新たな衛星画像は、カスピ海の水位低下を示しています。
これは長期的な傾向の一部であり、今世紀末までに大幅な低下につながる可能性があります。
ある研究は、環境と人間社会への影響に取り組むため、認識の向上、さらなる研究、そして世界的なタスクフォースの設置を求めています。
カスピ海は、表面積で測定すると世界最大の内陸水域です。しかし、新たな衛星画像によると、その面積は縮小しており、しかもその速度は急速です。
これらの画像は、2006年9月20日と2022年9月19日を比較したもので、まったく異なる二つの湖の姿を示しています。
カスピ海に何が起きたのでしょうか?
2022年の画像では、海岸沿いや、かつてソル・カイダク入江があった南東方向に、薄灰色の部分や白い斑点が見られます。NASA Earth Observatory によると、これらの斑点は蒸発後に残された塩分や鉱物の堆積物である可能性が高いとのことです。2006年には見られなかった斑点です。
実際、2022年までに、画像の右下に見える蛇行状の区域全体が消失しています。
研究によると、以下のグラフが示すように、湖の水位はしばらく前から低下し続けています。この水位の低下は、地球と人類にとって悪いニュースです。例えば、カスピ海は世界最大のチョウザメの産卵場であり、そこに生息する唯一の海洋哺乳類であるカスピアザラシの生息地でもあります。
また、カスピ海は沿岸に住む人々にとって、例えば漁業などの面で経済的に極めて重要であり、その水は農業にも利用されています。
今後どうなるのでしょうか?
研究によると、気候変動により状況はさらに悪化すると見られています。2020年の研究は、カスピ海のような内海や貯水池における水位低下に、より注意を向けるよう求めています。
この研究は、今世紀末までにカスピ海の水位が9〜18メートル低下する可能性があると警告しています。
こうした低下が生態系や人々に及ぼす影響は、極めて厳しい状況を描き出しています。
「数百万人の生計と食料安全保障がカスピ海に依存している以上、これらの生態系サービスが失われれば、社会経済に深刻な影響を及ぼし、すでに緊張が絶えない民族的に多様な地域において、地域的・広域的な紛争を引き起こす可能性がある」と、著者らは記しています。
こうした深刻な影響に対処するため、この研究は、地球規模の意識向上キャンペーン、リスクと脆弱性の評価、そして適応と緩和の戦略を策定するための世界的なタスクフォースの設置を求めています。
熱波と干ばつ
今年の北半球の夏は、中国からヨーロッパ、米国に至るまで世界各地が被害を受け、熱波と干ばつが見出しを飾りました。研究によると、気候変動により、極端な気象現象(熱波など)が起こりやすくなっているとのことです。
しかし、カスピ海が示すように、気候変動による影響は数十年にわたって現れていきます。世界経済フォーラムの『グローバルリスク報告書』は、世界中の人々が環境リスクを最優先の関心事として捉えていることを示しています。
最新の2022年版の報告書によると、今後10年間で、気候行動の失敗、極端な気象、生物多様性の喪失が、深刻度の点で世界最大のリスクになると予想されています。








