イエメンの未来は、私たちの未来でもある

Students shout outside class at a school in Yemen's capital Sanaa April 17, 2017. REUTERS/Mohamed al-Sayaghi - RC1CC5C5AB20
'We want to live' ... young people in Yemen value medical services, roads, jobs over political issues.Image: REUTERS/Mohamed al-Sayaghi
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今年、初めてダボスで開催された世界経済フォーラムから報告した。

前の任務との対比は、これ以上ないほど極端だった。数日前、私はイエメンにいて、フーシ派反政府勢力やイスラム過激派と戦う政府軍に同行していた。

イエメンの首都サヌアのすぐ東にあるアル・マナラ山の頂上へ向かう、骨身にこたえる曲がりくねった道を進むなか、急な崖の上の岩肌に張り付くように設営されたテントで、兵士たちが危うげに野営しているのを目にした。ロケットランチャーがあちらに、装甲車がこちらにと、点在する軍用車両や装備の脇を車で揺られながら通り過ぎ、戦闘地域の遠く離れた前哨拠点へ物資を運ぶロバも見た。反政府勢力が硬い岩を掘り抜いて作った深いトンネルにも足を踏み入れ、連合軍の空爆から身を守る様子を見た。前線の狙撃兵の近くを通ったにもかかわらず、打撲傷を少し負っただけで戻ることができた。

アル・マナラ山へ続く道Image: Sarah El Sirgany/CNN

山頂から眼下のフーシ派支配地域を見渡すと、迅速に進軍すればイランの支援を受ける反政府勢力を追い払い、首都から撤退させることも、少なくとも実質的な和平協議の席に着かせることもできそうに思えた。その一方で、この苦境にある国に典型的な、荒涼として人を寄せつけない赤い岩肌の風景や、古い要塞化された村々の不気味で寂寥とした美しさにも、私は目を奪われていた。

しかし、砂ぼこりにまみれた上着をスーツとネクタイに替え、ダボスの会議センターのじゅうたん敷きの廊下を歩いたとき、心に残っていたのはそうした光景ではなかった。思い浮かんだのは、アデン大学で出会った2人の若い学生だった。彼らは3Dプリンターを持っていた。ダボスの遊歩道で展示するハイテク企業のブースにあっても不思議ではない、現代の驚異ともいえる機器だ。しかし、戦火に見舞われたこの環境にプリンターがそぐわない一方で、彼らの使い方はまさにこの地に必要なものだった。義手を印刷していたのだ。

3Dモデリングソフトを使い、地元で手に入る材料から、イエメンで切実に必要とされているものを作っていた。教授によると、この地では5,000人を超える若者が義肢を必要としている。学生の一人が、制作途中の手を見せてくれた。完成に必要なものが手元になかったため、作業を止めていたのだ。必要な材料は、イエメン国内ではますます見つからなくなっているという。何とかして海外から調達しなければならない。

3Dプリント義肢は大きな需要があるImage: Sarah El Sirgany/CNN

飢饉、内戦、政治的混乱に見舞われている国で、こうした作業が大きな難題であることは容易に想像できる。自分たちで設計する資金がなく、どうしても必要な、より高度な材料を購入しなければならないとなれば、なおさらだ。

アル・マナラ山に戻ると、イエメン軍の司令官たちも、これとよく似た問題に直面している。政府軍は、敵を迅速に打倒できるような大規模で高度な軍隊ではない。軍事上の必要から高地を確保し、可能なとき、あるいは必要に応じて前進する軍隊だ。それでも、イラク軍がモスルで展開したような攻勢をかければ、サヌアを制圧できる可能性は十分にある。

しかし政府に、山を駆け下りて市街を攻略するつもりはない。モスル攻勢で生じた民間人の犠牲を警戒し、そうした行動には慎重だ。政府関係者は、サヌアで政府が民衆の支持を得ていると考えており、その支持を危険にさらせば、国を再統一する能力が損なわれるという。

アル・マナラ山、司令官の洞窟にてImage: Joe Scheffer/CNN

とはいえ、事態は瀬戸際に近づいているのかもしれない。サウジアラビアは、イエメンの戦争を早期に終結させたいと考えている。破綻国家となったイエメンは、今やアルカイダやISISに利用され、サウジアラビア自身の安定を直接脅かしている。それだけではない。この状況は、ダボスでサウジアラビアが誇らしげに示していた構想、すなわちハイテク開発とクリーンエネルギー、文化と経済の発展を目指す未来を損なう。国境を接する国の紛争で、イラン製のフーシ派ミサイルがリヤドに着弾する現実味がある以上、投資家が警戒せずにはいられない。

今年のダボス会議のテーマは「分断された世界に共有の未来を創る」だった。イエメンほど、共有の未来を見いだす必要性を鮮明に示す例を思い描くのは難しい。同様に、深刻な分断に苦しむこの国以上に、分断された世界を体現する場所を見つけるのも難しい。

イエメンの人々は疲れ、怒っている。平和を実現する妥協を切望しているが、フーシ派の後ろ盾であるイランと、政府の後ろ盾であるサウジアラビアおよびアラブ首長国連邦を、その妨げと見ている。

イエメンを治めることを「蛇の頭の上で踊るようなもの」と有名な言葉で表現した元大統領アリー・アブドッラー・サーレハが暗殺され、国際的に承認された大統領アブドラッブ・マンスール・ハーディーが失脚した今、再統一の見通しはかつてないほど遠のいている。

イエメンの紛争はきわめて複雑だ。この国は昔から貧しく、より豊かな隣国の支援に長く依存してきた。紛争の当事者は多く、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イランに加え、米国も関与している。統一イエメンへの道筋は不透明で、はっきりと見通せない。

「私たちは生きたい」

アデン大学の2人の学生に、自分たちの国の未来に何を望むのか尋ねた。皆が一つになった大きな統一イエメンだろうか。一人はこう答えた。「実は、そういうことはどうでもいいんです。私たちはもう、めちゃくちゃな場所にいる。生きたいんです。医療を受けたい、道路がほしい、教育を受けたい、仕事に就きたい。若者として考えているのはそういうことです。政治的な問題はどうでもいい。私たちが望んでいるのはそういうことです。生きたいんです」

多くの紛争に共通する、単純な真実がある。若者が求めているのは、ただ未来だ。この2人の学生は勤勉で、情熱にあふれ、独創的だった。機知に富み、意志も強かった。彼らのような人々に、この国の未来はかかっている。

ダボスでは、移民や難民から教育やインフラ、保護主義やグローバリズムへと話題が移るたびに、私はこの2人の若者のことを考え続けた。イエメンが彼らを支えられなければ、彼らは国を離れてしまう。より良い暮らしを求めて移民の道をたどる可能性も高い。別の場所で才能を開花させるかもしれないし、その機会を奪われるかもしれない。さらに悪い事態もありうる。いずれにしても、彼らは国の運命を形作る場にいなくなる。

イエメンや同様の紛争地域の危機を解決することは、ダボスで議論された多くの課題の鍵となる。世界が傍観すれば、こうした人々の問題は世界全体の問題となる。良い結果になるにせよ、悪い結果になるにせよ、WEFで議論された共有の未来は、彼らのものであり、私たちのものでもある。

行き詰まるイエメン内戦CNNインターナショナルで2月17日(土)午後4時(米東部時間)/午後10時(中央ヨーロッパ時間)に放送

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