「企業は政府より信頼されている」。民間セクターがどう取り組みを強化しているのか

FILE PHOTO: A commuter train passes the skyline in a slow shutter speed photograph as the spread of the coronavirus disease (COVID-19) continues and the country faces new restrictions to control the pandemic in Frankfurt, Germany, December 2, 2021. REUTERS/Kai Pfaffenbach/File Photo GLOBAL BUSINESS WEEK AHEAD
Davos 2022: How is the business community stepping up?Image: REUTERS/Kai Pfaffenbach
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  • エデルマン・トラスト・バロメーター2022によると、企業やNGOは政府よりも信頼されており、多くの従業員はCEOに「変革の顔」となることを期待しています。

  • 今週、各国首脳、企業関係者、世界のリーダーたちがバーチャル開催のダボス・アジェンダに集い、世界の現状について議論しました。

  • 政府が信頼性とパートナーシップを求めて民間セクターに期待を寄せるなか、ビジネス界は2022年に世界が直面する最大の課題にどう取り組んでいるのでしょうか。

信頼は、バーチャル開催のダボス・アジェンダの各セッションで取り上げられたテーマです。今週、世界のリーダー、ビジネス界、市民社会が集い、世界の現状について議論しました。

企業が重要な役割を担うのは当然です。エデルマン・トラスト・バロメーター2022によると、「自分の雇用主」はあらゆる組織のなかで最も信頼されており、その信頼度は77%に達しています。また、従業員はCEOに「変革の顔」となることを期待しています。

注目が企業に集まり、政府が信頼性とパートナーシップを求めて民間セクターに期待を寄せるなか、フォーラムのビジネス界は2022年に世界が直面する最大の課題にどう取り組んでいるのでしょうか。

新型コロナウイルス感染症とワクチン—一体となった取り組み

まず取り上げるのはパンデミックと、世界がこの公衆衛生危機からどう回復するかです。

今週のダボス・アジェンダ2022では、世界的な新型コロナウイルスワクチンの展開が「人類史上最も成功した官民連携」と称賛されました。新型コロナウイルス感染症の今後とワクチンの公平な配分をテーマにした2つのセッションでは、医療・製薬分野の民間セクターとリーダーたちが一堂に会し、次のステップについて考えました。

モデルナCEOのステファン・バンセル氏は、2022年のニーズに応えるワクチン開発に向け、自社がどのように協力しているかを説明しました。また、アンソニー・ファウチ博士は、ワクチンの開発と配布に一体となって取り組み、新たな変異株の出現にも対処するよう呼びかけました。

リスクと現実

感染症は、今年のグローバルリスク報告書で6位に挙げられました。同報告書は、リスク分析の専門家が懸念する事柄を明らかにし、企業が近い将来、中期、長期を見据えてどう計画すべきかを示しています。

グローバルリスク報告書2022Image: 世界経済フォーラム

同報告書で、マーシュ・マクレナンのリスク管理責任者、キャロリーナ・クリント氏は、宇宙の商業利用が進み、衛星とスペースデブリの衝突リスクが高まることで、通信や輸送などの重要サービスに「連鎖的な影響」が及ぶ恐れがあると警告しました。

ダボス会議で初めてとなる、宇宙からの生中継も見逃せません。宇宙飛行士のマティアス・マウラー氏が国際宇宙ステーションからビデオリンクで参加し、著名な専門家や業界リーダーとともに、宇宙研究が地球上の暮らしをどう向上させるかを探りました。

一方、地上では、チューリッヒ保険グループのグループ最高リスク責任者、ピーター・ガイガー氏がこう説明しました。「気候変動のように徐々に進む『ゆでガエル』型の状況に人間はうまく対処できません。一方、パンデミックのような『闘争・逃走』型の状況には、よりうまく対応できます。」

今年のリスク報告書では環境リスクが首位を占め、今週を通じて盛んに議論されました。ヴァッテンフォールCEOのアンナ・ボーリ氏は、「リーダーに聞く」ポッドキャストで見解を語りました。また、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏をはじめとする業界関係者とともに、気候イノベーションの加速と拡大に焦点を当てたセッションで、エネルギー転換についても議論しました。

