軍事紛争下で民間人を守るうえで人道法が重要な理由

Children look through a bus window during evacuation from the besieged town of Douma, Eastern Ghouta, in Damascus, Syria March 13, 2018. REUTERS/Bassam Khabieh TPX IMAGES OF THE DAY - RC1A80480B00
An attack should be cancelled if it means the rule of proportionality will be contravenedImage: REUTERS/Bassam Khabieh TPX IMAGES OF THE DAY - RC1A80480B00
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人口密集地域での軍事作戦が、ますます頻繁に行われている。

こうした作戦は、民間人の死傷や被害に加え、民間物への損害(不可欠なサービスを提供するインフラへの損害を含む)をもたらす。

民間人を守るため、武力紛争の遂行に関する国際人道法の規則、とりわけ比例性の原則を、軍隊および武装集団が順守することが不可欠である。

比例性の原則は、民間人の偶発的な死亡や負傷、民間物への損害、またはその組み合わせが予想され、それが見込まれる具体的かつ直接的な軍事的利益に照らして過度となる攻撃を禁じている。

敵対行為の遂行における比例性:評価における偶発的被害の側面 は、比例性の原則を実効化するために交戦当事者が講じるべき主要な手順を分析し、とりわけ比例性評価の一方の側面である、予想される偶発的被害に焦点を当てる。

攻撃の前または最中に比例性評価を行う者は、予想される被害がその攻撃によって生じるか、また、その被害が予見できたか(すなわち、合理的に予見可能だったか)を検討しなければならない。

比例性評価において、民間人への傷害には疾病が含まれ、精神的被害を原則として除外する理由はない。ただし、現時点ではその特定と定量化は難しい。民間物への損害には、自然環境の構成要素への損害も含まれる。

被害の判定

考慮すべき偶発的被害を特定したら、それに価値または重みを割り当てなければならない。次に、攻撃によって見込まれる軍事的利益の価値または重みと比較し、被害が過度となるかどうかを判断する。

予想される偶発的被害が見込まれる軍事的利益と比べて過度かどうかを判断する際、「過度」という基準は幅広いが、不確定ではない。

交戦当事者は、攻撃を計画し決定する者に予想される偶発的被害に関する必要な情報をすべて提供し、考慮すべき偶発的被害に重みを割り当てる作業を支援するための方法論を策定すべきである。

比例性の原則に違反することが明らかになった場合、当該攻撃は中止または停止しなければならない。

比例性と順守

比例性の原則の順守を確保するには法の明確化が重要だが、指導者によって醸成される、軍隊および武装集団内の順守の文化も同様に不可欠である。

報告書は、いくつかの結論と提言を示している

1)交戦当事者は、あらゆる状況で、あらゆる階級の部隊構成員が比例性の原則を順守するよう、必要な措置を講じなければならない。

こうした措置には、以下が含まれる。

  • 軍事マニュアル、ドクトリン、交戦規則に、比例性の原則とそれを実効化するために必要な措置を盛り込むこと。

  • 関連情報を収集・分析し、その情報が目標選定サイクルで考慮されるようにするシステムを構築すること。

  • 目標選定サイクル全体を通じて比例性に関する考慮が反映されるよう、手順を確立し制度化すること。

  • 将来の攻撃に役立てるため、攻撃後できる限り速やかに「教訓の抽出」を行うこと。

  • 原則に違反した可能性がある場合、攻撃の評価を行うこと。

  • 訓練教材やシナリオに基づく演習で、この原則を取り上げること。

  • 適切な階級の軍司令官に助言できる法律顧問を配置すること。

2) 比例性の原則は武力紛争の当事者を拘束し、各当事者のすべての機関およびその代理として行動する者が順守しなければならない。

計画的な目標選定、動的な目標選定、戦闘交戦のいずれにおいても、すべての攻撃決定はこの原則に従わなければならない。

状況や意思決定者の階級によって異なるのは、(a)予想される偶発的被害と見込まれる軍事的利益に関する情報の収集・分析、(b)比例性評価の精緻さについて、何が合理的とみなされるかである。

3)交戦当事者の部隊構成員のうち、攻撃開始後であっても中止または停止が可能な時点で、攻撃が比例性の原則に違反すると明らかに判断できる立場にある者は、全員、その攻撃を中止または停止しなければならない。

4)さらに、攻撃を実行する者が、比例性評価に影響し得ると考える事実を把握した場合、新たな情報が考慮されるよう、作戦を調整する者に報告しなければならない。攻撃を実施する者や関与する者全員が、こうした情報を提供できるよう、システムを整備すべきである。

5)交戦当事者は、偶発的被害に関する情報を効果的に収集・分析するシステムを整備すべきである。これには、公開情報、交戦当事者の情報収集システムで取得できる情報、過去の実践に基づく情報を含めるべきである。

交戦当事者の能力や資源が異なることを踏まえ、攻撃計画を担う部隊は、偶発的被害に影響し得るさまざまな要因について、情報と分析を入手できるよう可能な限りあらゆる措置を講じ、評価においてそれらを活用しなければならない。

6)交戦当事者は、戦闘被害評価の方法論に偶発的被害を含めるべきである。ただし、状況によってはこの情報の収集が実行可能でない場合もある。

攻撃後の事後検証はできる限り速やかに行い、その結論を作戦中の目標選定サイクルに反映すべきである。また、比例性評価の方法論をさらに改善するため、過去の攻撃で生じた被害に関する情報を含め、より広範な「教訓の抽出」演習でも偶発的被害を取り上げるべきである。

敵対行為の遂行における比例性:評価における偶発的被害の側面、エマヌエラ=キアラ・ジラード、チャタムハウス

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