国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、国連環境計画(UNEP)の新報告書「自然との平和の構築(Making Peace with Nature)」を支持している。
環境危機への対応に加え、本報告書は平和計画と戦後復興プログラムを提示している。
本報告書は、持続不可能な分野への年間5兆ドル超の補助金を、代わりに自然の回復と低炭素の未来に投資すべきだと提言している。
新たな科学的な青写真は、気候変動、汚染、動植物種の急速な消失に取り組むための指針であり、木曜日に公表された。国連のグテーレス事務総長によれば、これは世界の「自殺的」な自然への戦争を終わらせる方法を示すものだという。
国連環境計画の本報告書は、過去の国際的な研究成果を土台として、各国政府、企業その他の関係者が、相互に絡み合う環境危機への対処において、より統合的なアプローチを採用できるよう支援するものである。
「人類は自然に対して戦争を仕掛けている。これは無意味で自殺的な行為だ。われわれの無謀さがもたらす結果は、すでに人々の苦しみ、甚大な経済損失、地球上の生命の加速する喪失として表れている」と、グテーレス事務総長は序文に記している。
気候危機、生物多様性の危機、そして汚染は毎年何百万人もの命を奪っており、地球を傷つけたままにしていると、同事務総長は述べた。
「しかし(本報告書)は、平和計画と戦後復興プログラムを提示することで、より安全な場所へと私たちを導いてくれる。」
提言の中には、化石燃料、工業的農業、漁業、鉱業などの分野への年間5兆ドル超の補助金を、低炭素の未来への移行と自然の回復を加速させるために振り向けるべきだというものがあった。
また政府は、経済成長を実績の指標として捉えるだけでなく、生態系を保全することの価値も考慮すべきだと、本報告書は述べている。
本報告書は、11月に英国グラスゴーで開催される国連気候変動会議、および生物多様性の保全に関する新たな世界的合意を目指す並行協議において、各国政府がより野心的な措置を講じるよう促すことを狙いとしている。
新型コロナウイルス感染症の大流行への対応として各国が経済復興策を打ち出すなか、著者らは、破壊的な産業・金融システムを迅速に転換するため、より協調的な行動を促すことを、その政策提言が後押しすることを期待している。
「問題の捉え方と取り組み方の両面で、われわれはより全体論的でなければならない」と、英国の環境科学者で、「自然との平和の構築(Making Peace with Nature)」と題する本報告書の主執筆者の一人であるロバート・ワトソン氏はロイター通信に語った。




