気候変動がもたらす影響のなかでも、特に重大でありながら見過ごされているのが、水循環の乱れです。
若者主導の気候変動運動は、意識啓発、提言活動の促進、イノベーションの推進を通じて、水を気候変動アジェンダに取り入れる方法を示しています。
世界水の日2020は、水と気候変動の相互関連性に焦点を当てています。
今年の世界水の日は、水と気候変動の相互関連性に焦点を当てています。水は、気候変動の影響を受ける最も重要な資源であり、飲料水、衛生、食料やエネルギーの生産に使われる水の供給にも影響が及びます。言い換えれば、気候変動の専門家が指摘するように、「気候変動がサメなら、水はその歯です」。
こうした状況を背景に、若者は気候変動運動を推進し、水を気候変動アジェンダに取り入れる原動力として、ますます認識されるようになっています。現在、世界人口の半数以上が30歳未満で、史上最大の若年人口を形成しています。その若者たちは、気候変動に起因する水資源の混乱から最も大きな影響を受けることになります。
活発に活動する若者のグループの一つが、世界経済フォーラムのグローバル・シェイパーズです。若者によるこのインパクト志向のネットワークは、フォーラムのグローバル・シェイパーズ調査で、水を社会的リスクの第1位に挙げました。
水と気候変動を結びつける複数の取り組みを立ち上げてきた世界の若者から、包摂的で効果的な気候変動対策アジェンダを前進させるための3つの重要な教訓を紹介します。
1. 意識を高める
気候変動が世界の水資源にもたらす深刻なリスクについて、理解も情報発信も十分ではありません。現在、私たちが飲む水の50%は氷河に由来しますが、氷河はかつてない速さで融解しています。気温の上昇によって洪水が増加し、世界の他のどの自然災害よりも多くの人々に影響を及ぼしています。対策を講じなければ、気候変動で深刻化する水不足によって、一部の地域では経済成長が最大6%損なわれると予測されています。

水と気候変動はそれぞれ複雑なテーマであり、両者の交差を考慮すれば、包括的で分かりやすく、行動につながる形で意識を高めるために、まだ多くの取り組みが必要です。世界的に認知された若者のネットワークである世界水議会(WYPW)は、3つの主要な活動の柱の一つを意識啓発に充てています。気候変動アジェンダ全体で水の独自の役割を主流化する必要性を踏まえ、WYWPは現在、「ClimateReady Podcast」を配信し、気候危機への取り組みにおける若者の活動を紹介して、何千人もの人々に届けています。
水と気候変動のつながりへの認識が高まれば、変革と協力を促す環境が整い、ひいては水資源の保全につながるため、あらゆる分野がこうした取り組みから学ぶことができます。
2. 提言者になる
若者たちは、気候ストライキを通じた意識啓発のため、世界各地で組織をつくり、連帯しています。政治的な違いを乗り越え、分断された分野をつないでいます。環境問題を一つずつ取り上げるのではなく、包括的な視点で提言活動に取り組み、力を結集することの強さを認識しています。
2020年のダボス年次総会では、グローバル・シェイパーズが気候変動に関する活動に参加し、水の未来について議論しました。若者の参加、熱意、そして水のイノベーションをさらに拡大するよう若者に働きかける決意を受け、関係者から賞の創設が提案されました。一度きりの起業活動にとどまらず、この賞は長期的な水に関する提言アジェンダの節目となることを目指しています。

企業の社会的責任(CSR)プログラムは一般的ですが、より多くの企業がこの取り組みを後押しできます。その一例が、ハイネケンの「Every Drop」キャンペーンです。水不足への対策として、水の使用量削減に取り組んでいます。
率先して取り組む人になり、気候と水の課題に向けて行動を起こし、自ら提言することを実践しましょう。
3. イノベーションを追求する
2012年以降、スマートフォンは急速に普及しました(現在、携帯電話を持つ人の数は、水洗トイレを利用できる人の数を上回っています)。今日の若者は、幼い頃からテクノロジーに最も慣れ親しんできた世代です。人工知能、スマートセンサー技術、ブロックチェーンの普及に伴い、水問題に取り組む可能性は広がっています。
COP 21を前に、若者の代表者たちは気候変動への対処方法について、4つの重要分野における提言をまとめた白書を発表しました。そのすべてに水が含まれていました。これを受けて、Youth for Water and Climate(YWC)イニシアチブが創設されました。世界経済フォーラムのUpLinkと同様、YWCは若く革新的なソリューション提供者と、プロジェクトの拡大を支援する技術的・財政的リソースを提供できるソリューションを求める側をつなぐプラットフォームです。
資金やメンタリングを提供することで、こうしたプロジェクトの発展を後押しし、企業には具体的なソリューションを提供できます。AB InBevなどの企業は、サステナビリティ・アクセラレーターを立ち上げ、スタートアップの成長を支援するとともに、画期的な水関連イノベーションから学んでいます。ステークホルダー資本主義の考え方に沿って、より多くの企業が包摂性を目指しています。水の課題や気候変動に対する革新的なソリューションを知ることは、その実現に向けた有効な方法です。




