スーダンでは2023年4月以来、内戦が続いており、これまでに15,000人を超える命が奪われ、1,100万人が避難を余儀なくされている。
交戦当事者は、戦闘を終結させ、民間人を支援するための和平協議に臨むよう、ジュネーブに招かれた。
過去2つの和平合意は失敗に終わったが、交渉担当者が過去の教訓を考慮すれば、ジュネーブ協議は違った展開になり得る。
2024年7月23日火曜日、米国のアントニー・ブリンケン国務長官は、米国がスーダンの交戦当事者を招待したと発表し、ジュネーブでの協議を呼びかけた。スイスとサウジアラビアが共催する協議は、8月14日に開催予定で、スーダン軍(SAF)と即応支援部隊(RSF)の間で2023年4月15日に勃発した戦闘の終結を目指す。現在、RSFの最高司令官は招待を受け入れ、SAFは参加の条件を提示している。
現在、18州のうち戦闘の直接的な影響を受けていないのは、わずか3州にすぎない。
人的被害は甚大だ。15,000人を超える人々が紛争関連の暴力で命を落とし、1,100万人を超える人々が避難を余儀なくされている。貿易、農業、地元市場は混乱し、食料備蓄は底をついている。人口の半数を超える約2,600万人が、今や危機的な水準の飢餓に直面している。これらは単なる数字ではなく、何百万人もの人々の苦しみと絶望を表している。
ジュネーブでの協議が実現すれば、それはさまざまな関係者による最近の外交的な働きかけの集大成となる。ジェッダ、ジブチ、アディスアベバ、マナーマ、カイロでの過去の会合や複数回の協議が、その基盤を築いた。7月には、サウジアラビアの外務副大臣、エチオピアの首相、カタールの外務担当国務大臣によるスーダンへの外交活動に加え、スーダン軍の指導者であるアル=ブルハン将軍と、UAE大統領のシェイク・モハメド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンとの電話会談も行われた。さらに8月初旬には、アントニー・ブリンケンとアル=ブルハン将軍による重要な電話会談があり、スーダン国民を疲弊させてきた紛争を終わらせようとする共通の意思が示された。
協議が実現すれば、ジュネーブでの協議には3つの明確な目標がある。すなわち、全国規模での暴力の停止、人道支援のアクセス確保、そして合意の履行を確実にするための強固な監視・検証の仕組みの構築である。
米国は重要な仲介者
米国がスーダンの過去の紛争に関与した歴史的な影響は、見過ごすことができない。米国が仲介した2005年の包括的和平合意(CPA)は、第二次スーダン内戦を終結させた。9月11日の事件とアフガニスタン、イラクでの戦争を受け、スーダン内戦は共和党政権の主要な関心事となった。ジョージ・W・ブッシュ大統領は就任2日目に、アフリカで最も長く続く戦争の終結に向けて取り組むようスタッフに指示した。
ブッシュ政権は、1990年代の孤立政策から直接関与へと方針を転換した。当時のスーダン担当大統領特使ジョン・ダンフォースには、紛争当事者間で続いていた交渉を前進させる任務が与えられた。ダンフォースの精力的な仲介努力は、2005年のCPA調印に結実した。米国の断固とした関与と献身が交戦当事者を交渉の席に着かせ、歴史的な和平合意をもたらした。これらの交渉から学べる教訓がある。
ダンフォースのテスト・アプローチから学ぶ
CPAの交渉過程におけるダンフォースのアプローチは、3つの基本的な前提に基づいていた。第一に、スーダンの民間人を保護すること。第二に、当事者に過去の行動パターンを改め、困難な政治的選択をするよう求めること。第三に、提案に国際的な関与と監視を盛り込み、合意が尊重される可能性を最大限に高めることだった。
ダンフォースは、合意に対する当事者の決意を試すため、4つの提案を考案した。敵対行為を終わらせるためにまったく新しい合意に署名したり起草したりするのではなく、関与のプロセスを再構成し、具体的な試験的提案を段階的に提示することで、当事者の軍事的・政治的な戦術を問いながら、スーダン国民の苦しみを軽減できるという考えだった。
人道支援物資の搬入、敵対行為の終結、信頼の構築を目的に、複数の合意が署名された。なかでも重要なのが、ジェッダ合意とマナーマ合意だ。しかし、いずれも履行されていない。
実効性ある成果を得るため、本稿ではダンフォースのテスト・アプローチにおける提案にならい、3つの提案を示す。
提案1:停戦と、北ダルフール州およびアルジャジーラ州への人道支援アクセス・物資搬入の確保。
