気候影響と適応に関するIPCC報告書の主なポイント

A worker removes dead anchovies washed up on the shores of the Coliumo beach near Concepcion, Chile February 20, 2022.
Immediate action is needed to address the current biodiversity crisis.Image: Reuters/
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  • 国連の気候変動に関する機関が、新たな重要報告書を発表した。

  • 報告書は、すでに深刻な気候変動の影響と、地球上の大半の生命を取り巻く状況の悪化を詳述している。

  • そこでは、生息地の破壊、生物多様性の著しい減少、世界の食料供給へのリスクが指摘されている。

  • 報告書はまた、地球の陸地、淡水域、海洋域の30~50%を保全する必要性を強調している。これは、国連生物多様性条約の30%目標にも呼応する。

国連の気候変動に関する機関が発表した最新の重要報告書は、気候変動が自然、社会、経済にどのような影響を及ぼしているか、また温暖化する世界に適応するために何ができるかを詳述している。 続きを読む

報告書の主な結論をいくつか紹介する。

「広範囲にわたる」被害はすでに発生している

地球温暖化によって引き起こされる熱波や嵐、その他の災害で、人々や動物がすでに命を落としていると、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は警告する。陸上でも海中でも、数百種の動植物が地域から姿を消した。

異常気象はまた、数百万人を深刻な食料・水不足の危機に追い込み、インフラに損害を与えたり、サプライチェーンを混乱させたりしている。

干ばつに見舞われている地域で熱波が発生するなど、気候影響が重なると被害はさらに深刻化する。サンゴ礁の死滅や氷河の融解による損失など、私たちの生涯では元に戻せないものもある。

報告書は、人類が自然と共に生きるあり方を全面的に見直すよう求めている。社会や経済の仕組みを少し手直しするだけでは「気候変動に強い未来にはたどり着けない」と、IPCC報告書の共著者で、マサチューセッツ州のクラーク大学で地理学と人類学を教えるエド・カー氏は述べた。必要なのは、「食料からエネルギー、交通、さらには政治や社会に至るまで、あらゆる面での変革」だという。

適応の限界を超えつつある

適応できる範囲には限界があり、やがて状況が極端になりすぎると、それに伴うリスクは「受け入れがたい」ものになるとIPCCは述べている。

多くの場合、気候変動によって変化した状況に対応することは、技術的には今も可能だ。しかし、費用や政策などの障壁が立ちはだかる。IPCCはこうした適応の限界を「ソフト」な限界と呼ぶ。

「ハード」な限界には、明確な解決策がない。生物学的に、人間が耐えられる暑さには限度がある。標高の低い島々は、やがて海面上昇にのみ込まれる。一部の動植物はすでにハードな限界に達しており、海洋熱波で死滅したサンゴ礁などがその例だ。

温暖化が進むごとにハードな限界は増えるが、産業革命前と比べて気温が摂氏1.5度(華氏2.7度)上昇すると大幅に増加する。すでに1.1度上昇した地球は、今後20年以内にそのしきい値に達すると予想されている。

温暖化が1.5度を超えると、氷河や雪解け水に生活用水を頼る人々は深刻な水不足に直面する。2度に達すれば、多くの地域で重要な食用作物が育たなくなる。さらに、温暖化が1.5度を超えた状態が数十年続くほど上振れすれば、多くの影響が不可逆的になる。 続きを読む

自然は深刻な危機にある

世界のすべての地域で、さらなる種の減少や絶滅のリスクが高い。気温が1.5度上昇すると、陸上の種の3~14%が姿を消す可能性があると科学者は予測している。 続きを読む

最もリスクが高いのは、将来の海面上昇に直面する沿岸の種や、干ばつや上流域の氷河の早期融解によって季節的な河川流量が乱されると影響を受ける種だ。より生息に適した地域へ容易に移動できない動植物も、リスクが高い。

報告書は、地球の陸地、淡水域、海洋域の30~50%を保全する必要性を強調している。これは、国連生物多様性条約の30%目標にも呼応する。

現状では、その目標にはほど遠い。世界の陸地の15%未満、淡水域の21%、海洋のわずか8%しか何らかの形で保護されておらず、その多くで「管理が不十分」だと報告書は述べている。+

人間と社会も苦境に直面する

熱波やその他の異常気象による公衆衛生上のリスクに加え、傷んだ食品や汚染された水、蚊など病原体を運ぶ昆虫を介して病気が広がるリスクも高まっている。

特に貧困層や社会的に脆弱な人々が暮らす地域では、栄養不良が増えている。海面上昇や異常気象に加え、土壌の質の低下や受粉の減少によって食料生産が損なわれるおそれがある。漁業も打撃を受け、とりわけサンゴ礁に依存する漁業への影響が大きい。

同時に、気候変動に関連する異常気象は医療サービスを混乱させ、メンタルヘルスへの負担も増やしていると報告書は述べている。

残された時間は少ない

報告書は、より温暖化した世界に向けて今すぐ備えるよう呼びかけている。異常気象やその他の気候影響は、これまでの報告書が予想していたよりも速いペースで進んでいる。

「これ以上の遅れがあれば、すべての人にとって住み続けられる持続可能な未来を確保するための、短く急速に閉じつつある機会を逃すことになる」とIPCCは結論づけている。

地域社会は、暑さや洪水リスク、水の確保といった課題に対処するため、インフラを強化し、都市のあり方を見直す必要がある。暮らしやすさを高めると同時に温室効果ガスの排出を削減する取り組みは、「従来考えられていた以上に緊急性が高い」と報告書は述べている。ジェンダーや所得の不平等への対処など、公平性と正義を優先する行動は、全体としてより良い成果につながるという。

少なくとも170カ国が気候計画に適応策を盛り込むなど、一定の進展はあるものの、世界の大半は後れを取っている。

「適応は進められていますが、資金が不足しており、優先度も高くありません」と、IPCCの共著者で、Climate Analyticsとバハマ大学で人間環境地理学を専門とするアデル・トーマス氏は述べた。「適応に向けた重点的な行動と資金支援が必要です。特に今後10年間が重要です。」

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