太陽光ミニグリッドがインドの農村地域に電力を供給

Solar mini grids may help resolve the power paradox in India
Solar mini grids may help resolve the power paradox in IndiaImage: REUTERS/Amit Dave/Files
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インド北部ウッタル・プラデーシュ州の村、アトラウリにあるガソリンスタンドの隅で、大型ディーゼル発電機がほこりをかぶったビニールシートに覆われている。ささやかながら、進歩を物語る印だ。

店長のスダカール・シン氏によると、このガソリンスタンドは毎日午後7時に閉店していた。照明がたびたび消え、いつ復旧するか分からなかったためだ。

「主電源の供給は非常に不安定で、発電機の運転には費用がかかったため、午後7時を過ぎて営業を続ける余裕はありませんでした」とシン氏はトムソン・ロイター財団に語った。その間、バイクやトラックがガソリンやディーゼルを求めて列を作っていた。

昨年、この給油所は太陽光ミニグリッドに接続した。全国送電網につながっていない地域電力網で、毎日6時間の電力供給を保証する。以来、給油所は夜通し営業している。

「今は支出が減り、夜通し営業できるので収入も増えました。接続してから、発電機は一度も使っていません」とシン氏は語った。

電力のパラドックス

アトラウリの電力革命は、世界有数の急成長経済でありながら停電が頻発し、1人当たりの電力消費量が世界平均の約3分の1にとどまるインドを悩ませる、エネルギーのパラドックスを象徴している。

太陽光発電のコストが急速に低下していること、日照に恵まれていること、そして人口の約4分の1に当たる約3億人が依然として電力を利用できないほど電力需要が大きいことから、インドでは太陽エネルギーに大きな可能性がある。

ナレンドラ・モディ首相は2019年までに全市民へ電力を供給すると公約し、太陽光発電も急増している。それでも、老朽化した送電線で最大30%に達する送配電損失、低い料金設定、利用の少なさなどから、遠隔地の村々への送電は依然として課題だ。

電力のない人々の多くは、政府が電化済みとみなす村に住んでいる。政府は、世帯と公共施設の少なくとも10%に電力があれば、その村を電化済みと判断しており、こうした村は全体の99%に上る。

しかし、電化済み世帯の少なくとも半数は、1日に6時間以上の電力を得られていない。

科学環境センターのアルナ・クマランカンダス氏は、「送電網が拡大し、十分な電力を発電できるようになっても、配電会社にはその電力を引き受ける態勢がなく、農村部に進出する意欲もありません」と語った。

再生可能エネルギー研究者のクマランカンダス氏は、「供給がこれほど不安定だと、人々は電力を控えめに使うため、投資先として魅力がなくなります」と語った。

照明、扇風機、さあ始めよう:太陽光ミニグリッドなら実現できる

インドで最も人口の多い州、ウッタル・プラデーシュ州の状況は特に深刻で、電化されている世帯はわずか37%。全国の67%と比べて低い。

支援となっているのは、アトラウリの設備のような民間の太陽光ミニグリッドだ。ここを運営するOMC Powerは、州内に67カ所のグリッドを持つ。

再生可能エネルギーはインドの電化計画の要であり、容量10~500キロワット(KW)のミニグリッドが、ますます重要な役割を果たしている。

「太陽光ミニグリッドは、未利用の再生可能エネルギーの可能性を活用し、消費地で発電することで需要を効率的に管理します」とクマランカンダス氏は語った。

OMC Powerの基本的な家庭向けプランは月額110ルピー(1.70ドル)。LED電球と携帯電話の充電用コンセントを備えたスイッチボードが付く。照明や扇風機、テレビを追加することもできる。

OMC Powerの最高技術責任者、サラージュ・N・ラオ氏によると、蓄電池を備え、配電範囲が5キロ(3.1マイル)の50 KW太陽光発電グリッドは、小規模事業者、学校、通信塔2基、500を超える世帯に電力を供給できる。

「農村部には十分な需要があります。供給が安定し、質も良ければ、人々はより多く支払う意思があります」と同氏は述べた。

太陽光ミニグリッドが後押しする地域の雇用

ウッタル・プラデーシュ州は、太陽光ミニグリッド政策を持つ唯一の州だ。この政策は、人口の約10分の1に当たる約2,000万世帯への電力供給を目指している。

州はこうしたグリッドに30%の補助金を提供する。電源には風力、バイオマス、水力も利用でき、家庭には少なくとも8時間、商業用途には6時間の電力供給を保証しなければならない。

重要なのは、地域の送電網から十分な電力が供給されるようになった場合の撤退方法も、政策に盛り込まれている点だ。配電会社が合意した料金で太陽光ミニグリッドから電力を受け取るか、事業を配電会社に移管できる。

インドの再生可能エネルギー省は昨年6月、ミニグリッドとマイクログリッドに関する国家草案を発表した。

この草案は、今後5年間に「電力供給がない、または不十分な国内地域」で再生可能エネルギー事業を少なくとも1万件導入することを目指す。各事業の平均容量は50 KWとする。

この野心的な目標は、インドの再生可能エネルギーが転換点を迎える時期に掲げられた。再生可能エネルギーによる発電コストが、従来型電源とほぼ同水準になっている。

エネルギーの大部分は依然として石炭が供給している。しかし、気候変動に関するパリ協定の署名国として、インドは2030年までに電力の少なくとも40%を非化石燃料源から供給することを約束している。

10年間の計画では、2027年までにインドの発電容量の57%を非化石燃料源が占めると予測している。

特に重視されているのが太陽エネルギーで、2022年までに再生可能エネルギー容量を175ギガワット(GW)にする目標のうち、100ギガワットを担う。

「再生可能エネルギーを利用するミニグリッドは、小規模事業者を後押しし、地域の雇用を生み、経済を発展させます。村の生活水準も向上するでしょう」とクマランカンダス氏は語った。

「その結果、女性のエンパワーメントが進み、健康や教育も改善するでしょう。この国にとって、これ以上の開発課題はありません」と同氏は述べた。

アトラウリでは、OMCの太陽光ミニグリッドは幹線道路を少し入った場所にあり、電力供給にも役立っている通信塔の隣にある。ラオ氏によると、OMCはアトラウリに280の顧客を持ち、その60%が商業顧客だ。

OMCが村で最初に契約した顧客の一人は、2人の子どもを育てる未亡人のアニタさんだった。電力の接続がなく、小屋の明かりには灯油ランプを使っていた。

基本プランでは照明が1つだったが、今ではアニタさんの部屋、息子の部屋、台所にそれぞれ1つずつ、計3つの照明がある。

「以前は、子どもたちは勉強するための明かりを探しに行かなければなりませんでした。でも今は家で勉強でき、私も夜に家事ができます」と彼女は語った。「次は扇風機を追加したいです。」

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