この提案は、北ダルフール州とアルジャジーラ州への人道支援アクセスと物資搬入を促進する。アルジャジーラ州と北ダルフール州に焦点を当てることで、当事者はジェッダで署名した原則宣言を再確認しつつ、最初の試験的取り組みを両州で実施できる。人道的ニーズの深刻さと地理的な多様性を踏まえると、北ダルフール州とアルジャジーラ州は適切な選択肢である。両州での取り組みを通じて、当事者双方が自らの支配下にない地域への人道支援のアクセスを認め、促進する意思があるかを試すことができる。対立する当事者の間に取り残されたスーダンの民間人の保護が、この計画の中核的な条件である。「スーダン民間人保護へのコミットメントに関するジェッダ宣言」は2023年5月11日に署名され、迅速かつ妨げのない人道救援物資の通過を可能にするため、国際人道法に基づき双方が講じるべき必要な行動をすべて定めている。原則宣言を重視するとともに、国境を越える活動や前線をまたぐ活動など、実務的な条項を追加すべきである。
提案2:戦闘休止日と敵対行為の停止。
この試験的取り組みでは、当事者が軍事行動を控え、自らの支配下にある地域へ救援要員が妨げられることなく継続的にアクセスできるようにする。ジュネーブの仕組みでは、北ダルフール州とアルジャジーラ州で最初の2つの試験的取り組みを実施するため、支援物資の搬入方法とタスクフォースを整備する必要がある。たとえば、十分な現場対応能力を備えた組織として、国連機関3つ(例:ユニセフ、WFP、UNHCR)に加え、国境なき医師団、ノルウェー難民評議会、またはセーブ・ザ・チルドレンのような国際機関3つが考えられる。選定は現場対応能力に応じて行う。紛争への配慮から、新たな仕組みを地域事情に関する知識で支えるため、スーダン人の参加を実施方法に組み込む必要がある。地元の関係者を関与させ、その安全と保護を確保しなければならない。前線を越えて行う活動は、このテスト・アプローチの成功に不可欠である。国境を越える活動も、戦争に伴う物流面・運営面の制約から、これまでの成果は限定的だった。人道支援へのアクセスと物資の搬入には、さらに専門的な団体との連携が必要であり、地元の関係者への支援も一層活用すべきである。ジュネーブ協議では、ジェッダでの失敗を繰り返さないよう、双方を対象としたフォローアップ専任の人道タスクフォースの仕組みを提案する必要がある。このチームには、国内事情や地域の状況に精通した独立専門家を含めなければならない。
世界経済フォーラムは、人道支援の改善にどのように取り組んでいるのか?
提案3:監視・検証の仕組み。
国際的な監視の仕組みは、テスト・アプローチの成功に不可欠である。双方とも、民間人を攻撃しないことには原則として同意するだろうが、そうした約束はあまりにも短命に終わりがちだ。その約束が守られていることを確認するサウジアラビアの監視チームは、国際的な監視の仕組みを主導するのに適している。サウジアラビアは双方と良好な関係を保ち、尊重されているからだ。こうした関係と相互協力は、今日も維持されている。両地域に20~25人の監視員を配置し、国際赤十字委員会とアフリカ連合の文民・軍事分野の監視専門家で構成するサウジアラビア主導のチームが理想的だ。国際的な監視の仕組みは、当事者の約束を確実に守らせるとともに、世界がスーダン紛争に目をつぶることを難しくする。
スーダン和平プロセスで過去の落とし穴を避ける
CPAからは、避けるべき落とし穴もある。テスト・アプローチは、排他的なCPA合意への道を開いてしまった。和平協議は主として国民会議(NCP)政権とスーダン人民解放運動(SPLM)に限られ、重要な市民社会の関係者や他の民主派政治勢力が排除された。4つの提案の実施が進むにつれ、すべての関係者が徐々に互いとの協力に慣れていったが、この狭い焦点は、持続可能な平和と真の民主化への移行に不可欠な包摂性を損なった。その結果、南スーダンが分離独立し、北部には独裁国家が生まれた。したがって、この合意は長期的な安定の実現に苦慮し、その後の紛争を防げなかった。ジュネーブ協議を成功させるには、目的を繰り返し強調し、民間人、市民社会組織、複数の政治勢力の視点とニーズを取り入れた、より包摂的な対話を確実に実現することが不可欠である。そうしたアプローチは、より包括的で民主的な枠組みの土台を築き、スーダンに永続的な平和と安定をもたらす助けとなるだろう。スーダン国民にとって、これからの交渉は単なる敵対行為の停止ではない。12月革命を再開するための新たな出発点なのだ。
