泥炭地が脅威にさらされている。今、保全に向けて行動すべき理由

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  • 泥炭地は、炭素吸収源および生物多様性のホットスポットとして大きな役割を果たしています。

  • 排水や泥炭の採掘による何世紀にもわたる減少で、泥炭地は大きな危機にさらされています。

  • 現在進行中のプロジェクトが示すように、損なわれた環境は回復できます。

  • 損なわれた泥炭地を再生し、今も残る泥炭地を守らなければなりません。

湿地には、泥炭地、湿原、沼沢地、低層湿原、泥炭湿地など、さまざまな呼び名があります。いずれにも共通するのは、土地が一時的または恒常的に水で飽和していることです。しかし、こうした場所は重要な役割のない単なる沼地だと思うなら、それは誤りです。これらの景観は、水を貯留・浄化する能力だけでなく、炭素吸収源や生物多様性のホットスポットとしても特別な重要性を持っています。

泥炭地はなぜ重要なのか?

泥炭地は、枯れた植物を蓄積して泥炭を形成する、湿地の一種です。水で飽和しているため、植物が生分解されずに蓄積します。泥炭地では、この増え続ける有機物の層(泥炭)がゆっくりと炭素を蓄積し、恒久的に隔離します。これまで泥炭地にはあまり注目が集まっていませんでしたが、その秘めた可能性は非常に大きいものです。 泥炭地は現在、地球の陸地表面の約3%を占め、世界全体の炭素の約33%を蓄えています。これは、世界中の森林に蓄えられている炭素の合計を上回ります。

泥炭地は生物多様性のホットスポットでもあります。栄養分が乏しく、酸性で湿潤な高層湿原に生息する動植物の種は限られていますが、そこに生息する種は高度に特化しており、この生息環境に依存しています。

健全な泥炭地は、大雨の際に洪水を緩和することで、景観全体の水収支を安定させる役割も果たします。

危機にさらされる泥炭地

泥炭地は何世紀にもわたって危機にさらされてきました。肥沃な牧草地や農地をつくるために排水されるか、エネルギー源として利用される泥炭の採掘によって破壊されています。泥炭地の水が抜かれると、泥炭が空気にさらされ、炭素がCO2の形で放出されます。その速度は、炭素が隔離されたときの20倍です。

スイスの泥炭地

19世紀初頭、スイスには約250,000ヘクタールの湿地がありました。1900年までにすでに面積は40%減少し、現在残っているのは2,000ヘクタール未満です。つまり、過去200年間にスイスの泥炭地の90%超が失われました。対策を講じなければ、今世紀中に完全に消失する可能性があります。

泥炭地の再生

このほぼ取り返しのつかない損失を防ぐため、過去30年間に、スイスに残る泥炭地の約30%で再生措置が実施されてきました。これまで、再生プロジェクトの主な資金源はスイス連邦政府と各州でした。

世界経済フォーラムは、2019年年次総会に向けた持続可能性への取り組みの一環として、グラウビュンデン州エンガディン地方にある3か所の泥炭地、計2.5ヘクタールの再生も支援しました。そのうち2か所では、現在、再生が完了しています。ダボスでの年次総会のようなイベントは、その性質上、有限な資源を消費し、排出を生み出すことを踏まえ、フォーラムはその両方に責任を負うことを目指しました。その一環として、測定と相殺に加え、年次総会を開催する地域に、プラスの遺産を残すことも目指しました。

3か所のうち最大の再生地である、サンモリッツの「サラストラインズ」は、前世紀に人工水路が設置されて排水され、泥炭は暖房用に採掘されました。これに対し、3つの再生措置が講じられました。第一に、区域の周囲に水を通さない木製の堰を設置すること。第二に、古い排水溝をせき止めること。第三に、湧き水を湿原に戻すことです。泥炭地は再び水で満たされ、生物学的な劣化とCO2排出が止まり、炭素を隔離するようになりました。植物を定期的に採取して、再び水を得た区域の状態と、時間の経過に伴う泥炭形成の進み具合を評価しています。このプロジェクトの最終報告書は、今年4月に公表される予定です。

泥炭地で形成される泥炭は年間わずか1~10ミリメートルです。そのため、再生措置は不可欠であり、残された泥炭地を守ることが極めて重要です。

フォーラムの持続可能性への取り組みについて詳しくはこちら: http://wef.ch/sustainability

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