水不足を解決するかもしれない、ふにゃふにゃの小さなロボット「デイジー」

Two boys collect water from a leaking pipe in Kuala Lumpur April 2. Malaysia has started rationing water in parts of the capital city due to a severe drought which caused reservoir water levels to drop. Authorities have announced that the capital city has a shortage of 105 million litres per day which was aggravated by the prolonged drought which started late last year.MALAYSIA - RP1DRIFEMBAA
Robot Daisy has been invented by You Wu, a fifth-year MIT mechanical engineering PhD candidate.Image: REUTERS/Raj Patidar
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世界では、5人に1人が十分な水を得られていないと国連は述べている。しかし、それは飲み水や入浴、洗濯、さらには芝生への水やりに使える淡水が不足しているからではない。主な原因は、水が汚染されていること、湖や川から水を運ぶ配管がないこと、あるいは老朽化したインフラから水が漏れていることだ。

2008年、サウジアラビアはMITのメカトロニクス研究所に、3つ目の問題に取り組む新技術の開発資金を提供すると申し出た。高価な淡水化飲料水で知られる同国では、配管の漏水により毎日、水の3分の1が失われていた。しかし、金属管向けに開発された従来の検知方法は、プラスチック製のインフラには適さなかった。

9年間の研究開発を経て、MITで機械工学の博士課程5年目に在籍するユー・ウー氏は、洗練された解決策を生み出した。発明品はロボット「デイジー」。バドミントンの羽根のような、柔軟で知能を備えた装置だ。青いスカートをはいた女性にも似ており、それが名前の由来となっている。

デイジーは配管内を浮かんで進み、水漏れの位置を正確に特定する。管の亀裂から水が漏れると吸引力が生じ、その強さは亀裂の大きさに比例して増し、センサーで測定できる。このセンサーがデイジーのゴム製スカートを構成している。配管網の漏水を特定する際は、技術者が消火栓を通じて地下配管にデイジーを挿入する。デイジーは下流へ進みながら、スカートが引っ張られた場所と力を記録する。技術者が配管から回収すると、胴体に収められたデータ保存用のチップがWi-Fiに接続し、漏水箇所の地図をダウンロードする。

Image: Quartz

この設計は配管の材質を問わず機能し、さまざまな管径に対応するサイズが用意されている。また、従来の音響技術よりも高い精度と細かさで検知できる。そのためデイジーは漏水を初期段階で発見できる。これにより「年間数百万ガロンの水の損失を防げる可能性がある」と、マサチューセッツ州ケンブリッジ市水道局のエンジニアリング・配水部門ディレクター、マーク・ギャラガー氏はMIT Newsに語った。同氏によると、配管の故障時に「インフラへの損傷や、家庭や事業所への給水停止も最小限に抑えられる可能性がある」という。

サウジアラビアの試験施設でデイジーが配管網を無事に通り抜けるまでに、11台の試作機が必要だった。初期の試作機は、漏水による吸引力と、管の内側にこびりついた泥やさびによる影響を区別できなかった。また、T字継手の急な曲がりを通り抜けたり、管径の変化に対応したりすることもできなかった。ウー氏は設計を繰り返し改良し、デイジーの検知ソフトウェアを微調整するとともに、より柔らかい胴体にして、曲がり角や細い管を通り抜けられるようにした。現在は16台目の試作機で、原材料費は150ドル、製作には4時間かかる。デイジーを大規模生産すれば、コストは下がるとウー氏は見込んでいる。

ウー氏は今年初め、デイジーの事業化に向けて共同創業者のジョナサン・ミラー氏、ダニエル・ゴメス氏とPipeGuardを設立した。同社は複数のピッチコンテストで資金を獲得しており、その中にはブーズ・アレン・ハミルトン・データ分析賞やMIT Solveチャレンジ最終選考が含まれる。また、数十の公益事業会社や地方政府から問い合わせを受けている。

博士課程の最終学年に在籍するウー氏は、来年の顧客として3者と契約している。水のほぼ半分が漏水で失われているバージニア州ワイズ郡、30%が失われている中国・上海の臨港工業区、そして42%が失われているメキシコ・モンテレイだ。これらの割合は、それぞれの水道当局のデータに基づく。卒業後、ウー氏はデイジーの専門技術をサービスとして世界各地の都市に提供する計画だ。

ウー氏によると、上海で育った頃の電力不足が、水不足の解消に役立つものを開発したいという関心につながった。当時、工場では電力網の需要に合わせて勤務時間をずらす必要があり、両親に会えるのは週に一度だけだった。「資源が不足するとはどういうことかを実感し、持続可能性に個人的な関心を持つようになりました」と話す。

「将来や資源不足について不安を感じています」と続ける。「人口が増えて、誰もが何かを犠牲にしなければならなくなったら、ある日、誰かが飲み水を得るために、私たちがシャワーを浴びる水を使えなくなるかもしれません。これが開発の個人的な動機でした。いつか『シャワーなしの月曜日』を迎えずに済むようにするには、どうすればよいか、と考えたのです。」

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