新たな研究によると、海洋保護区に生息する海洋生物の大半は、温室効果ガスの排出によって海水温が上昇すると、それに耐えられなくなる。
海洋保護区は、ホッキョクグマやペンギン、サンゴ礁など、脅威にさらされた海洋生物を、漁業や鉱物・石油採掘などの活動による影響から守る避難場所として設けられてきた。研究によると、これまでどおりの排出が続けば、現在の保護措置は意味をなさなくなる。2100年までに気温が上昇し、酸素濃度が低下することで、海洋保護区は現在そこに生息する種の大半にとって住めない環境になるためだ。
「この規模の温暖化が進めば、今世紀末までに海洋保護区から多くの、あるいは大半の動物種が失われると予想しています……」
この研究は、Nature Climate Change誌に掲載され、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の代表的濃度経路8.5(RCP8.5)、通称「これまでどおりのシナリオ」に基づくと、2100年までに海洋保護区の気温は2.8度(華氏5度)上昇すると予測している。
この研究はまた、異なる生態地域の海洋保護区で、大半の種が変化に耐えられなくなる臨界値を超える年も推定している。熱帯地域の多くでは、21世紀半ばにもその時期が訪れる。

「この規模の温暖化が進めば、今世紀末までに海洋保護区から多くの、あるいは大半の動物種が失われると予想しています」と、筆頭著者であるノースカロライナ大学チャペルヒル校の海洋生態学者で生物学教授のジョン・ブルーノ氏は述べる。「最悪の事態を避けるには、直ちに排出削減シナリオを採用する必要があります。今後20年以内に排出量をピークにし、その後大幅に減らし、化石燃料を太陽光や風力などのよりクリーンなエネルギー源に置き換えるシナリオです。」
この研究の主なポイントは次のとおり。
世界には8,236か所の海洋保護区があるが、海洋表面の約4%を覆うにすぎない。
2100年までに2.8度(華氏5度)上昇するという予測は、海洋保護区に現在存在する生態系を根本から損なうことになる。
研究者らは、海洋保護区内の平均海面水温が年0.034度(華氏0.061度)上昇すると予測している。
研究者らは、北極と南極の海洋保護区では特に急速に温暖化が進み、ホッキョクグマやペンギンなど多数の海洋哺乳類が脅威にさらされると予測している。
最も大きなリスクにさらされている海洋保護区には、北極と南極、北西大西洋、そしてガラパゴス諸島北部のダーウィン島とウルフ島沖に新たに指定された禁漁区が含まれる。
「気候変動への対処法を見つける時間を稼ぐため、海洋保護区を設けようという話はこれまで多くありました」と、この研究に携わったフロリダ工科大学の海洋科学者リッチ・アロンソン氏は述べる。「もう時間はありません。実際、何をすべきかはすでに分かっています。温室効果ガスの排出を抑えなければなりません。」