ビジネス界の予測—テクノロジー、テクノロジー、テクノロジー

ダボス・アジェンダの開催を前に、ネットゼロの実現からサプライチェーンの混乱、医療の未来からデータの力まで、主要なリスク分野についてビジネスリーダーに見解を尋ねました。

来年に向けた主な見通しは、イノベーションの拡大、混乱の拡大、そして抜本的な変化です。その答えはすべてテクノロジーにあります。しかし、進歩の落とし穴を避けるには、テクノロジーを慎重かつ倫理的に導入する必要があります。

デジタル変革—どう実現するのか

パンデミックにより、デジタル技術の導入とデジタルツールへの公平なアクセスの重要性が鮮明になりました。テクノロジー協力に焦点を当てたセッションでは、世界経済フォーラムのエジソン・アライアンスが注目を集めました。この取り組みの成果は世界中の何百万人もの人々の暮らしを変えています。

エジソン・アライアンスの推進者であるベライゾンのハンス・ベストバーグ氏は、現在も36億人がオフラインであることを指摘し、誰もが利用できる手頃な価格のテクノロジーとデジタルサービスを実現するには、モビリティ、ブロードバンド、クラウドサービスといった21世紀のインフラを活用する必要があると述べました。そのため、エジソン・アライアンスは、医療、教育、金融サービスの分野で10億人のデジタル包摂を促進する取り組みを進めています。

正しいことをして成果を上げる—ステークホルダー資本主義

繁栄の創出、社会への貢献、地球への配慮を融合した新たな資本主義への移行が、新たなサステナビリティ報告指標と全5回のビデオポッドキャストシリーズをめぐる議論のテーマとなりました。

アクセンチュア会長兼CEO、ジュリー・スウィート氏は、報告基準をめぐる企業の意識に明らかな変化が起きていると述べ、サステナビリティに取り組む企業ほど収益性が高いことを強調しました。

気候変動への取り組みでは「測定するだけでなく、実際に行動する」ことが重要だと強調し、マジッド・アル・フッタイムの最高経営責任者、アラン・ベッジャーニ氏は行動を促しました。ステークホルダー資本主義指標イニシアチブへの支持を表明した企業は現在140社を超え、50社以上がすでに報告に指標を取り入れています。

報告指標の見直しの中心にあるステークホルダー資本主義の考え方は、ブラックロック会長兼CEOのラリー・フィンク氏が年次投資家向け書簡で示した、CEOへの呼びかけのテーマとなりました。同氏は、新たなステークホルダー資本主義センターの設立を発表し、CEOに「社会における自らの役割を慎重に考え、従業員、顧客、地域社会、株主の利益のために行動する」よう求めました。

ビジネスの知見:CEOとサイバー脅威

2021年には、データ侵害の平均コストが過去約20年間で最高となり、ビジネス界は対応に乗り出しています。新たなサイバーセキュリティ学習ハブは、セールスフォース、フォーティネット、グローバル・サイバー・アライアンスがフォーラムと連携して設立し、無料で世界中から利用できるサイバーセキュリティ研修を提供しています。

今週は、議題を方向づける重要な報告書も複数発表され、サイバー脅威のほか、バリューチェーンのレジリエンス、量子コンピューティング、ネットゼロ目標、都市の自然などが取り上げられました。

アクセンチュアの報告書は、組織を再編する「シグナル」を分析し、未来を描く6つの道筋を示しています。PwCの年次グローバルCEO調査によると、ビジネスリーダーが最も懸念しているのはサイバー脅威と健康リスクです。また、デロイトの2022年グローバル・ヘルスケア展望は、この分野でイノベーションと破壊的変化が続くとしています。

半導体をもっと

最後に、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長が半導体の開発・生産で欧州の取り組みを強化するよう呼びかけ、新たな欧州半導体法の発表があった後、インテルCEOのパット・ゲルシンガー氏が貿易とサプライチェーンに関するセッションで注目を集めました。

同氏はこの問題に直接言及し、「業界にいる私たちには、政治のパートナーに対する責任があると考えています」と述べました。また、「テクノロジーを善の力にする」政策づくりに取り組むことについても語りました。

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