室内空気汚染:原因と対策

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  • 世界保健機関によると、室内空気汚染が原因で毎年300万人を超える人々が亡くなっています。

  • 開発途上国では大きな問題です。木材、石炭、動物の糞などの固形燃料を屋内で燃やすことで、微小粒子状物質や一酸化炭素などの有害汚染物質が放出され、空気の質と人々の健康に影響を及ぼします。

  • COP26で世界経済フォーラム、クリーン・エア・ファンド、ストックホルム環境研究所が立ち上げた、クリーンエア連合は、企業のリーダーたちを結集し、大気の質を優先課題とし、排出量を削減し、気候変動対策における意義ある行動を推進しています。

多くの人は、大気汚染は工場や自動車から生じるものと考えています。しかし、自宅や職場の空気も汚染される可能性があることをご存じでしょうか。実際、室内空気汚染は屋外の大気汚染よりも健康に有害な場合があります。

室内空気汚染とは?

室内空気汚染は、屋内で有害な汚染物質が放出されることで生じます。微小粒子状物質(PM)や一酸化炭素、その他さまざまな有害物質が含まれます。

また、開発途上国では大きな問題となっています。調理や暖房のため、屋内で燃料を燃やす人が多いためです。エネルギー効率の高い住宅に住む人々にとっても懸念事項です。こうした住宅は比較的気密性が高く、室内の空気がすぐに滞留し、汚染物質の濃度が急速に上昇するおそれがあります。

あらゆる形態の汚染が有害となり得ますが、室内空気汚染は特に深刻です。人々が長時間その空気にさらされることが多いためです。2020年には、世界で約320万人の死亡との関連が指摘されました。世界保健機関(WHO)によると、そのうち23万7,000人は5歳未満の子どもでした。

室内空気汚染は、屋内で有害な汚染物質が放出されることで生じます。微小粒子状物質、一酸化炭素、その他さまざまな有害物質が含まれます。Image: ResearchGate

室内空気汚染の原因は?

室内空気汚染には多くの原因があります。においですぐに気づくものもあれば、気づかれないままのものもあります。

タバコの煙

紙巻きタバコ、葉巻、パイプから出る煙は、最も一般的で、最も危険な 室内空気汚染物質の一つです。タバコの煙には7,000種類を超える化学物質が含まれ、そのうち少なくとも70種類は発がん性があります。吸い込むと、これらの化学物質は慢性閉塞性肺疾患や、心臓発作などの深刻な結果を招くその他の心血管疾患を引き起こすこともあります。

受動喫煙も、室内空気を汚染する主な要因の一つです。実際、受動喫煙への曝露は、米国で毎年およそ非喫煙者の成人7,300人の肺がん死亡を引き起こすと推定されています。

さらに、タバコの煙はディーゼル車の排気ガスの10倍の大気汚染を引き起こすという報告もあり、最も深刻な室内空気汚染の発生源の一つとなっています。

調理用コンロ

もう一つの一般的な室内空気汚染物質は、調理用コンロから発生するPMです。開発途上国では、調理や暖房のために木材、石炭、動物の糞などの固形燃料が屋内で燃やされることがよくあります。

屋内の調理用コンロから発生する高濃度のPMへの曝露は、呼吸器感染症、喘息、心臓病、がんなど、さまざまな健康問題と関連しています。実際、調理用コンロによる室内空気汚染は、毎年およそ310万人の早死の原因となっており、主に女性と子どもが影響を受けると国連は述べています。

この太陽光発電ストーブは、室内空気汚染による死亡者数を減らしている。
この太陽光発電ストーブは、室内空気汚染による死亡者数を減らしている。
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清掃用品

多くの清掃用品に含まれる化学物質は、室内の空気を汚染する可能性があります。こうした製品は有毒な蒸気を放出し、吸い込むと有害な場合があります。含まれる化学物質の中には、呼吸器感染症、喘息、がんなど、さまざまな健康問題との関連が指摘されているものもあります。

さらに、多くの清掃用品には揮発性有機化合物(VOC)が含まれています。これは室温で容易に蒸発する気体です。VOCが空気中に放出されると、短期的および長期的なさまざまな健康影響を引き起こす可能性があり、頭痛、吐き気、肝臓、腎臓、中枢神経系への損傷などが含まれます。

カビ

カビは室内空気汚染物質であり、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。呼吸器感染症、喘息、アレルギーなどが挙げられます。湿気の多い環境で繁殖し、家の壁、床、天井、地下室など、さまざまな場所に発生します。

免疫機能が低下している人や、喘息やアレルギーなどの持病がある人は、カビへの曝露によって症状が悪化し、深刻な呼吸器感染症を引き起こすおそれもあります。

ペットのフケ

ペットのフケも、室内空気汚染の一般的な発生源です。フケは動物の毛、皮膚、唾液に含まれ、毛のある動物の多くから剥がれ落ちます。空気中に放出されたペットのフケを吸い込むと、喘息発作、花粉症、その他のアレルギーなど、さまざまな呼吸器系の問題を引き起こす可能性があります。

大気汚染は世界で2番目に多い死因です。Image: Our World in Data/IHME

ほこりと室内空気汚染

ほこりは室内空気の質を悪化させる大きな要因です。アレルゲンの発生源や空気中の汚染物質を含み、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。前述のように、ダニ、カビの胞子、ペットのフケなどの微小粒子は、既存の呼吸器疾患を悪化させ、その他さまざまな健康問題の一因となることがあります。

