物流の未来はこうなる

Global trade and trade logistics have been convulsed by the pandemic and a series of unexpected geopolitical developments — but there are ways to improve supply chain resilience without compromising speed of delivery.
Global trade and trade logistics have been convulsed by the pandemic and a series of unexpected geopolitical developments — but there are ways to improve supply chain resilience without compromising speed of delivery.Image: REUTERS/Tatiana Meel
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  • 世界の貿易ルートは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに加え、地政学的・環境的な一連の激変に揺さぶられてきた。

  • 消費者が求め、社会が必要とする物資を届け続けるには、サプライチェーンに対する新たな考え方とアプローチが必要だ。

  • バーレーンのグローバル・シー・トゥ・エア・ロジスティクス・ハブのような物流拠点は、現代の物流に求められる強靭性とスピードを兼ね備えたサービスを提供できる可能性がある。

今日のグローバル化し相互につながった社会で、現代の消費者は、手頃な価格で、必要なときにすぐ入手できる商品を求めている。それを支えるのが、信頼性と強靭性を備えたサプライチェーンだ。

しかし、サプライチェーンの強さは最も弱い環に左右される。そしてここ数年が示すように、その弱点はしばしば輸送にある。

では、輸送物流に予算をつぎ込んだり、世界経済に欠かせない物資の流れを妨げたりせずに、企業はどうすれば顧客が求める価値を提供できるのだろうか。

その答えは、複合輸送にあるかもしれない。

複合輸送とは?

複合輸送は、コンビネーション輸送、海上・航空輸送、または航空・海上輸送とも呼ばれ、複数の輸送手段を使って、適時かつ費用対効果の高い方法で貨物を届ける。航空輸送の速さと海上輸送のコスト削減という、双方の利点を組み合わせる。

例えば、米国へ商品を輸送したい日本企業は、ロサンゼルス港行きのコンテナ船に貨物を積み込むことができる。貨物はその後、ロサンゼルス国際空港へ運ばれ、そこからコロラド州デンバーの最終目的地まで空輸される。

複合輸送を成功させるうえで最も重要な要素の一つは、貨物が円滑に流れる、機能的で効率的な拠点の存在だ。そこでは通関手続きが滞りなく進み、入出地点間の接続が妨げられない。アラビア湾は何千年にもわたり貿易の中心地であり、湾岸諸国の構想において輸送物流が今も重要な役割を果たしているのは当然といえる。

なかでもバーレーンは、自国の将来と世界経済にとって物流が重要であることを長年認識してきた。歴史的に、同王国は海上貨物輸送に重点を置いてきた。これは信頼性が高い一方、比較的直線的な輸送方式である。またバーレーンは地域の陸上輸送でも重要な役割を担ってきた。特に、サウジアラビア王国の石油資源が豊富な東部州とバーレーンを結ぶ、全長25kmの橋と海上道路からなるキング・ファハド・コーズウェイなどのインフラを通じて、その役割を果たしてきた。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、世界のサプライチェーンの脆弱性を浮き彫りにした。顕著な影響の一つは、輸送が停滞し、世界各地の港でコンテナが滞留したことで、海上運賃が急騰したことだ。もう一つは、公衆衛生を守るための措置で多くの人が自宅にとどまるなか、オンラインで買い物をする人が大幅に増えたことだ。物流サービス事業者は、世界経済が頼るサービスのスピードと品質を維持しながらコストを抑える方法を見いだすため、創意工夫を迫られた。

世界貿易機関(WTO)事務局長は、「グローバル化の再推進」によってサプライチェーンの問題を解決できると述べた。
世界貿易機関(WTO)事務局長は、「グローバル化の再推進」によってサプライチェーンの問題を解決できると述べた。
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未来を見据えた物流拠点の構築

バーレーンは経済回復計画の一環として、2021年10月にグローバル・シー・トゥ・エア・ロジスティクス・ハブを立ち上げた。同計画は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響を緩和し、経済成長を促すために策定された、複数の産業分野にわたる包括的な戦略である。この拠点は、平均リードタイムが2時間で、地域最速の複合輸送ハブだ。旅客便、貨物専用便、貨物航空会社を通じて、60を超える目的地へ直行便で結ばれている。シー・トゥ・エアのパートナーには、港からの即時優先リリースが認められる。このプロセス全体は、規制面と運用面の連携、港湾効率、デジタル処理ソリューション、港同士の近接性を組み合わせることで実現している。

シー・トゥ・エア・ロジスティクス・ハブは、生鮮品、医療機器、実店舗向け商品など、配送スピードが優先される貨物を対象としている。これを実現するため、同王国はテクノロジーを活用し、可能な限り迅速かつ効率的に貨物を輸送している。

ブロックチェーン・ソリューションは、この拠点の成功を支える重要な要素となってきた。事業者はすでに、IBMのTradeLensを純粋な海上貨物輸送業務で活用し、ハリーファ・ビン・サルマン港を通過するコンテナをスキャンしていた。そのため、ブロックチェーンの革新的技術をシー・トゥ・エア・ロジスティクス・ハブに移転するための専門知識がすでに備わっていた。ブロックチェーン・ソリューションは、商品の来歴に関する透明性を高め、通関手続きを効率化するだけでなく、より透明性の高い貿易を促進する。

バーレーンでは、複数の輸送手段と最新テクノロジーを革新的に組み合わせることで、シー・トゥ・エア・ロジスティクス・ハブを経由する輸送は、航空貨物輸送のみの場合と比べて40%費用対効果が高く、海上貨物輸送のみの場合と比べて50%速い。

経済の他の分野を押し上げる乗数効果をもたらしてきた物流分野への投資は、バーレーンのより広範な経済戦略の重要な一部である。同王国は、同分野のGDP寄与率を10%に引き上げることを目指している。また、2030年までに港湾を通過する航空貨物量を3倍に、海上貨物量を2倍にするという大胆な目標も掲げている。バーレーンは、アラビア湾の中心という戦略的な立地を活用して、世界有数の物流拠点としての地位を築き、国際物流の舞台で貢献しようとしている。

サプライチェーンの未来

新型コロナウイルス感染症は世界経済の転換点となった。しかし、世界経済はすでに動き始めていた。パンデミックは変化のきっかけをもたらしたにすぎない。消費者の習慣は変化している。高品質の商品と迅速な配送は、もはや両立しないものではない。グローバル化し、デジタル化され、常時稼働する経済は、未来だけのものではない。すでに現実となっている。

物流事業者はこの変化に対応し、事業を分散させている。プロセスを分散することで、集中リスクや、地政学的緊張やパンデミックなどの事象による混乱を最小限に抑えている。ブロックチェーンなどのテクノロジーは、透明性と品質を保証できる。

物流の未来は確実にデジタル化される。同時に、機動的で、多機能で、地理的に分散し、真に開かれたものになる。それこそが世界経済に必要とされている。

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