なぜ2018年は企業が気候変動対策を強化すべき年なのか

A wind farm in Tehachapi, California.
Now is the time for industry to transform its role in creating a more sustainable world.Image: Reuters/Mario Anzuoni
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大きな数字は変化を促します。そこで、途方もない数字を一つ挙げましょう。80万年。地球の大気中の二酸化炭素濃度が現在と同じほど高かった時代から、それだけの年月が経っています。この熱を閉じ込めるガスの急増は、今世紀に気候変動の最も甚大な影響を避けるためには、世界規模で持続可能な経済が必要であることを浮き彫りにしています。

新たな政策や市場動向から、2015年のパリ協定が描いた低炭素への移行が世界各地で加速していることが分かります。しかし、その速さは十分ではありません。パリ協定の下で各国が掲げた気候変動対策の約束だけでは、産業革命前と比べた世界の気温上昇を摂氏2度未満に抑えるために必要な排出削減の約3分の1しか達成できません。残りを達成するには、短期的な行動を加速させ、長期的な各国の目標をさらに引き上げる必要があると、国連の2017年版排出ギャップ報告書は指摘しています。

必要な規模の脱炭素化を実現するうえで、企業は極めて重要な役割を担います。実際、グローバルなサプライチェーンを持つ大企業の中には、国全体に匹敵する温室効果ガスを排出している企業もあります。マース社のカーボンフットプリントは、規模で見るとパナマに匹敵します。この規模には責任が伴います。企業は革新性と効率性を高め、サプライヤーや地域経済と連携することで、炭素排出とコストを削減する方法を見いだしています。

今から2030年までに、世界はインフラに90兆ドルを投じることになります。投資の方向性がすべてを左右します。こうした支出は、都市、エネルギー、農業などの分野をより持続可能にすることも、時代遅れの技術を固定化し、大気中の炭素をさらに増やして世界の気温を一段と押し上げることもあります。産業界がより持続可能な世界の実現における役割を変革すべき時が来ています。再生可能エネルギーなどのクリーン技術を優先し、炭素集約型インフラへの投資を避ける企業は、環境に責任を果たしているだけではありません。長期的なリスクを考慮し、低炭素経済の勝者となる立場を築くことで、成長の将来性も確保しています。

したがって、持続可能な事業運営への投資は、正しい選択であると同時に賢明な選択でもあります。マースでは、再生可能エネルギー価格の低下による経済的な利点と、クリーン技術がもたらす長期的なコスト削減効果をすでに実感しています。さらに、持続可能性に取り組む企業は、自らの説明責任を真剣に受け止めていることを示しています。これは、顧客、政府、NGOなどの重要なパートナーにとっても、現在および将来の従業員にとっても意味のあることです。

各国のリーダーシップが依然として最も重要である一方、政府が気候目標の達成に取り組むうえで、企業は欠かせないパートナーです。たとえば、企業や投資家は、UNFCCCが設立したNAZCA(気候行動のための非国家主体ゾーン)グローバル・プラットフォームの下で、再生可能エネルギーの100%調達から大幅な排出削減まで、2,600件を超える取り組みを登録しています。時価総額の合計が15兆ドルを超える650社以上が、We Mean Business連合の行動を起こそうキャンペーンを通じて、大胆な気候変動対策を進めています。先頭に立つのは、世界の気温上昇を摂氏2度未満に抑えることを目指し、独自の科学的根拠に基づく目標を設定すると約束した企業です。2015年12月以降、科学的根拠に基づく目標イニシアチブに参加する企業数は3倍以上に増え、338社に達しました。マース、ヒューレット・パッカード、ペプシコ、カールスバーグ、富士通、グラクソ・スミスクライン、ネスレ、ファイザー、ウォルマート、ゼロックスなどのブランドが参加しています。

今年は気候変動対策の行方を左右する重要な年です。パリ協定の規則と新たな実施指針は、2018年末に交渉担当者によって最終決定される予定です。また各国は、自国の気候計画を点検するために会合を開きます。1年にわたるこのプロセスの締めくくりには、政府が企業、都市、州とともに、2020年までに各国の約束を強化し、必要な大規模な変化を推進するという明確なメッセージを発することが期待されます。

民間セクターには、各国の気候戦略づくりに貢献し、政府から明確な政策方針が示されるよう促すまたとない機会があります。それは企業が低炭素経済への投資に、より大きな確信を持つ助けになります。企業は12月の次回国連気候サミットまでに、気候リスクと財務リスクは切り離せないこと、そして実効性ある気候変動対策と繁栄は両立できるだけでなく、両立しなければならないことを訴えるべきです。

企業のリーダーは、自社の気候目標を各国の気候目標に結び付けることもできます。これは、国連グローバル・コンパクトと世界資源研究所が策定したグローバル・アクション・プレイブック2018で示されています。排出削減が経済的・社会的な便益をもたらす仕組みを企業が説明すれば、より賢明な政府の政策と、より高い目標の設定を後押しできます。また、政策措置をめぐる建設的な対話に参加する企業や機関が増えるほど、各国は約束を達成し、さらに上回りやすくなります。

今年の展開は、気候変動対策に伴う重大な利害と、低炭素で持続可能かつより豊かな未来への移行がもたらす大きな機会を、どのリーダーが真に理解しているかを明らかにするでしょう。

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