人々が屋内で過ごす時間をますます増やしている中、職場や教育施設、交通機関も含め、空気の質を監視する重要性はさらに高まっています。例えば、室内のほこりには、屋外のほこり、家具、タバコの煙などを発生源とする重金属の痕跡が含まれることもあります。ほこりを減らすことで肺の健康を改善し、有害な室内空気汚染物質への曝露を最小限に抑えられます。

室内空気汚染への対策

室内空気汚染は解決不可能に思えるかもしれませんが、汚染物質の濃度を下げる方法はあります。

適切な換気

室内空気汚染を減らす主な方法の一つは、適切な換気を確保することです。換気を適切に行えば、汚染された室内の空気を排出し、屋外の新鮮できれいな空気と入れ替えることができます。

室内の換気が不十分だと、汚染物質が危険な濃度まで蓄積する可能性があります。省エネルギーのために住宅を密閉している場合は、特に懸念されます。

換気が不十分だと二酸化炭素が蓄積し、頭痛、めまい、疲労などの健康問題を引き起こすこともあります。

大気汚染対策として、世界経済フォーラムはどのような取り組みを行っていますか?

HEPAフィルターを使う

高性能微粒子エア(HEPA)フィルターは、カビの胞子、ペットのフケ、ダニ、タバコの煙などの汚染物質を効果的に取り除き、室内の汚染を減らすことができます。実際、HEPAフィルターは、通過する空気から0.3ミクロン以上の粒子を99.97%除去します。

フィルターは掃除機や空気清浄機、暖房・空調システムなど、さまざまな形で使用できます。

環境に配慮した洗剤を使う

一般的な清掃用品の多くには、室内空気汚染の原因となる有害な化学物質が含まれています。これを避けるには、ホワイトビネガー、重曹、ホウ砂、柑橘類、精油などの天然成分で作られた環境に配慮した洗剤を選びましょう。

こうした天然成分は屋内で安全に使え、表面を掃除して汚れ、ほこり、こびりつきを取り除くのに効果的です。

室内を清潔で乾燥した状態に保つ

室内を清潔で乾燥した状態に保つことで、室内空気汚染を減らせます。カビが発生しやすい台所や浴室などでは、特に重要です。また、カビの発生を防ぐため、水漏れや水による損傷があれば速やかに修理することが大切です。

観葉植物

室内に観葉植物を置くことは、室内の汚染物質を減らす効果的な方法です。観葉植物は汚染物質を吸収して酸素を放出し、空気を浄化します。また、湿度を高め、ほこりを減らすことで、室内空気の質の改善にも役立ちます。

観葉植物は、室内空気汚染の原因となる汚染物質の除去に役立ちます。Image: Beatriz Moraes/unsplash

さらに、観葉植物が室内の空気を浄化する効果は、米国の宇宙機関NASAも認めています。1989年、NASAはクリーンエア研究を実施し、特定の観葉植物が空気中のさまざまな汚染物質の除去に非常に効果的であることを明らかにしました。セイヨウキヅタ、ポトス、カンノンチク、スパティフィラムなどが含まれます。

低排出の建材や家具を選ぶ

室内空間を建築または改修する際には、低排出の建材や家具を選ぶことが重要です。こうした建材や家具は、室内空気を汚染する有害な化学物質である揮発性有機化合物(VOC)の排出量が少なくなっています。

低排出の素材や家具には、竹、ウールのカーペット、ラテックス塗料などがあります。

空気清浄機を使う

空気清浄機は、ほこり、花粉、カビの胞子、ペットのフケなどの汚染物質を取り除き、室内空気汚染から身を守るのに役立ちます。VOCや一酸化炭素、その他の有害な化学物質も除去できます。

空気清浄機を選ぶ際は、部屋の広さに合ったものを選び、CADR値が高い製品を選ぶことが重要です。CADR値は、一定の空間の空気を浄化する能力を示します。適切なCADR値を求めるには、部屋の面積(平方フィート)を1.55で割ります。例えば、250平方フィートの部屋の場合、この数値を1.55で割ると161となるため、CADR値が160以上の室内用空気清浄機が必要です。

室内空気汚染対策の未来

室内空気汚染対策の未来は、テクノロジーにかかっています。現在、市販されている複数の空気清浄機は、最先端技術を使って室内空気の汚染物質を除去しています。

さらに、環境センシング技術の進歩により、より正確で効率的かつ小型のセンサーを使って、室内空気の汚染物質を検知できるようになりました。その結果、スマートホームシステムはこうしたセンサーで室内空気の質を監視し、危険な濃度に達する前に換気システムに知らせます。

将来的には、ナノテクノロジーによって室内空気汚染を制御できる可能性もあります。ナノテクノロジーは、分子レベルで室内の汚染物質を捕捉または破壊する技術です。空気清浄機向けの開発がすでに進められており、現行の方法よりもはるかに小さなスケールで室内の汚染物質を除去できる可能性があります。

イノベーションに限界はありません。室内空気汚染に対抗するため、新しく、より効果的なアイデアや発明を生み出すことができます。一方で、室内空気汚染を抑えるために、今すぐ実行できる対策もあります。その重要な取り組みの一つが、世界規模で大気汚染に取り組むことです。COP26で世界経済フォーラム、クリーン・エア・ファンド、ストックホルム環境研究所が立ち上げた、クリーンエア連合は、企業のリーダーたちを結集し、大気の質を優先課題とし、排出量を削減し、気候変動対策における大きな成果につながる行動を推進しています。

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