きれいなビーチの経済的価値

A young throws a bag surrounded by rubbish, mainly plastic bags and bottles, at dawn at Malagueta beach after celebrating the summer solstice in Malaga, Spain June 24, 2018. REUTERS/Jon Nazca
It appears difficult for communities to recover the costs of marine debris.Image: REUTERS/Jon Nazca
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夏になると、何百万人ものアメリカ人が屋外へ出かけます。近くの湖で過ごす日帰りから、1か月にわたるドライブ旅行までさまざまです。私のような環境経済学者にとって、休暇を楽しむ人々や屋外でレクリエーションをする人々の選択は、環境資源の価値を見積もるという難題を解く手がかりになります。

1981年、ロナルド・レーガン大統領は大統領令を発令し、連邦機関に対して、新たな主要規制案の費用と便益を比較検討し、ほとんどの場合、社会への便益が費用を上回る場合にのみ採択するよう求めました。レーガン大統領の大統領令は、経済成長に過度の負担をかけずに環境を改善することを目的としていました。

費用便益分析は政策分析の手法として大きな成果を上げており、レーガン政権以降のすべての政権がその活用を支持してきました。ただし、そのためには、通常の市場で「価格」が付いていない便益を測定する必要があります。幸い、安全な飲料水や、大気汚染への曝露による死亡者の減少といった、市場で取引されない環境上の成果に価格を付けることは可能であり、その価値も非常に大きいことが分かっています。こうした推計は、ビーチの清掃や景勝地の保護といった取り組みの根拠を示すのに役立ちます。

Image: EPA

米国経済分析局の暫定推計によると、屋外レクリエーションは米国経済に年間3,730億米ドルをもたらします。これは年間国内総生産の2%に当たり、農業、鉱業、公益事業を上回り、国防の経済的貢献に迫る規模です。

政策立案者や地域社会の多くは、このような推計を通じて屋外レクリエーションの経済的価値を測っています。こうした推計は、直接支出によって地域経済にどれだけの資金がもたらされるかを算出します。たとえば、旅行者はホテルの部屋を借り、その支出は従業員の給与となり、ホテル税を通じて地域の投資資金にもなります。国立公園の来訪者は公園の維持管理費として入園料を支払い、従業員の賃金や、公園周辺の飲食・サービスへの支出を通じて地域経済に貢献します。

しかし、レクリエーションの行き先を選ぶ行動からは、人々が環境そのものに見いだす価値も分かります。屋外の目的地は、手つかずの自然の中で泳いだりハイキングをしたりする機会など、さまざまなサービスを提供します。もし有害な細菌が高濃度で検出され、行く予定だったビーチが閉鎖されたら、私はきれいな水のあるビーチまで、より遠くても車で行くかもしれません。こうした移動時間や自己負担額の増加を定量化することで、経済学者は環境の質の変化に対する人々の支払意思額を測ることができます。

ワイオミング州のイエローストーン国立公園のような遠隔地の観光地を訪れるために、旅行者が時間とお金を費やす意思を示すことは、そうした場所を一般の人々がどれだけ高く評価しているかを経済学者が推計する手がかりとなります。Image: NPS/Jacob W. Frank

最近のある研究で、私は他の研究者とともに、人々が避けるために余分に費やした移動費と時間を推計しました。対象は、南カリフォルニアの31のビーチにあるごみや漂着物です。注射針やペットボトル、捨てられた漁網が散乱するビーチに行きたい人はいません。しかし、海洋ごみの清掃には費用がかかり、特に自由に出入りできる公共のビーチでは、地域社会がその費用を回収するのは困難です。ビーチがきれいであることの価値を理解すれば、ごみ回収の財源確保への支持を広げられます。

漂着物の量を測るため、作業員を雇ってビーチを歩いてもらい、ごみの量を数えました。次に、南カリフォルニアの住民を対象に、ビーチに行く頻度と場所を調査し、各ビーチの来訪者数と漂着物の量を関連付けました。最後に、各来訪者がそれぞれのビーチを訪れるのにかかる移動時間と費用を用いて、どのビーチを選ぶか、そこへ行くのにいくら費やすか、ビーチがどれだけきれいかという関係をモデル化しました。

