花粉媒介者には、一年を通じて途切れのない多様な都市の食料供給が必要です。季節に合った植物を植えることで、その助けになれます、と2人の生態学者は記しています。
春:クリスマスローズやムスカリを花壇の縁に植えたり、ヤナギやサクラなどの樹木や低木を植えたりしましょう。
夏:スイカズラ、カンパニュラ、ラベンダーを植えましょう。クローバーやタンポポが育つよう、芝刈りの回数を少し減らしてみてください。
秋:キヅタ、セダム、エキナセア、オレガノなど、花が開いていて虫が蜜に近づきやすい植物を植えましょう。
冬:ヒイラギナンテン、サルココッカ、冬咲きスイカズラ、イチゴノキを植えましょう。
花粉媒介者は、生き残るのに苦闘しています。田園地帯では、花の豊かな草地や生け垣、畑が、現代の工業型農業の結果である緑の単一栽培地に置き換えられてきました。しかし、意外な避難場所となりうるのが都市の庭です。
研究によると、都市の庭師がつくる安息の場には、豊富な花蜜があります。花蜜は、花粉媒介者が飛び続けるために花から集める、エネルギー豊富な糖液です。
都市では、ミツバチやチョウ、ハナアブなどの飛翔昆虫が庭から庭へと飛び移り、必要なときにいつでも食べ物を見つけられます。こうした都市の庭は、市内で見つかる花蜜の約85%を生み出しています。一方、英国の田園地帯では、花蜜の供給量が1930年代以降3分の1減少しました。
私たちの最新の研究から、花粉媒介者にとって都市の食料供給は、農地よりも一年を通じて多様で途切れがないことも分かりました。農地の場合よりも庭や市民農園、さらには窓辺のプランターがある人なら誰でも、花粉媒介者のための安息の場をつくれます。季節ごとに何を植えるとよいか、ヒントをご紹介します。
春に植えるもの
最初のクロマルハナバチの女王は、2月から3月にかけて冬眠から目覚めます。すぐに食べ物が必要です。
この時期、花蜜の豊富な植物は、冷えた飛翔筋を温めるための重要なエネルギー源です。花粉は産卵や幼虫の成長に欠かせないタンパク質を供給します。早春の田園地帯は、まだ荒涼として生き物に厳しい場所が多くあります。
庭師は、花壇の縁にクリスマスローズ、プルモナリア、ムスカリを植えることで助けになれます。ヤナギやサクラ、花の咲くフサスグリなどの樹木や低木も、狭い場所にたくさんの食料を確保するのに最適です。
夏に植えるもの
晩春から初夏にかけて、花粉媒介者が利用できる食べ物は増えますが、それをめぐる競争も激しくなります。そのため、さまざまな花の咲く植物を幅広くそろえることが重要です。そうすれば、多様な昆虫にとって魅力的で近づきやすい食べ物を確保し、栄養バランスのとれた食事を提供できます。
スイカズラ、カンパニュラ、ラベンダーなど、多種多様な植物が夏の花の資源になります。芝刈りの頻度を少し減らすのも効果的です。クローバーやタンポポなど、大切な「雑草」とも呼ばれる植物が花を咲かせる機会が増えます。
秋に植えるもの
晩夏から秋にかけて、庭で花を咲かせ続ける植物の種類は減ります。少数の植物が花蜜の供給を占め、特にフクシア、サルビア、クロコスミアが目立ちます。
しかし、多くの花粉媒介者にとって、こうした花はまったく役に立ちません。花蜜が筒の奥に隠れていて、庭にいるクロマルハナバチのように舌の長い昆虫しか届かないからです。
そのため、単独性のハチやハナアブは、別の食料源を見つける必要があるかもしれません。庭師は、花が開いていて虫が蜜に近づきやすい植物を優先することで助けになれます。キヅタ、セダム、エキナセア、オレガノなどを選びましょう。
冬に植えるもの
冬も活動を続ける花粉媒介者はわずかです。ほとんどの種は命を終え、次世代は卵、幼虫、さなぎの姿で残ります。
しかし、マルハナバチとミツバチは飛び続け、都市がもたらす比較的温暖な気候と冬の花を利用します。マルハナバチは翅を振動させて体を温め、氷点をわずかに上回る気温でも採餌できますが、そのためにはエネルギー豊富な花蜜をたくさん必要とします。冬にミツバチを庭に呼び込みたいなら、特におすすめなのはヒイラギナンテン、サルココッカ、冬咲きスイカズラ、イチゴノキです。
都市の庭は小規模ですが数が多く、住宅街の1平方キロメートルに数百、あるいは数千もの庭が集まっています。庭師によって、植える植物や芝を刈る頻度、さらには何を雑草とみなすかまで、好みはそれぞれ異なります。
その結果、花蜜の量や生産される時期、それを生産する花の種類は、庭ごとに大きく異なります。それでも、改善の余地は常にあります。花粉媒介者に与える花蜜の量が、ほかの庭の数百分の一にとどまる庭もあります。
そこで、庭を花蜜で満たし、有害な農薬を使わずに管理しましょう。あなたにできることの大きさに、きっと驚くでしょう。
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