ESGに関して、スタートアップはベンチャーキャピタルファンドに何を期待しているのか?

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  • ベンチャーキャピタル企業は、有力なスタートアップに投資することで、人々、地球、社会の未来を形作る重要な力となっています。

  • 世界経済フォーラムの新たな調査が、ESG戦略の構築を目指すスタートアップの課題と機会を明らかにします。

  • 調査結果から、ESGに関してスタートアップがベンチャーキャピタルファンドに期待することが明らかになりました。

ベンチャーキャピタル(VC)は、VCファンドが投資する破壊的なビジネスモデルや企業の性質から、社会に変革をもたらす役割を担っています。ファンドが企業の少数株式を取得しても、通常、その持ち分は後続の資金調達ラウンドで希薄化します。VCファンドは積極的に関与するモデルを通じて、長期的かつ持続可能な価値を創出する企業の基盤を築くことができます。

過去18カ月の間に、多くのVC企業がこのことを認識し、自社の環境・社会・ガバナンス(ESG)戦略を精査し始めています。スタートアップに対し、こうした考慮事項を事業活動に組み込むよう提案したり、さらには義務付けたりする企業もあります。

そこで世界経済フォーラムは過去6カ月間に、フォーラムのグローバル・イノベーターおよびテクノロジー・パイオニアのコミュニティに属するスタートアップを対象に、調査とインタビューを実施しました。回答者には、ESGに関する見解と、ESGについてVCファンドに期待することを尋ねました。調査結果は、報告書「ESGパルスチェック:スタートアップとベンチャーキャピタル企業が基本を正しく押さえるために」で公表されています。

VCに向けた主な知見を3つ紹介します。

1. 投資家は、成功事例を通じてESGへのコミットメントを示す必要がある

スタートアップの創業者は、投資家を株主名簿に加える前に、ESGに関連する価値の実証をますます求めるようになっています。2022年第2四半期に資金調達額が23%減少するなど、スタートアップの資金調達環境が厳しさを増すなか、スタートアップはESGへのコミットメントや、環境・社会・ガバナンスそれぞれの要素をどのように優先するかなども含め、誰から資金を調達するかをより多角的に評価しています。調査では、スタートアップの64%が、資金調達を検討する際に投資家のサステナビリティに関する専門性を考慮すると回答しました。

私たちは、深い専門知識を持ち、投資先企業におけるESG要素への投資と優先付けの実績を明確に示せる投資家を求めています。

チャールズ・バーク、HiNounou創業者兼最高経営責任者

スタートアップの創業者は、投資家を株主名簿に加える前に、ESGに関連する価値の実証をますます求めるようになっています。Image: 世界経済フォーラム

VCは、自らの取り組みを示しながら、行動に対する責任をどのように果たしていくかを共有することが不可欠です。さらに、スタートアップもESGを多面的に捉えてVCの取り組みを補完し、単なるマーケティング上の課題に終わらせないようにする必要があります。

カトリーナ・ドナギー、Civic Ledger共同創業者兼最高経営責任者

2. 投資家は、投資先企業の各段階に合わせた支援と、サービスとしてのサステナビリティの提供を通じて、独自の価値をもたらせる

VCはネットワークの力を活用し、投資先企業がESG戦略を効果的に組み込み、実行するのに役立つ重要な知見を見いだすことができます。フォーラムが実施した調査の45件の回答、ワークショップ、インタビューでは、教育と能力構築が繰り返し取り上げられました。

投資家は、製品や財務の面で行うのと同じように、ESGのテーマについて創業者を教育し、取締役会に専門知識を持ち込むことで支援すべきです。

マリア・カロリーナ・フジハラ、SINAI Technologies創業者兼最高経営責任者

さらに、VCはスタートアップの各段階に寄り添うことが不可欠です。例えば、スタートアップが大きな影響をもたらし得る重要なESG課題を一つ選んで足並みをそろえ、小さく始め、投資家が提供するサービスを活用しながら取り組みを広げていけば、双方に大きな価値をもたらせます。

世界経済フォーラムは、企業が持続可能な開発目標の達成に向けた前向きな貢献を追跡できるよう、どのように支援しているのでしょうか?

3. 投資家は柔軟に対応し、投資先企業に合わせた指標に重点を置くべきである

ESG指標はスタートアップの潜在的リスクを評価し、軽減するうえで有用ですが、投資家は、ESGベンチマーク、関連指標、測定ツールなど、それを支えるエコシステムに大きな不足があることを認識する必要があります。このような状況でスタートアップに過度な報告要件を課せば、成長とサステナビリティの両立に充てるリソースが限られている企業にとって、利益よりも害のほうが大きくなりかねません。

良い知らせには大きな力があります。投資家は、ESGを投資先企業に組み込むことで得られる具体的な業務上・戦術上の利点を明確に示す事例を共有し、変化を後押しできます。

アバ・シューベルト、Dorae共同創業者兼最高経営責任者

フォーラムの調査とインタビューで、スタートアップは、投資家には柔軟に対応し、企業と協力して、その戦略的ビジョンに合う、数は少なくても重要なESG指標を特定してほしいと述べました。さらに、これらの指標は、次の投資家たちにもESG報告に意義を見いだせるように選ぶ必要があります。また多くの回答者が、スタートアップの進捗に関する定性的な知見を示すため、VC企業が投資先企業の成功事例を共有することの有益性にも言及しました。

このテーマの詳細については、世界経済フォーラムのインサイトレポート「ESGパルスチェック:スタートアップとベンチャーキャピタル企業が基本を正しく押さえるために」をご覧ください。

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