オーロラは、自然が繰り広げる壮大な光のショーです。太陽から飛来する電気を帯びた粒子が地球の上層大気と衝突した結果、目を奪う光景が生まれます。極地でより頻繁に見られますが、英国や同じような緯度にあるほかの地域でも、幸運に恵まれればオーロラが夜空を彩ることがあります。
しかし、最近の報道では、オーロラは英国などではもう見えず、北極だけに限られる可能性があるとされています。これは正しいのでしょうか。
オーロラを引き起こすのは太陽の活動です。太陽活動は、太陽周期と呼ばれる11年の周期で強まったり弱まったりします。英国などからも見える大規模なオーロラ現象の数は、この周期におおむね従う傾向があります。ただし、太陽周期はそれぞれ異なり、活動の極大と極小の規模も周期ごとに変わります。
太陽活動を予測する
現在の予測によると、今後は特に弱い太陽周期が続くと考えられています。各周期の極大期になっても、太陽活動はあまり活発にならないということです。こうした状態を「グランド・ソーラー・ミニマム」と呼びます。

グランド・ソーラー・ミニマムは数十年、あるいは数百年続くことがあり、歴史上も繰り返し起きています。この期間には太陽の放射出力が低下しますが、だからといって新たな氷河期が訪れるわけではありません。
最近Nature誌に掲載された研究では、おそらく最もよく知られたグランド・ソーラー・ミニマムである「マウンダー極小期」がモデル化されました。このグランド・ソーラー・ミニマムは1645年に始まり、70年後にようやく終わりました。この間に観測された黒点はわずか50個でした。黒点は、太陽活動の指標となる太陽表面の構造です。これに対し、同じ長さの「通常」の活動期なら、黒点は4万~5万個観測されると予想されます。
研究の著者らは、マウンダー極小期にはオーロラを引き起こす太陽風が大幅に弱まったことを明らかにしました。また、太陽風が弱まれば、オーロラも弱まることを示しています。
実際に新たなグランド・ソーラー・ミニマムに向かっているのなら、自然が織りなす美しい光景を目にする機会が減ると考えるのは当然です。しかし、英国では完全に見られなくなるのでしょうか。そう指摘する人もいますが。
過去から学ぶ
答えを見つけるには、オーロラ観測の歴史的記録を振り返るとよいでしょう。幸い、ある研究がまさにそれを行っています。著者らは、マウンダー極小期を含む2回のグランド・ソーラー・ミニマムにおけるオーロラの観測記録を分析しました。その結果、磁気緯度56度より低い地域(地理緯度に似ていますが、地理上の北極ではなく磁極を基準に測定します)でオーロラが観測された回数は、確かに減少していました。しかし、完全になくなったわけではありません。
磁気緯度56度という値は、実はとても重要です。英国の磁気緯度(より具体的にはイングランドのランカスター近郊)と一致するためです。
今後1世紀のオーロラについて、私の予測はどうでしょうか。モデルが正しく、グランド・ソーラー・ミニマムに向かっているのなら、太陽活動は低下し、その後数十年にわたって非常に低い水準にとどまるでしょう。太陽活動が低下すれば、極地以外でオーロラが観測される機会は減っていきます。しかし、それが完全になくなるとは限りません。そもそもグランド・ソーラー・ミニマムに向かっているかどうかは確かではなく、仮にそうだとしても、いつ起きるかは分かっていません。
あのめったに見られない光のショーが、さらに見られにくくなるかもしれません。それでも、まだ心配する必要はありません。オーロラは当分の間、消えることはないでしょう。





