森林宣言評価の新たな報告書は、土地の保全において先住民およびその他の地域コミュニティ(IPLC)が果たす重要な役割を認識し、支援しなければ、パリ協定の目標達成は不可能だと述べています。
報告書の著者であるClimate Focusと世界資源研究所(WRI)によると、IPLCの土地の約90%は炭素吸収源です。両者はブラジル、コロンビア、メキシコ、ペルーのIPLCの土地を分析しました。
IPLCの土地は1ヘクタール当たり年間平均30メートルトンの炭素を吸収します。これはIPLCの保護下にない土地の約2倍に当たり、4カ国のパリ協定目標のおよそ30%に相当します。
報告書は、各国に対し、IPLCのすべての土地の権利登記を促進し、開発事業への同意を確保し、環境保護活動家の保護に取り組み、国連の目標にIPLCを含めるよう求めています。
新たな報告書森林宣言評価によると、先住民および地域コミュニティ(IPLC)の復元・保護された土地が果たす重要な役割を認識し、支援しなければ、パリ協定の目標達成は不可能です。
「Sink or swim」と題されたこの報告書では、著者のClimate Focusと世界資源研究所(WRI)が、ブラジル、コロンビア、メキシコ、ペルーにおけるIPLCの土地が気候変動の緩和にもたらす可能性に焦点を当てています。さらに、その可能性が各国の気候関連政策や、パリ協定の目標達成に向けた国が決定する貢献(NDC)に反映されているかを検証しています。
この報告書の公表は、国連が評価報告書を発表する数日前でした。同報告書は、炭素排出を最も効果的に削減し、世界の気温上昇を産業革命前の水準から1.5℃未満に抑える方法を提言しています。
IPLCの土地に吸収される排出量を算定する報告書の調査を率いた、WRIのエコノミスト、フアン・カルロス・アルタミラノ氏は、IPLCの土地が炭素吸収源であることは以前から認識していたとMongabayに語りました。しかし、調査対象地域の少なくとも90%で実際にそうであることが明らかになったといいます。
ラテンアメリカの4カ国では、IPLCの土地は1ヘクタール(2.5エーカー)当たり年間平均30メートルトン(33トン)の炭素を吸収することも調査で明らかになりました。これはIPLCの保護下にない土地の約2倍です。2030年に向けた4カ国のパリ協定目標のおよそ30%に相当します。
報告書によると、こうした貢献がなければ、約束した排出削減目標を達成するため、他の主要な経済部門が不足分を補わなければなりません。例えば、IPLCの森林が提供する吸収機能の喪失を補うには、ブラジルとコロンビアは自動車保有台数の80%を廃止する必要があります。
「政治家や開発業者は時に、こうした土地は生産性がないと考えます。 […] 経済的な観点では、牛を飼ったり、木材用に木を伐採したりする方が理にかなう、と考えるのです」とアルタミラノ氏は語ります。
「しかし、土地がもたらす生態系サービスをすべて考慮していません。土地を大切にしなければ、農業や牧畜といった通常の経済活動を行うことさえ、さらに難しくなります。」
報告書によると、牧畜、鉱業、伐採はこれらの領域にとって大きな脅威です。最近の研究によると、4カ国すべてで商業農業が引き起こす森林破壊の大半は違法です。また、違法採掘の割合は、ブラジル、コロンビア、メキシコで少なくとも約75%に上ります。
「私たちは開発にとって靴の中の小石のような存在です」と、コロンビア・アマゾンのマグタ族の先住民リーダーであり、アマゾン流域先住民組織調整機構(COICA)の気候変動・生物多様性コーディネーターを務めるハロル・リンコン・イプチマ氏は語ります。
イプチマ氏は、経済の多角化が必要だと述べます。それは、大豆栽培や森林破壊を基盤とし、経済発展のために母なる地球を犠牲にするのではなく、先住民コミュニティがどのように領域を管理してきたかから学ぶことを基盤とするものです。
「私たちが効率的かつ効果的であり、考慮されるべきだと示すデータはすべてそろっています」とイプチマ氏は語ります。「私たちの存在と持っているもの、つまり言語、世界の捉え方、芸術は、すべて一体となったものです。これらが合わさることで、気候変動を緩和し、生物多様性を守るための基準を満たせるのです。」
政策とガバナンスの課題
東南アジアでは、貧困の深刻化や生計手段の喪失が、一部のIPLCコミュニティの人々を、土地での持続不可能な採掘事業や、換金作物を栽培するための森林伐採へと向かわせる一因となっています。
研究者によると、こうした事態は、一部の人々が土地や自然との伝統的なつながりを失い始め、市場との関わりを深め、保全よりも持続不可能な活動への金銭的な誘因を重視するようになることで起きています。研究者らは、持続不可能な慣行へと歯止めなく進むのを防ぐため、IPLCの伝統的な生計手段と土地を確保し、支援することを提案しています。
