報告書が指摘、絶滅危惧種の問題を私たちは著しく過小評価している

A male elephant grazes during an exercise to fit them with advanced satellite radio tracking collar to monitor their movement and control human-wildlife conflict near Mt. Kilimanjaro at the Amboseli National Park, in Kenya November 2, 2016. REUTERS/Thomas Mukoya - D1BEUKNXCFAA
The African elephant has a generation time of 22 years.Image: REUTERS/Thomas Mukoya
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100万種を超える生物が絶滅の危機にさらされていると、生物多様性に関する新たな報告書は指摘している。しかし、絶滅危惧種と見なされていない生物の中にも、人々が考えるほど安全ではない種があるかもしれない。新たな研究は『Journal of Applied Ecology』に掲載され、生物の世代時間を測る一部の方法では、種が絶滅する可能性を過小評価するおそれがあると明らかにした。

生物の世代時間とは、ある世代が成熟した子孫に置き換わるまでにかかる期間のことだ。これは種ごとに異なり、生物が環境の変化にどれだけ速く対応できるかに大きく影響する。不完全なデータや誤った方法に基づいて算出すれば、特定の種の絶滅リスク評価を大きくゆがめるおそれがある。

ネズミの世代時間はわずか数カ月だが、アフリカゾウでは22年に及ぶ。世代時間が長いほど、種が環境変化に適応する速度は遅くなり、その結果、絶滅する可能性も高まる。

現在、生物が絶滅する速度は、自然な水準の少なくとも100倍に達している。絶滅の速度が増すなか、保全に携わる人々が実態を正確に把握できるよう、種ごとのリスクを測る手法を改善する必要がある。その第一歩は、従来の前提をより優れた手法に置き換えることだ。

誤差が種の生存を過大評価する仕組み

絶滅リスクを正確に評価するうえで、まず課題となるのは、絶滅危惧種に関するデータの不足だ。最もよく研究されている哺乳類と鳥類でさえ、個体数データがあるのは、絶滅のおそれがある哺乳類1,079種のわずか4.4%、鳥類1,183種の3.5%にすぎない。こうしたデータの空白を埋めるため、科学者は生存率、繁殖、世代時間についての仮定に頼ることが多い。

こうした仮定に依存する一部のリスク評価モデルでは、誤差が生じうることが分かった。評価対象となるモデルの一部では、個体数の減少を、その種の世代時間の3倍にあたる期間で測定するためだ。ある種が5年で成熟して子を産むと考えられているなら、その個体数の減少幅は15年間を対象に測定される。

しかし、種の世代時間が過小評価されると、個体数の減少ははるかに短い期間で測定される。そのため、個体数の縮小幅が過小評価され、ひいてはその種の脅威レベルも低く見積もられる。結果として、実際よりも絶滅の危険が小さいと思い込むおそれがある。

世代時間のさまざまな測定方法における誤差の影響を検証した。そこには、IUCNレッドリストの評価で使われる方法も含まれる。IUCNは種の保全状況に関する世界的な権威機関であり、こうした誤差によって、一部の種の絶滅リスクが実際より楽観的に評価される可能性があることが分かった。

Image: The Conversation

この問題に対処するため、広く使われている7種類の世代時間の測定方法について、さまざまな誤差を比較した。世代時間の推定に影響する誤差の種類を明確に把握すれば、データが乏しい場合でも、保全に携わる人々は絶滅リスクの評価でこれらの要因をより適切に考慮できる。

ある種の生存率や繁殖力に関するデータがない場合、根拠のない仮定に頼らずに済む新たな推定方法を提案する。この方法では、多くの種で比較的入手しやすいデータである体重と繁殖寿命から、世代時間を予測する。

それでも、正確な計算を行ううえで、データ不足は厄介な問題だ。今後は、約1,200の動物園・水族館が収集したデータを用い、野生個体群と飼育下の個体群の生存率や繁殖に関するデータを比較して、こうした知識の空白を埋める方法を探る予定だ。対象となる期間は40年間で、21,000種を超える。

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