波が世界に電力を供給する解決策となる可能性がある理由

A surfer rides a large wave during high surf advisory conditions at Waimea Bay on the Northshore of O'ahu, Hawaii January 4, 2012. TREUTERS/Anthony Bolante (UNITED STATES - Tags: SPORT ENVIRONMENT)
Oceans are now being explored for their potential in renewable energy by capturing wave power.Image: REUTERS/Anthony Bolante
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ハワイのオアフ島、カネオヘ湾から沖合約1マイルの地点で、黄色いドーナツ形の装置が海の動きに合わせて上下に揺れている。スクールバスの全長ほどの幅がある巨大な装置は、大きなブイか救命いかだのようにも見える。実はこれは波力発電装置であり、新しい再生可能エネルギー技術の一例で、海の波を電力に変換する。

ライフセーバーとして知られるこの装置の内部には、歯車やケーブル、高度な電子機器が詰まっている。風力タービンやソーラーパネルなど、ほかの再生可能エネルギー装置が比較的成熟した技術である一方、波力発電装置はまだ初期段階の技術だ。ライフセーバーを試験しているハワイ国立海洋再生可能エネルギーセンターの所長、ルイス・ベガ氏は、「風力発電が大学院レベルだとすれば、波力発電はまだ小学校1年生です」と語る。

しかし、ベガ氏をはじめとする専門家は、波力発電に大きな可能性を見いだしている。彼らの見立てが正しければ、米国沿岸地域に係留された波力発電装置のアレイが、今後数十年で数百万世帯に電力を供給することになる。

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千差万別の設計

こうした装置がどのような形になり、具体的にどう動くかは、誰にも予測できない。ライフセーバーには発電機が搭載されており、装置の底部から海底まで伸びるケーブルの上下運動によって駆動する。

ほかの変換装置は大きなヘビのような形をしており、関節でつながった部分の動きで作動する油圧システムを通じて波のエネルギーを利用する。また、巨大な水中の金属製風船のような形をした装置もあり、ポンプで海水を加圧して、陸上に設置した水力タービンを動かす。海岸近くで稼働して陸上から見えるものもあれば、より沖合の深い海域で稼働するものもある。

カリフォルニア大学バークレー校で波力発電を研究するレザ・アラム氏によると、波力発電装置には1,000を超える設計がある。オレゴン州立大学でエネルギーシステムを研究するテッド・ブレッケン氏はこう付け加える。「支配的な技術パラダイムがまだ確立されていない、というのが実情です。ひとつに定まらない可能性もあります」

ひとつ明らかなのは、波力エネルギーは膨大な未利用資源であり、化石燃料への依存を減らす助けとなる可能性があることだ。

主な利点

太陽光発電や風力発電と同じく、波力発電も、もとをたどれば太陽に由来するエネルギーを利用している。太陽放射によって気圧の勾配が生じ、風が起こる。風の運動量が海面に伝わることで波が生まれる。アラム氏の言葉を借りれば、「波力発電は非常にエネルギー密度の高い太陽光発電です」。

どのくらい密度が高いのだろうか。ソーラーパネルは1平方メートル当たり0.2~0.3キロワットの太陽エネルギーを受け取り、風力タワーは1平方メートル当たり2~3キロワットを吸収するとアラム氏は説明する。カリフォルニア州の海岸では、1メートル当たり30キロワットの波力エネルギーが得られる。

波力エネルギーには、太陽光や風力に対するもうひとつの利点がある。波は予測しやすいとブレッケン氏は言う。また、日中しか稼働しない太陽光発電とは異なり、波力エネルギーは24時間、週7日利用できる。

最新の研究によると、米国の波力エネルギーは、年間最大1,170テラワット時を発電できる可能性がある。これは同国の総電力消費量のほぼ3分の1に当たる。この大きな可能性を認識し、米国エネルギー省(DOE)は波力エネルギーに多額の投資を行っている。昨年、DOEは波力発電装置の設計コンテストの受賞者に225万ドルを授与し、さらにオレゴン州立大学に4,000万ドルを拠出して、新たな系統連系型の波力発電試験施設を設置した。

課題は山積

ブレッケン氏は波力エネルギーの実用上の可能性について慎重な見方を示し、最終的には国の総発電量の約6%を担うと予測する(これは水力発電と同程度だ)。

こうした慎重な見方の背景には、波力発電が実用化されるまでに克服すべき多くの工学的課題がある。水や強風、激しい波にさらされる海洋環境は、最も頑丈な装置にとっても過酷だ。また、波力発電装置の設置や試験には船舶と潜水士が必要で、装置の導入コストをさらに押し上げる。

こうした課題などを考えると、効率性と経済性を兼ね備えた装置の開発には10年かかるかもしれない。「技術開発にどれだけ資金を投入できるか次第です」とベガ氏は言う。「しかし、いずれ化石燃料は枯渇するのですから、開発を進めなければなりません」

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