絶滅の危機に瀕した種を守るために闘うなかで、身近な種のことも忘れてはならない

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  • ここ数十年で、多くの絶滅危惧種の動植物の減少に歯止めがかかった。

  • しかし、生物学の教授は、希少性へのとらわれが、ありふれたものを見落とすことにつながりかねないと論じる。

  • 研究が示すように、ありふれた種の価値は生態学的、経済的なものだけでなく、心理的なものでもある。

  • ありふれた生き物を守ることは、生物多様性、環境、経済に大きな恩恵をもたらす可能性が高い。

希少なものほど人々の関心を集めるものはない。自然界では、減少する種の最後の個体群に、希少性が最も鮮明に表れる。こうした希少な動植物には計り知れない価値があり、絶滅を回避する最後の望みとなる。

こうした孤独な個体のなかには、――最後のオスのキタシロサイ、スーダン、 最後のリョコウバト、マーサ、そして同種で最後のハワイマイマイ、ジョージのように、名前まで記憶されるものもいる。絶滅は、それが身近な存在に関わるとき、ひときわ胸に迫る。

希少種の保全に向けた取り組みは大きな成果を上げてきた。ここ数十年で、多くの絶滅危惧種の動植物の減少に歯止めがかかった。数十種もの固有の生物が絶滅から救われた。しかし、希少性へのとらわれが、ありふれたものを見落とすことにつながりかねない。

ありふれているものは、平凡でありきたり、さらには無価値とさえ見なされがちだ。それは油断を招く。作家オルダス・ハクスリーが指摘したように、「ほとんどの人間には、物事を当たり前と思う絶対的で無限の能力がある」。自然と、それが人々にもたらす数えきれない恩恵を守るには、身近なものに目を向け続けなければならない。

自然を当たり前と思うとき

19世紀、生物学界を代表する思想家のジャン=バティスト・ド・ラマルクとトマス・ハクスリーは、海洋生物の繁殖力と乱獲の非現実性を理由に、海で絶滅が起きることはあり得ないと考えていた。

私の故郷であるオンタリオ州では、初期の入植者たちは魚や野生生物は尽きることがないと考えていた。20世紀初頭、米国土壌局は自信をもってこう宣言した。「土壌は、国が保有する唯一の破壊されず不変の資産である。それは枯渇することのない唯一の資源だ」。

自然には限りがないという考えには大きなリスクが伴う。その教訓は厳しく、混乱は生態学的にも経済的にも広がった。北米では、かつて世界で最も数の多い鳥だったリョコウバトの絶滅、一時はあまりに数が多く、船の航行を妨げるほどだったタイセイヨウダラの激減、プレーンズバイソンの壊滅、アメリカグリの急速な消失、そしてストローブマツの減少がその例だ。

これらの種はかつて非常に豊富だと考えられ、その減少や消失は想像もできないことだった。

ありふれた種も減少している

豊富さは、絶滅を防ぐ部分的な緩衝材にすぎない。一見、数に限りがないように思える種であっても、個体数の激減を免れるわけではない。保全の焦点は次第に、希少な種だけでなく、ありふれた種を守ることにも向けられている。

ありふれた種に目を向けるべき理由は多い。数の多い種は、炭鉱のカナリアのような警告役になり得る。北米の鳥類に関する研究によると、この大陸では過去2世代の間に30億羽の鳥が失われた。

こうした減少には、かつて広く分布し、安定していると考えられていた種も含まれる。ベニヒワは2,900万羽、オナガクロムクドリモドキは8,300万羽、アメリカヨタカは2,600万羽減少した。この甚大な損失は、危機にある種の指標は希少性ではなく、減少の速さであることを思い起こさせる。

注目すべきは、ありふれた種の個体数の変化が、生態系の機能に大きな変化をもたらし得ることだ。鳥は小さな体ながら、無数の昆虫を食べ、花粉を運び、種子を散布することで、生態系に大きな影響を及ぼしている。

あるカリブーの群れは、数十万頭にのぼり、毎年数百万キログラムの飼料植物を食べる一方、数百万キログラムの糞粒を通じて土壌に栄養分を戻している。

ありふれた種の価値は、生態学的、経済的なものだけでなく、心理的なものでもある。自然界とのふれあいが心の状態を改善することは、数々の研究で示されている。身近な種を失えば、庭先の鳥であれ玄関先の蝶であれ、自然と関わる機会が減る可能性が高い。

ありふれた種の絶滅を防ぐ

ありふれた種は、その数の多さゆえに自然を動かす力となり得る。しかし、絶滅という決定的な事態に至るずっと前から、そうした生態学的な役割は弱まる可能性がある。

保全において希少性が重要な位置を占めることに変わりはない。しかし、持続可能で生物多様性に富む未来を目指すなかで、私たちは「ありふれた種の絶滅」を避けなければならない。成功に必要な手立てはすでにある。自然を注意深く観察し、油断を防ぎ、長期的に投資することだ。

ありふれた生き物を守れば、環境、経済、そして心に大きな恩恵がもたらされる可能性が高い。

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