海面上昇で危機にさらされるインターネット

A 12-inch wafer is displayed at Taiwan Semiconductor Manufacturing Company (TSMC) in Xinchu January 9, 2007. TSMC, the world's top contract chip maker, posted an 18.4 percent fall in December sales on January 10, hurt by clients' unwanted stockpiles, but a recovery looms as a new crop of electronics devices hit store shelves. Picture taken January 9, 2007. REUTERS/Richard Chung (TAIWAN) - RTR1L1ID
Undersea cables and traffic hubs are at risk.Image: REUTERS/Richard Chung
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研究者らによると、海面上昇は、人口が密集する米国沿岸地域に埋設された4,000マイルを超える光ファイバーケーブルを脅かしている。インターネット障害のリスクが最も高い3都市の一つがシアトルだ。

オレゴン大学コンピューター・情報科学学部の助教、ラマクリシュナン・ドゥライラジャン氏は、インターネットネットワーク研究者らを前にした講演で、被害の大半は今後15年以内に生じる可能性があると警告した。潜在的な問題を軽減するための対策は、先延ばしにせず早急に検討すべきだと同氏は述べている。

「今後100年間に起きる被害の大半は、先のことではなく、より早い時期に起きるでしょう……」

ドゥライラジャン氏が主導した研究は、気候変動がインターネットにもたらすリスクを評価した初の研究だ。

「今回の分析は、海面上昇の静的なデータセットだけを調べ、それをインフラに重ね合わせてリスクを把握したという点で、保守的なものです」とドゥライラジャン氏は述べる。「海面上昇に加えて、津波、ハリケーン、沿岸の沈み込み帯での地震なども要因となり得ます。いずれも、すでに危険にさらされているインフラにさらなる負荷を与え、壊滅的な事態を招く可能性があります。」

研究によると、2033年までに1,100カ所を超えるインターネット通信ハブが水に囲まれる。最も影響を受けやすい他の2都市はニューヨーク市とマイアミだが、影響はさらに広がり、世界の通信を妨げる可能性がある。

「今後100年間に起きる被害の大半は、先のことではなく、より早い時期に起きるでしょう」と、研究の筆頭著者であるポール・バーフォード氏は述べる。同氏はウィスコンシン大学マディソン校のコンピューター科学者で、ドゥライラジャン氏が博士課程の研究の一環として本研究を進めた際の指導教員だった。「それは予想外でした。対策を立てる時間は50年あると思っていました。50年もありません。」

NOAAが予測した、2033年のニューヨーク市における海水の影響とインターネットインフラ。海底ケーブル、長距離光ファイバーケーブル、都市部の光ファイバーケーブルはそれぞれ赤・緑・黒で示され、水没地域は青で示されている。Image: ポール・バーフォード/ウィスコンシン大学マディソン校
NOAAが予測した、2033年のマイアミにおける海水の影響とインターネットインフラ。Image: ポール・バーフォード/ウィスコンシン大学マディソン校
NOAAが予測した、2033年のシアトルにおける海水の影響とインターネットインフラ。Image: ポール・バーフォード/ウィスコンシン大学マディソン校

バーフォード氏は「物理的なインターネット」の第一人者だ。物理的なインターネットとは、埋設された光ファイバーケーブル、データセンター、通信交換拠点、終端装置を指し、これらは世界の情報ネットワークの中枢、動脈、ハブとして機能している。

「まずインフラの強化を考えるでしょう。しかし、海を食い止めるのは難しいのです。」

米国のインフラのみを対象としたこの研究では、インターネットの物理的構造を網羅した世界地図「Internet Atlas」のデータと、米国海洋大気庁による海面上昇の浸水予測を組み合わせた。

危険の芽は、1980年代にインターネットが急速に拡大するなかで、意図せず生まれたとドゥライラジャン氏は述べる。技術が爆発的に発展した当時、世界規模のネットワーク構想も、気候変動への備えも考慮されていなかった。

「インターネットが商用化されると、誰もが利益を得ようとしました」と同氏は語る。「企業はそれぞれ独自にインフラの整備を始めました。各社が独自の方針を持ち、自社に都合のよい形で、望むものをすべて配備したのです。」

時がたつにつれ、インフラの層が幾重にも重ねられていった。技術は進歩したものの、光ファイバー回線は今も敷設されたままで、最も大きなリスクにさらされていると同氏は述べる。埋設された光ファイバーケーブルは耐水性を備えるよう設計されているが、海中でデータを運ぶ海底ケーブルとは異なり、防水仕様ではない。

最もリスクの高い管路は、すでに海面に近い場所にある。極地の氷の融解と熱膨張による海面のわずかな上昇だけで、埋設された光ファイバーケーブルが海水にさらされる可能性があると研究は指摘する。ハリケーン「サンディ」と「カトリーナ」に伴う壊滅的な高潮や洪水の際に通信サービスが中断したことは、今後起こり得る問題の兆候だったと、バーフォード氏とドゥライラジャン氏は述べている。

沿岸インフラを強化し、そこでの障害が連鎖的な障害となって内陸の拠点まで停止させないための緩和策が必要だと、ドゥライラジャン氏は述べる。研究によると、防潮堤を建設した場合の影響を予測するのは難しい。

「まずインフラの強化を考えるでしょう」とバーフォード氏は述べる。「しかし、海を食い止めるのは難しい。多少の時間は稼げるかもしれませんが、長期的には効果がないでしょう。」

この研究では、各インターネットサービスプロバイダーが保有する埋設資産のリスクも調べ、Century Link、Inteliquent、AT&Tが最も高いリスクにさらされていることが分かった。

ドゥライラジャン氏は7月16日、モントリオールで開催されたApplied Networking Workshopで、研究成果を学術界および産業界の研究者らに共有した。同会合は、Association for Computing Machinery、Internet Society、Institute of Electrical and Electronics Engineersが共催した。

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