世界のエネルギー生産・消費のあり方が変化している。未来のニーズにどう応えられるか?

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世界各地で、エネルギーの生産、流通、消費のあり方が、ほとんど前例のない規模で根本的に変化している。これは一般に「エネルギー転換」と呼ばれている。

グローバル・エネルギー・アーキテクチャ・パフォーマンス指数2017(EAPI)は第5回年次版でこの転換の要素を取り上げている。同様に、その1か月前に世界銀行が発表した世界的な持続可能なエネルギーのための規制指標(RISE)も、この転換を扱っている。本稿が特に注目するのは、ガバナンスと規制に関わる根本的な課題と、それらが持続可能で安全なエネルギーシステムに向けた進展とどう結びついているかである。国連の開発目標に照らすと、この焦点は、エネルギーを扱う持続可能な開発目標(SDG)7と、平和と公正に関するSDG 16との関連を考える助けとなる。

両報告書は、指標とガバナンス指標との関係を、世界ガバナンス指標(WGI)を用いて検討している。世界銀行と天然資源ガバナンス研究所の協力により作成されたこの指標は、「ガバナンスとは、各国で権限が行使される際の伝統と制度から成る」としている。WGIはガバナンスの6つの側面を評価する。2つのエネルギー報告書は、簡潔な分析において「規制の質」と「法の支配」に焦点を当てている。

多くの国では、エネルギー安全保障とエネルギーへのアクセス、持続可能性、経済成長に関する現在および将来の要件を十分に支えられるよう、エネルギーシステムを刷新することに苦慮している。こうした動きの背景には、経済力(およびそれに伴うエネルギー需要)が先進国から途上国へ移り、政治力が国民国家から国内の下位レベルおよび超国家的な組織へ移り、イノベーションの担い手が既存の大企業から機動力のある新興企業へと広がっている状況がある。これにより、エネルギーをめぐる地政学の様相が変わり、それを表す言葉も変化している。商品価格の変動や供給の物理的安全保障といった従来のエネルギー課題は依然として重要だが、クリーンエネルギーへの注目を含むエネルギー転換の要素を踏まえ、意思決定者は固定的なアプローチを超えて考える必要がある。

2011年の世界経済フォーラム年次総会で開かれた非公開セッションでは、世界最大のエネルギー企業の幹部、政策立案者、エネルギー・バリューチェーン全体の有識者から成る参加者の90%が、世界各地のエネルギー構造で大きな変化が進行中だとの見方を示した。ほぼ3分の1は、エネルギーの調達、変換、消費のあり方に急激な変化をもたらす転換点に、世界が達したと考えていると述べた。

エネルギー構造の変革をめぐる圧力と可能性が歴史的な高まりを見せる一方で、その移行がどのような形をとるのかは、まだ明確ではない。新たなエネルギー構造はどのようなものになるのか。世界全体と各国の将来のエネルギー需要を満たすために必要なエネルギー構造への移行を、最も効果的に実現する環境とは何か。経済成長と開発、環境の持続可能性、エネルギーへのアクセスと安全保障という、ときに競合するニーズを新たな構造がさらに支えられるようにするには、どうすればよいのか。こうした議論から、EAPIを構成する一連の世界的指標が生まれた。

EAPIは、世界経済フォーラムとアクセンチュアの合同チームが作成している。主流のエネルギー議論ではあまり取り上げられないが、エネルギー分野で目の当たりにしている大規模な転換について、有用な知見を提供している。2016年の報告書は、「エネルギーシステムと関連インフラの根本的な再編に向けた土台が整った。(…)進展の兆しが散見される」と述べた。そうした兆しは、ますます明らかになっている。下の図は、EU28か国とその他の対象国について、各項目の下にあるさまざまな副指標を示している。

今年の報告書には、指数のスコアとガバナンス課題の関係を扱う短い節がある。「エネルギー政策は、エネルギー部門の変革に向けた条件を整えるために、政府が使える手段である。質の高い政策は、エネルギー部門に関する政府のビジョンを明確にし、現実的な短期・中期・長期の目標を定めて、進展の方向を示し、それを促す。世界銀行の規制の質指標で測定される、適切に設計された政策と、EAPIで最も高い評価を得た国々との間には明確な関連がある。このことは、政策が部門のガバナンスと、優れたエネルギーシステムの実現にいかに重要かを示している。」

EAPIの発表のわずか1か月前、世界銀行は豊富なデータセットとともに、RISEの初の世界版を発表した。RISEは、各国の政策・規制枠組みを比較するための指標群を提供している。「各指標は、計画策定のプロセスや制度の確立、専用のインセンティブや支援プログラムの導入、電力事業者の財務健全性の確保など、投資の動員に重要な政策・規制体制の要素を対象としている。」

興味深いことに、RISEによると、良好なガバナンスの「骨格」の多くは整っているものの、多くの国で規則の実施と運用が不十分である。この点について、報告書は次のように述べている。「すべての柱において、各国は政策環境のより難しい側面に取り組むよりも、強固な法的枠組みを整え、部門計画を実施する傾向がある。たとえば、RISE対象国の4分の3超が、再生可能エネルギーに関する法的枠組みの指標でグリーンゾーンに入る一方、エネルギー効率に関する義務付けや電力事業者向けインセンティブの指標でグリーンゾーンに入る国はわずか9%である。」

図3:RISE指標(世界銀行、2017年)Image: 世界銀行

RISEのスコアは、世界銀行のガバナンス指標における法の支配と規制の質を用いて測定した投資環境指標と、正の相関を示している。これらの比較について、RISEは次のように注意を促している。「一般的な規制が弱い国では、RISEが測定する政策要素が十分に実施されていないか、より広範な投資障壁に対処するには不十分である可能性が高い。たとえば、再生可能エネルギーではパキスタンが、エネルギー効率ではロシアがグリーンゾーンに入る一方、両国ともWGIの2つの指標では低い評価となっている。このような場合、投資を拡大するには、RISEが測定する措置を、より広範なガバナンスおよび政策改革の一環として実施する必要がある。」

ガバナンス指標に対するRISE指数の実績(世界銀行、2017年)Image: 世界銀行

エネルギーシステムにこれほど大きな変化をもたらすには、将来に向けたさまざまな道筋を理解するための戦略的な手段一式が不可欠である。ここで取り上げた2組の指標はいずれも高度に抽象化されており、エネルギーシステムを包括的に扱ったり分類したりすることを目的としていない。むしろ、それぞれがエネルギー部門に存在する複雑な情報と、相互依存性の高い課題を提示し、検討しようとしている。

エネルギーシステムの現状を把握する取り組みがいくつも進められており、そうした取り組みがガバナンスの中心的な役割を示していることは明らかである。各国のガバナンスと規制の基本と、その結果との関係を理解することは、意思決定者や投資家の助けとなる。相関関係を調べる別の手法や、「政府の有効性」または「汚職の抑制」といった別の側面を用いて、さらに詳細な分析を行うこともできる。エネルギーシステムにおける前向きな変化の勢いを維持し、支えていくには、ガバナンス課題への取り組みを再び強化する必要がある。

グローバル・エネルギー・アーキテクチャ・パフォーマンス指数2017はこちらから入手できます。

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