自動運転車は、死亡事故で誰が命を落とすかを選ぶことができる。倫理的に考慮すべき点とは

A Kia Soul, modified as an autonomous vehicle by the Imagry startup company, is seen ahead of a driving demonstration near Shfayim, Israel April 17, 2018. Picture taken April 17, 2018. REUTERS/Nir Elias - RC1C5687C9C0
As the age of automation is upon us, we need to think about how it remains ethical.Image: REUTERS/Nir Elias
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MIT研究者が実施した大規模な新調査は、自動運転車の倫理をめぐる世界各地の明確な選好と、その選好に見られる地域差を明らかにした。

この調査は世界各地を対象とし、規模も類を見ない。200を超える国・地域から200万人以上がオンラインで参加し、古典的な倫理的難問「トロッコ問題」のさまざまな設定について意見を寄せた。この問題では、車両が事故に巻き込まれるのが差し迫り、車両は命にかかわる可能性のある二つの選択肢のどちらかを選ばなければならない状況を想定する。無人運転車の場合、大勢の傍観者に向かうのではなく、二人ほどの人に向かって進路を変える、といった選択が考えられる。

「この研究は基本的に、無人運転車が迫られる可能性のある道徳的判断の種類を理解しようとするものです」と、MITメディアラボの博士研究員で、プロジェクトの結果をまとめた新論文の筆頭著者であるエドモンド・アワドは述べる。「車がどのように判断すべきかは、まだ分かっていません」

それでもアワドは、「人々が最も支持するように見える要素が三つあることが分かりました」と付け加える。

実際、この調査で世界的に最も強く見られた選好は、他の動物より人間の命を救うこと、少数より多数の命を救うこと、そして高齢者より若者の命を守ることだった。

「主な選好については、ある程度、普遍的な合意が見られました」とアワドは指摘する。「ただし、どの程度賛同するかは、集団や国によって異なります」。たとえば研究者らは、アジアの多くの国を含む「東洋」クラスターと定義した国々では、高齢者より若者を優先する傾向がそれほど顕著でないことを見いだした。

「モラル・マシン実験」と題された論文は、本日、Nature誌に掲載される。

著者は、アワド、メディアラボの博士課程学生ソハン・デスーザ、同ラボの研究助手リチャード・キム、ハーバード大学の博士研究員ジョナサン・シュルツ、ハーバード大学教授ジョセフ・ヘンリック、ブリティッシュコロンビア大学准教授アジム・シャリフ、トゥールーズ経済学院教授ジャン=フランソワ・ボンヌフォン、そしてメディアラボのメディアアーツ・アンド・サイエンシズ准教授であり、MITデータ・システム・社会研究所の教員アフィリエイトでもあるイヤド・ラフワンである。

アワドは、ラフワンが率いるMITメディアラボのスケーラブル・コーポレーション・グループに所属する博士研究員である。

調査を実施するため、研究者らは「モラル・マシン」と呼ぶ多言語対応のオンラインゲームを設計した。参加者は、自動運転車が直面しうる一連のジレンマについて、自分の選好を示すことができる。たとえば、いざというとき、自動運転車は法を守る傍観者の命を救うべきか、それとも、信号無視などの違法行為をしている可能性のある歩行者の命を救うべきか。(調査では大半の人が前者を選んだ。)

全体として、「モラル・マシン」は233か国の回答者から約4,000万件の個別判断を集めた。130か国では、それぞれ100件以上の回答が得られた。研究者らはデータ全体を分析するとともに、年齢、教育、性別、所得、政治的・宗教的見解に基づいて参加者をサブグループに分けた。人口統計データを提供した回答者は491,921人だった。

研究者らは、こうした人口統計上の特徴に基づく道徳的選好の顕著な違いは見いださなかったが、文化的・地理的な帰属意識に基づく、より大きな道徳的選好の「クラスター」を確認した。国々を「西洋」「東洋」「南洋」のクラスターに分類し、これらの区分に沿って、より顕著な違いがいくつか見られることを発見した。たとえば、南洋の国々の回答者は、東洋クラスターと比べて特に、高齢者より若者を救う傾向が相対的に強かった。

アワドは、こうした選好を認識することが、これらの問題をめぐる公共の議論に役立つための基本的な要素となるべきだと述べる。すべての地域で、信号無視をする歩行者より法を守る傍観者を救うことへの選好が一定程度見られるため、こうした選好を知ることは、理論上、自動運転車を制御するソフトウェアの設計に反映できる可能性がある。

Image: MIT

「問題は、車両が特定のルールを採用したとき、こうした選好の違いが人々による新技術の導入に影響するかどうかです」と彼は述べる。

一方、ラフワンは、「このプラットフォームへの世間の関心は、私たちの想像をはるかに超えました」と指摘する。そのおかげで研究者らは、自動化と倫理への認識を高めると同時に、世論に関する具体的な情報も得られる調査を実施できた。

「一方では、重要な社会的議論に市民が参加するための簡単な方法を提供したいと考えていました」とラフワンは述べる。「もう一方では、倫理的なトレードオフを解決する際に自動運転車が用いるべき重要な要素を、人々がどう考えているかを特定するため、データを集めたいと考えていました」

調査結果にとどまらず、イノベーションと公共の安全に関する問題について市民の意見を求めることは、自動運転車をめぐる対話の中で、今後さらに大きな位置を占めるべきだとアワドは述べる。

「このプロジェクトで私たちが試みたのは、そして今後もっと一般的になってほしいと願うのは、こうした判断への市民参加を生み出すことです」とアワドは述べる。

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