このモデルから、各ビーチの漂着物が25%減れば、来訪者は1回の訪問につき12.91ドルの追加費用を負担する意思があると分かりました。これを合計すると、これらのビーチの海洋ごみを25%減らす対策に対する支払意思額は2,950万ドルになります。

エリー湖の有害な藻類ブルームを減らす

ビーチのごみは主に景観を損なう問題ですが、より深刻な資源問題もあります。たとえば、暖かい気候になると、エリー湖西部で有害な藻類ブルームが発生することがよくあります。農業や都市部からのリン汚染によって生じるこの異常発生には、人や動物に危険な淡水性毒素が含まれています。ビーチの閉鎖につながり、時には飲料水の使用が禁止されることもあります。

カリフォルニアの研究と同様の手法を用いて、私は別の経済学者グループとともに、エリー湖で有害な藻類ブルームの発生を減らすことの経済的価値を推計しました。レクリエーションと水質の関係をモデル化するため、2016年夏の湖での有害な藻類の発生を示す衛星データと、エリー湖の来訪者を対象にした調査から得た訪問パターンを組み合わせました。今回も、訪問先までの移動時間と自己負担額を、旅行の価格として用いました。そして旅行価格を、訪問先の場所と有害な藻類ブルームの有無に関連付けました。

Image: AP Photo/Paul Sancya

2017年9月15日。

リンのエリー湖流域への流出を40%削減すれば藻類ブルームの発生を抑えられ、遊泳者、ボート利用者、漁業者がブルームを避けるために余分な距離を移動する必要が減ることで、年間80万~97万ドルを節約できることが、私たちの研究で示されました。

この春、オハイオ州はエリー湖西部の流域を藻類ブルームによって「水質基準未達」と宣言しました。これは、連邦政府の水質基準を満たしていないことを意味します。私たちの研究は、よりきれいな湖のためにオハイオ州の住民が支払う意思のある金額を測る一つの指標を示しています。

大規模な油流出を回避する

汚れたビーチや藻類ブルームを避けるため、別の目的地を選ぶことはできます。しかし、2010年のメキシコ湾におけるBPディープウォーター・ホライズン原油流出事故のような大規模な環境災害が起きると、旅行者は旅行そのものを取りやめる可能性が高くなります。

BPの原油流出事故後の1年間にフロリダ州北西部への休暇旅行がキャンセルされたことを示す調査データを用いた研究で、私は他の経済学者とともに、フロリダ州北西部の沿岸地域の経済的価値の低下を推計しました。流出事故によってフロリダ州北西部のビーチへの旅行が9%減少し、フロリダ州パンハンドル地域全体で2億5,200万~3億3,200万ドルの経済損失が生じたことが分かりました。こうした損失は、汚染されたビーチに遭遇するリスクがより低い場所で休暇の時間とお金を使うという選択を反映しています。

メキシコ湾岸はフロリダ州西部からテキサス州まで続き、ビーチや漁業の町が数多くあります。そのため、この金額は旅行のキャンセルによる流出事故の経済的損害のほんの一部にすぎないと考えられます。

大西洋岸のフロリダ州ジャクソンビルは、BPの流出事故後、旅行者がメキシコ湾岸を避けたことで恩恵を受けました。自然に価格を付ける価値

一部の環境保護活動家が懸念していたのとは反対に、天然資源に価格を付けることで、意思決定者は自然資本が有限であると認識するようになりました。それまでは、天然資源は自由に利用できると考えがちでした。現在では、経済評価の研究は、たとえばBPの流出事故が天然資源にどれほどの損害を与えたか、また、EPAの酸性雨対策プログラムの便益が費用を上回ったかどうかといった問いに、意思決定者が答える助けとなります。天然資源に金銭的価値を割り当てることで、市場の力を活用し、すべての人に利益をもたらす政策や規制を設計できるようになります。

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