一方、報告書は、アフリカやアジアの多くの地域とは異なり、ブラジル、コロンビア、メキシコは、慣習的に所有してきた土地の大半についてIPLCの権利を正式に認めている、世界でも数少ない国だと指摘しています。
農地改革の歴史があるメキシコは、報告書によると、IPLCの土地の残る0.5%について権利登記を行えばよい一方、他の3カ国にはまだ長い道のりがあります。報告書の著者らは、政府に対してIPLCのすべての土地を登記するよう求めています。また、土地登記を担う機関に十分な資源を配分すること、コミュニティが費用を賄えるよう資金を提供すること、登記手続きを簡素化することで、手続きの迅速化を図るべきだと詳述しています。
対象国におけるIPLCの土地権利政策の役割と、その適用方法の違いも強調されています。ペルーでは、最高裁判所が、鉱物資源の採掘権を持つ者を含め、第三者が先住民の土地に立ち入ることを排除する権利を認めています。
一方、メキシコとコロンビアでは、IPLCの権利の範囲に制限が課されることがあります。例えば、政府はコミュニティの同意を必要とせずに、権利登記済みのIPLCの土地で採掘権を付与できます。
「多くの国には立派な法律がありますが、残念ながら自国の法律を実施しないことがよくあります。先住民の土地を守る法律も同様です」と、報告書の政策面を率いたClimate Focusの主任法律顧問、ダラー・コンウェイ氏は語ります。
コンウェイ氏によると、先住民や地域コミュニティが、森林や生計手段を破壊しかねない開発事業に対して権利を主張すると、暴力や犯罪者扱い、法的な威圧にさらされる事例が繰り返し確認されています。
「Global Witnessによると、2020年に殺害された環境保護活動家はコロンビアが65人で世界最多でした。ブラジルとメキシコでも、それぞれ30人、20人の殺害が報告されており、世界でも特に多い数字です。世界全体では、報告された致死的な攻撃の3分の1以上が先住民を標的としており、メキシコではその割合が50%に達します。
4カ国はいずれもエスカス協定に署名しています。この協定には、ラテンアメリカとカリブ海地域の環境保護活動家の権利を守る規定が含まれますが、批准したのはメキシコだけです。
報告書は、他の3カ国にも批准を求めるとともに、4カ国すべての政府に対し、暴力からIPLCを守るための法執行能力の強化など、協定上の約束を確実に実行する法律を制定するよう求めています。
国際舞台での土地の権利
2月に発表されたIPCCの気候変動報告書では、IPLCの土地権利に58回言及しており、土地の権利が気候変動の緩和策・適応策として捉えられるようになった変化を示しています。
先住民の土地の権利は、交渉の中心議題にもなりました。火曜日にジュネーブで終了した、国連生物多様性条約の2020年以降の世界生物多様性枠組みに関する交渉では、先住民の代表団メンバーや交渉担当者が、生物多様性の保全と種の絶滅危機の反転には、大規模なIPLCの土地権利の確保も必要だと認めました。
先住民の領域には、世界に残る原生状態の森林景観の36%と、地球に残る生物多様性の80%が含まれると推定されています。
新たな世界的枠組みは、2022年5月に中国・昆明で開催される国連生物多様性会議COP15で採択される予定です。報告書の対象となった4カ国はすべて、昨年11月の国連気候サミットで森林と土地利用に関するグラスゴー宣言にも署名し、2030年までに森林の喪失と土地劣化を終わらせることを約束しました。
報告書によると、生物多様性枠組みと森林政策の双方の中心に、IPLCの土地の保護とエンパワーメントを据えることが、パリ協定の目標達成を可能にするうえで重要です。
「西洋の現代科学に基づく証拠がこれほど多くあるのに、なぜ政府は[先住民コミュニティの]重要性を理解しないのでしょうか」と、メキシコのオアハカ出身のサポテカ族の先住民リーダーで、国連生物多様性交渉における先住民代表団の一員だったグアダルーペ・イェセニア・エルナンデス・マルケス氏は語りました。
「私たちが必要とされていることを示してきたからこそ、2020年以降の[世界生物多様性枠組み]における役割を求めています」とマルケス氏は語りました。「私たちの命は自然に直接依存しています。自然は私たちにとって神聖なものです。だからこそ、これからも[生物多様性]を保全し続けたいのです。」
バナー画像:マム族の女性たちが、後に地元の市場で販売する松の実を、ケツァルテナンゴ県カホラの森で収穫しています。彼女たちの仕事は、森林再生の取り組みを支え、地域の家族が経済的に生計を立てる助けとなっています。画像提供:セルヒオ・イスキエルド
Mongabayポッドキャストの関連エピソード:シャイアン・リバー・スー族の一員で、ネイティブ・アメリカン魚類・野生生物協会の理事を務めるジュリー・ソーステンソン博士と、米国の科学ジャーナリスト兼作家のミシェル・ナイハウス氏を迎え、米国で先住民が主導する複数の保全プロジェクトについて話します。こちらからお聴きください:








