スイスは2050年までに気候中立を実現することを目指している。3年前に設定した目標を前倒しするものだ。
今回の動きは、国連の新たな報告書が、大気中の温室効果ガスが過去最高水準に達していることを示し、世界のエネルギーシステムが依然として化石燃料に支配されている状況を明らかにしたことを受けたものだ。気候変動の影響は、予測よりも強く、かつ早く表れていると考えられている。
2016年にパリ協定に署名したことで、スイスは炭素排出量を2050年までに70~85%削減することを約束した。これは、地球温暖化を2100年までに2℃未満に抑えなければ、地球に深刻な影響が及ぶとする気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の知見にも沿うものだった。
スイスは、IPCCによる最新データの公表を受けて目標を見直した。最新データは、気候変動による最悪の影響の多くが、気温上昇がわずか1.5℃で引き起こされうることを示唆している。
世界的には、2015年以降の気温は観測史上最も高い水準で推移している。スイスは気候変動の影響を特に強く受けており、気温は世界平均の2倍の速さで上昇している。
ブータンやスリナムなど他の国々も、すでにネットゼロを超過している――排出量よりも多くの二酸化炭素を吸収している。
低炭素国の顔ぶれ
スイスは、ネットゼロ(排出量と大気からの吸収量を同量にして相殺する目標)を掲げる他の多くの国々に加わった。吸収手段の例としては、植林や、炭素回収・貯留技術の利用などがある。
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2019年6月、英国は主要国として初めて、ネットゼロ排出に関する法律を成立させた。
ニュージーランドは、家畜由来のメタン排出量を削減する目標を盛り込んだネットゼロ関連法を導入した。2050年までに最大47%削減する目標である。

しかし、それで十分なのか?
一方で海面上昇が続き、極端な気象現象がさらに頻発するなか、設定されている目標が気候変動を食い止めるのに十分なものなのかについて懸念が出ている。
国連は、抜本的な変革を呼びかけている。石炭火力発電所の閉鎖から電気自動車の普及支援に至るまでの取り組みを通じて、生物多様性や脆弱な人々を守る形で気候対策を加速させることが狙いだ。






