国は最近、一部の港に対し、混雑を緩和し供給のボトルネックを解消するため、稼働時間を延長して効率を高めるよう指示した。

運賃は落ち着いたものの、年末まで高い水準が続く可能性がある。根本的な供給制約には、すぐに解決できないものもある。滞貨や港湾の遅延、関連職種の労働力不足、内陸部へ広がるサプライチェーンの混乱に加え、輸送能力の伸び悩みや統合によって少数の運送会社に市場支配力が集中しているといった海運業界の課題がある。一方、今後パンデミックが収束すれば、旅行や宿泊・飲食などのサービス分野が回復するにつれ、貿易可能な財への需要は徐々に減少する可能性がある。

海運コストの上昇と商品の不足により、商品価格が上昇すると予想される。国連貿易開発会議(UNCTAD)は、海上運賃が2023年まで高止まりした場合、世界の輸入価格水準と消費者物価水準はそれぞれ10.6%、1.5%上昇する可能性があると予測している。海上輸送による輸入に大きく依存する小規模な島嶼開発途上国では、この影響が不均衡に大きくなる。

世界経済フォーラムは貿易円滑化に向けて何をしているのか?

海上運賃の上昇は、付加価値の低い製品の最終価格をさらに押し上げる。こうした製品を多く輸出する小規模な開発途上国は、競争力が低下し、経済回復が困難になる可能性がある。さらに、電子機器やコンピューターのようにグローバル・バリューチェーンへの統合度が高い製品も、海上運賃の上昇による最終価格への影響が大きくなる。

パンデミック前の海運運賃に戻るには、インフラへの投資拡大、貨物業界のデジタル化、貿易円滑化措置の実施が必要となる。

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